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by KOMPas

 『処遇現場ソフト』の実装 (8)端末側ソフト ブラウザ、EXCEL(WORD)、OUTLOOKEXPRESS、そしてACCESS

 安価な端末側ソフトとして上記3種をあげました。これにあとアクロバットのランタイム版やDOCUworks等があります(Xerox社のDocuworksはAPIも公開されていますので、将来とても魅力的な端末ソフトに進化する可能性があります。)が、ここではそのサーバーの扱いが今一僕自身がわかっていないこともあって、話をはぶきます。

 メールソフトを端末ソフトにつかうやり方は、入力中心の端末ならとてもよい方法です。特にフレッツ回線契約などがあると、メールサーバーを外部業者に委託することでメールサーバー管理から解放されるので、組織内部でメールをデータベース化する何らかのシステムがファイルサーバー側にあれば,データは続々とたまってゆきます。なにより、メールを入力につかうと、バイナリファイルの入力がとても簡単にできる、という点があります。欠点をあげるとすれば、データの閲覧関係は、別の端末ソフトを使ったほうがいい、という点だけでしょうか。但しこの短所はけっこうおおきなものがあります。

 ここではEXCELとWORDは同意語であつかいます。つまり、VBAで対応可能なデータベースのopen/closeを、EXCELでおこなうことが可能です。というより、とても簡単でかつ期待以上に強力です。この方法の選択枝は豊富です。これまで「データベース」といわれたデータベースはほぼあつかえます。これの短所は「強力すぎること」です。ブラウザを端末ソフトとしてつかうときもVBスクリプトをつかいますが、WEB−SERVERがあつかうVBスクリプトが管理者管理であることにたいして、EXCELのVBAはユーザー管理になります。WEB-SERVERのVBスクリプトも、EXCELのVBAも、データベース操作にかんしてはほぼ「なんでもあり」状態が可能ですが、これをユーザーにまかせると、データベースのセキュリティは無残に無秩序化されてしまいます。ここをかわすことができれば、とてもつかいやすくユーザーフレンドリな端末ソフトが実装できます。ただし、ユーザー管理で「なんでもできる」ツールをもつ端末がもつリスクは計り知れないものがあります。 

 同じVBAをつかうものとしてACCESSがあります。僕達の評価では、ACCESSはデータベースとしてつかうべきで、端末でつかうものではない、というのが定説です(但し「僕達の評価」は一般的ではありません。)。理由は簡単です。端末ソフトとしては、値段が高価すぎます。データベースソフトとして使う分には大変コストパフォーマンスのある商品だとおもいます。ACCESSを端末としてつかうとよさそうな場面は、オラクルやSQLserver等の「本格的データベース」をつかっていて、そのセキュリティを守るためにEXCELではなくACCESSをつかうといった場面でしょうか。これが納得できる理由は、単に、本体のデータベース構築がとても高価で、端末ソフト代がかすんでしまうというところか、端末をあつかうのが技術者集団であれば、ACCESSの端末は充分もとがとれる、というところでしょうか。

 若干わきみちにそれます。確かに福祉関連のソフト市場にある「処遇ソフト」はパフォーマンスのわりに高価過ぎる傾向はありますが、それをさけてACCESSで構築しようとすると、おそらくもっとコストがかかってしまうのではないか、とおもわれます。 

 ACCESSを端末ソフトに使って「処遇ソフト」をつくろうとお考え方にもう1点。EXCELやWORDのファイルを共有フォルダーにおいて、違うコンピュータからそのファイルを開こうとすると、「編集できません」のエラーメッセ-ジか警告がでることをご存知と思います。データベースをACCESSでつくってそのネットワーク上にあるたった1つのmdbファイルを、ネットワーク上の数個の端末機からACCESSで開けばいい、と安易にお考えであれば失敗します。 

 最後が真打!という考えはありません。但し、最低限のセキュリティをまもりつつ、低コストな「処遇現場ソフト」を実装しようとするなら、WEB-SERVERをデータベースにかましたネットワーク上で、ブラウザを端末としてつかうやりかたでしょう。昨今はやりのグループウェアが、使いやすくて安価なものであれば、これを利用するのは賢い選択だと思います。サイボーズなど多くの企業でつかわれているグループウェアのデータベースに関するAPIさえわかりやすいものであれば、強力な「処遇現場ソフト」をつくりだせるかもしれません。 

 ここではLAN回線上でACCESSデータベースとPersonal WEB Serverをつかってのデータベース構築をざっと見積もると、(開発コストを抜きにすれば)端末がいくらふえようと、5万円前後(つまりACCESS購入費用)で可能です。ただし、教育費や開発費、手間等とのトレードオフはあらかじめ顧慮すべき課題です。 

 ブラウザを端末データベースとしてつかう最大の利点は、インターネットがつかえる!という点です。つまり、携帯電話やはたまたプレステ2なども端末機として使うことが可能な点にあります。 

 ブラウザを端末にするシステムの短所は、そのシステム開発がへたすれば大変かもしれない点と、「様式」がすくなくとも「監査むけ」とはいえない点でしょうか. 

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