平 成 19 年 度

 

 

                園     書 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

                社会福祉法人 福智の里

                    重度知的障害者更生施設 鷹取学園

 

                  822 福岡県直方市大字下境字鬼ケ坂336ー11

                      TEL   0949ー24ー6622

                      FAX   0949ー24ー8333

 

 

2008 05 07 FK

 

   

 

 

 

 

              目  次

 

 

 

 

 

                                                    ページ

 

目 次                      1

 

平成19年度  事業報告               2   10

 

平成19年度  行事・結果一覧表          

 

平成19年度  指導関係報告書                   11   30

 

平成19年度 医療報告書                       31   34

 

平成19年度  給食に関する報告書                35

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    平成19年度事業報告書

 

                                          社会福祉法人    福智の里

                                            重度知的障害者更生施設  鷹取学園

 

 

【事業内容】

(目的)

この社会福祉法人は、多様な福祉サービスがその利用者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより、利用者が、個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援することを目的として、次の社会福祉事業を行う。   

 

(1)第一種社会福祉事業

()知的障害者更生施設  鷹取学園の設置経営

()知的障害者更生施設  鷹取学園通所部の設置経営

 

(2)第二種社会福祉事業

()障害福祉サービス事業 (鷹取学園)

 

〔当初計画〕

1、はじめに

〔障害者自立支援法に対して〕

平成154月から、利用者の自己決定を尊重した「支援費制度」がスタートし、平成17年度で三年目を迎え一応の切りがつき、平成184月より障害者自立支援法がスタートしました。平成184月から9月までは試運転状態で、10月からは障害者自立支援法が一気に加速されて動き始めるという予定でしたが、66日に東京日比谷における障害者自立支援法への改正内容の要望行動が、日本知的障害者福祉協会を中心に動き出し、障害区分程度の認定評価項目の見直しから、再度、障害者自立支援法の内容充実を目指す方向に流れが変わっている段階であります。障害者自立支援法の骨子は変えずに、肉付け部分において充実をはかるという方向で進められるといわれています。

当園も平成21年度を目途に新体制に移行する方向で、平成18年度から動いていますが、実際には、施設入所者が何人のこるかということが問題となり、障害区分程度の認定調査結果によらなければ、はっきりした方向性がつかないというのが、現在の知的障害施設の実態となっています。

〔障害者自立支援法の内容がどんどん変化する〕

@     施設収入の減額、入所者の自己負担について

運営面から見ますと、平成173月中旬の段階で、支援費そのものが1.7%減額されました。また、平成18年度の支援費の予算は、年度当初から1.3%減となり、加えて外泊・入院の場合は入金を減額する方法から、6日以降はカットするという方法が導入され、運営面では予算立ても難しい運営に変わって来ました。(補足説明:平成16年度は、支援費支払いについて、入所者が入院した場合は20%のカットという方法がとられ、更に入所者が施設から帰省した場合にも入院の時と同様に20%をカットするという方法にかわり、在園していない場合は本人の負担はしなくてよいという事であった。)

入院時に関する減額について、平成19年度はまた、変更があるようです。

現体制から、新体系に移行するにしてもはっきりとした期限を現在では決定できない状態に立たされています。

身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法、児童福祉法の一部が「障害者自立支援法」に一本化され、平成184月より、障害者であっても医療費の負担制を敷き、食費と光熱水費が原則自己負担とされ、負担金に関しては、所得に応じた月額上限措置が取られ平成184月1日から出発しましたものの、18年度の途中から、自己負担が重過ぎるといったことになり、再度の見直しが、平成19年度には実施されるようです。

 

A 障害程度区分の評価基準の見直し

国の財政問題との絡みで、税金で賄われる支援費制度の見直しが進められ、将来的には介護保険制度に組み入れるといった方向に進められると聞いていましたが、現段階では障害程度区分の評価基準を介護保険と身体障害者の評価基準で作成した項目では、知的と精神障害に対する評価基準として考えるには、余りにも大きな隔たりがあることが分かり、再度の見直しがなされるといった段階になっており、介護保険との合体が疑問視されています。

 

B 入所者の6日を超えた入院・外泊時には、職員の人件費が出ない仕組み

18年度は、入院、外泊の場合は、外出、帰園日を除き、入院・外泊者のベッドの確保の観点から、6日間までは減額された一定の金額が支給されるものの、7日以降は収入が入ってこない仕組みとなりました。この件についても、入院期間は3ケ月まで入所施設が確保するといったことになっているため、職員の人件費の問題が生じて来ます。

平成194月から、減額された一定の金額支給について、6日を8日に延ばすとか、長期入院の場合は3ケ月までは認めることに変更されるといった案が出されていますが、いずれにしても今まで出ていた職員収入と比較すれば、3分の1程度の収入にしかならないということになり、職員を確保していくためには、大変な状態であることには代わりはありません。誰でもが直ぐに対応できるといった職種ではないことが理解されていないことに問題があるところです。

(平成14年までの措置費制度時代の数値からすれば、かなり厳しい状態に変化していま

 

〔事務関連について〕

事務関係では、新会計基準に沿った会計処理で進められ、施設に対する行政からの支援費支払い業務が福岡県国民健康保険団体連合会に任せられ、福岡県国民健康保険団体連合会からの支払いを施設が代理受領し、施設に払い込んだ分の残りの利用者負担金を入所者が個人ごとに施設に支払うといった体制が、漸く形作られました。次に利用者が施設に支払う今までの負担分について、@サービス費用の1割(定率負担)負担〔これは、所得段階に応じた月額上限を設けた4段階区分〕とA実費負担(食費、光熱水費⇒これも負担能力に応じて配慮する形をとる。)といった2分野構成とされており、最近になり自己負担体制がようやく定着してきた状態といえます。

当初の国の説明において、「国民に判りやすい内容にする」ということで始まった体制にしては、大変分かりづらいものになっており、知的障害を持った人達にとっては大変理解しにくい内容となっています。

平成18年度暮れより、マスコミが取り上げて騒がれましたが、障害者の1割負担は重いとの声が上がり、この件についても平成19年度からは、基準の見直しがなされるということになっています。

最近は新しい制度が発表されてから、凡そ3ケ月位するとまた、何らかの変更内容が生じるといったことの繰り返し状態となっており、問題点として感じられる内容や、納得できない内容は、どんどん厚生労働省に訴えていかなければ、流れに乗り遅れるといった観になっています。

平成17年度より、施設運営に対する国庫補助がほとんどなくなり、福祉事業を行っている運営主体が持つ、自己の資金内容範囲でやりくりしていかなければならなくなった為、将来を見越した計画的な経営をしていかなければならない状態です。しかし、今まで出せないといっていた補助金、助成金についても、平成19年度には、新制度への移行に対する設備投資等に対しては、国は補助金を考えるといった変化も起こっています。

〔支援費対象者ランクの内容〕

平成19331日現在の鷹取学園入所者の支援費対象者ランクA、B、Cの内容は、75名中Aが73名、Bが2名、C該当者は0名です。(平成184月当初は、支援費対象者ランクA、B、Cの内容は、75名中Aが70名、Bが5名、C該当者は0名であったが、内容に納得が行かないため、福祉事務所に再判定の依頼をした結果、Bの5名中3名がAとして認められた)

また、支援費制度のAランク認定の重度知的障害に加えて2種以上の重複障害(障害者手帳等により認められたもの)を有する対象者へは、重度重複障害者加算制度(通称、三障害加算)については16名であったが、再度の申請の末18名となっています。

〔知的障害者の言語障害認定に関する問題〕

また、重度重複障害者加算の認定における重大な問題点として、重度知的障害者であって年齢的にも23歳以上の年になり、その後も終生にわたり言語を持っていない対象者に対しも、現在の身体障害者手帳の認定では言語障害の範疇では認められていません。

その考え方の元になっているのが、知的障害は発達障害であり、いつの日かもしかすると言語能力が発達して、言葉が出る可能性があるといった考えが基本になっていると思われます。しかし、この見方は甘いといえます。知的障害を持ち、言語を持たなかった子供たちの追跡調査がなされていなかったということ以外のなにものでもありません。 

成人し高齢化の道を過ぎて老齢化して行くまでの重度知的障害者の言語に対する問題点に対し、全く目を向けていなかったということを証明しているに過ぎないといえます。 要するに重度知的障害者の言語問題などどうでも良いといった結果でしかなかったということだと思われます。

(※ 詳細説明⇒重度重複障害者加算に対する重度知的障害に重複する障害内容としては、視覚障害、聴覚・平衡機能障害、肢体不自由(四肢の障害)、内部障害(心臓、腎臓、若しくは呼吸器または膀胱、若しくは、小腸、若しくは人免疫不全ウイルスによる免疫機能の障害)、精神障害(知的障害を除く)となっております。 知的障害者の言語障害に対しては、器質的なものから来る言語障害は身体障害者手帳の対象となるが、知的障害に起因する発達障害による言語障害は、身体障害者手帳を対象とする障害には当てはまらないとの法的解釈により、知的障害者の言語障害は現在でも身体障害者手帳発行の対象外となっています。それ故、重度重複障害者加算の対象には該当しないとされています。

しかし、知的障害が発達障害という考えに基づくと考えた場合に、人間の脳の発達段階は、23歳〜24歳までが限界とされているため、それ以上の年齢に達した知的障害者に対しても、一生を終わり死ぬまで言語が無くても言語障害として認めないのかといった問題が残ります。もともと脳という身体の一部に障害が起き、それ故に言語に結びつかない事が身体障害に当たらないという考え方がおかしいと思われるところです。器質的に障害を持っていて、充分な会話ではないにしても、言語としてコミュニケーションの取れる対象者でも、構音障害ということで身体障害者手帳の対象者となりますが、終生にわたり全く言語を持たずに会話の出来ない知的障害者は、言語障害ではないという考えは、彼らを支援していく現場の職員の立場から考えると全く納得のいかない事なのです。もう一言付け加えるならば、最重度知的障害者ならば全てが言語を持っていないという理論構成で上記の論理は成り立っているはずでしょうが、現実には最重度の知的障害を持っている人の中にも、一般的ではありませんが成人した対象者の中には、例外的でも言語を有している人がいるわけです。このような現実を知的障害者福祉の学識者といわれる方々は、知らなくては本当の判断は出来ないわけです。発達障害に絡んだ最重度の知的障害者は始から言語が無いのだという論理そのものがおかしいということが理解されていない訳です。最重度の知的障害者といっても、赤ん坊から老人に至るまでの巾があります。現在の解釈の元になっている考え方は、重度、最重度の知的障害という人達の実態を知らない机上の論理でしかありません。この問題は今後に残された大きな課題であり、当園でしか判らないといった問題ではない筈です。 この部分をはっきりさせれば、多くの言語を持っていない知的障害者の人達への福音になると考えられます。)

通所部については、平成18年度始めまでは、10名定員に対し1名の通園対象者で対応しました。平成18年度途中から通園していた1名も、障害者自立支援法の影響もあり、他の入所施設に入所しました。その後は、希望者はあっていません。平成19年度も知的障害者福祉の動向を見ながら対応していく予定としか現時点では表現できない状態です。

 

〔高齢にむけての今後の課題〕

また、今後、鷹取学園が抱える課題点は、保護者の高齢化と、入所者の高齢化問題です。保護者が高齢化し、亡くなられた方も出ています。入所者自身も加齢化し、知的障害に加えた高齢者問題を抱えなければなりません。現在、当園の施設設備や職員体制のままでは、現状態を守っていくだけでも大変な状態です。

障害者自立支援法では高齢化して病気になったり、老齢化した場合は入院をさせる或いは老人ホームへといった経過措置を講じていけば知的障害者のライフスタイルは描けていると考えられているようです。しかし高齢化した重度や最重度の知的障害者を簡単に引き受けてもらえる場所はなかなかありません。残るところは、現在生活している当園で老齢化した園生を見て行くという事でしょうが、現状の体制では不可能なことです。

歳を取っても、元気で何とか生活していけるまで見て行くというのが知的障害者更生施設としての限界だと思われます。

病気になり、動けなくなった場合は、健常者が老人になった場合と同じ様に、知的障害を持っている人を看ることの出来る医療関係が経営する老人疾患病院や老人施設等のようなところでしか看て貰えないと思われます。また、家族を持たない独り身の知的障害を持っている人の場合は、なおさら厳しい状態を迎えなければならなくなります。現在、成年後見制度の紹介がよくされていますが、本人の持っている金品財産に対する後見問題であって、本人の生涯にわたる後見をするといった内容で無い事は、この内容を知る多くの人たちの共通の理解であるところです。この点に関しても真摯に受け止め、更なる対策を講じるように方向付けしなければならない点でしょう。

平成18年度より支援費制度が新たに障害者自立支援法に取って代わり、大きな制度改革が目指されましたが、高齢化する重度知的障害者支援のあり方に、医療問題を取り入れた福祉体制を考えるとか、今後どの様に対応していけるのか、またそれを実現できるような方向に努力していくといった考え方は在りません。

 現に入院すれば、施設との関係が直ぐにでも切り離されてしまうというのが、現在の知的障害者福祉の実態です。

 

〔保護者にお願いすべきこと〕

早急に対応していかなければならないことは、親御さんを中心とした保護者の皆様が元気な内に、園生が高齢化した場合の対応について、現時点で考えられること又はしておかなければならない事はしておくべきだと思われます。出来るだけ多くの、またいろいろな情報を保護者の皆様には伝達していきたいと考えております。

施設ができる部分は施設の立場に立ってどんどん進めていきますが、保護者にしか出来ない部分がどうしてもあります。

山積された問題点に対し、当園だけの力ではどうすることもできないものがあります。施設と保護者が共に支えあいながら入所者を守っていかなければならないということしかありません。 平成19年度も知的障害者福祉に対する啓発内容をあらゆる対象機関に対し働きかけていくということと、多くの皆様方の協力と支えを仰ぎながら知的障害者福祉推進のために努力しく所存です。

 

結 果

平成1866日に東京日比谷における障害者自立支援法への改正内容の要望行動が、日本知的障害者福祉協会を中心に動き出し、障害程度区分の認定評価項目の見直しや、障害者自立支援法の骨子は変えずに、肉付け部分において充実をはかるという方向で平成19年度は進められましたが、1年の内に色々な変更が行われるといっためまぐるしい年であったと言えます。

入所者の自己負担の軽減が考えなおされ、外泊・入院の場合は月の6日以降は支援費をカットする方法が、急に8日以降に変更になり何処でどの様な根拠で変更なされているのかも定かでありません。ただ、不満となって表れて来ることを気休め程度に変更しているとしか思われないと言えます。入院後3ヶ月の間は施設の籍は確保していなければならない制度ですが、8日分に関しても133%程度の金額しか施設には入らないことになっており、8日以降に関しては収入がないにもかかわらず施設職員の給与は支払って行かなければならないといった決めごとは全くおかしいと言えます。

障害程度区分の評価基準の見直しに関しては、日本知的障害者福祉協会が中心となってアメリカのSIS(障害者支援尺度)を日本版にアレンジした内容を作成し、平成20年度に実際に試してその結果で、次の評価表を公的な形として使用していくという段階まで来ています。

予算関係については、平成18年度より幾分増額されましたが、平成19年度の内容で平成20年度も経過をみるといった現在の厚生労働省の流れになっているようです。

知的障害者の言語障害認定に関する問題も折をみては、直接に知的障害者と接しておられる更生相談所の職員さんや福祉事務所の職員の方々に説明の機会を窺って説明をしてきました。平成19年度は、この言語障害の問題に加えて当園では知的障害者が身体障害症状を呈しているにもかかわらず、身体障害者手帳の対象者には当たらないといった問題と正面から取り組まなければならない事態に直面しました。お医者さんの診断では、明らかに身体障害の症状ではあるが、その原因に対して診断がつかないといった結果でした。

 

2.平成19年度の運営方針

〔当初計画〕

平成18年度は4月から障害者自立支援法が新たにスタートしましたが、出発当初からいろいろと問題を含んだ体制での出発となっています。障害者自立支援法としての柱はそのままで、枝葉の部分での調整で平成19年度は進められていくように感じられます。

新体制への移行は様子を見ながらの状態となるために、支援体制は平成18年度の体制をベースに進める予定です。

園生への支援については、平成18年度と変わらない支援方針で、重度、最重度の知的障害のハンディを持った一人一人に対して、本人に適合した支援内容で自立に向けて明るく楽しく充実した学園生活が送れるように力を注いで行く予定です。

障害者自立支援法の内容が変化していく中で、職員の位置付け、数等が変化していくようになっていますが、まだ、はっきりとした姿が見えておらず、平成19年度も平成18年度同様の職員体制で進めることになります。

学園入所者の平均年齢は44歳程度ですが、重度知的障害者は加齢化が早いと言われますので、この点にも充分に配慮を加えながら、設備の改善、生活環境の改善、生活の質の改善というように、支援・介助・処遇の質的向上に努めていきたいと思うところです。具体的には、快適な生活環境作り、作業・訓練等の充実、各種行事の開催、健康管理、食生活改善といった学園生活の充実に向け力を注ぎ進める計画です。

結 果

運営方針通りに、重度、最重度の知的障害というハンディを持った一人一人に対して、本人に合った支援の形で自立に向けて明るく楽しく充実した学園生活が送れるように力を注いで取り組むという点ではそれなりの成果を残せたといえます。

昭和6281日依頼、鷹取学園に20年間、嘱託医として勤務されて来られました糸井孝吉先生が平成1910月で退職されました。「今より悪くならないように、今より少しでも良くなるように」、「必要のない薬は使いません。」等さまざまな言葉で直接処遇職員に対し、治療教育の大切さを教えていただきました。「薬では知的障害を治すことはできません。指導していくことで、ゆっくりでも社会参加できるようになるために、善悪の判断がつき、して良いことと、して悪い事がわかるようになるように、その為の前段階として鷹取学園での生活が送ることが出来るようになることが必要です」。

話された言葉が職員の心の中に残っています。

難治性のてんかん発作の人が在園していること、自閉症の人が在園していてパニックが起こす。

これ等に対する治療を行う目的で、糸井先生が鷹取学園の嘱託医になられたことが、つい最近の様に感じられます。治療が開始され、いろいろな問題点が軽減されて現在の鷹取学園の姿にまで漕ぎ着けたと言えます。長い間、本当にありがとうございました。

平成1911月より、新たに北九州市小倉北区宇佐町 医療法人 りぼん・りぼん【病院名】

三原ディケア+クリニック りぼん・りぼん より医師の鳥巣美穂先生が後任として鷹取学園の嘱託医になられました。平成20年度は、鳥巣美穂先生のもとで精神科治療対象者41名と他の入所者の精神面での健康管理がなされて行きます。

 設備の改善、生活環境の改善、生活の質の改善という点で、平成1910月より、にわかに調理室増改築工事の話が前進することになりました。福岡県が障害者自立支援法基盤整備事業に該当することで2000万円の助成金を受けて、平成20年の1月から3月にわたって工事が進められ年度末に完成しました。食生活改善の基礎となる新しい調理室が完成しました。

入所者の支援・介助・処遇といった内容に関しましては支援計画とその結果に関する報告で述べて行きたいと思います。

 

3。平成19年度事業計画案

〔当初計画〕

大きな行事のみを抜粋

   1〉第27回学園祭   第27回運動会  

27回親子旅行  第27回餅搗き大会  第27回クリスマス会  その他

  結 果

年間の計画通りに実施できました。

 

 2)建物等に関して

1〉厨房、食堂の改修工事に向けての計画内容まとめ

〔当初計画〕食事の場所が狭いために、バイキング食や選択食等を実施するためには充分なスペー

スが取れていない。また、食事を作る調理師控え室の配置、トイレの場所、物品倉庫の位置等の問題も含め、平成20年に建物改修工事を着工するに当たり、機能的な諸設備器具等の買い替えを含め改修工事を如何に衛生的な、効率の良い、料理を作る場所にするための充分な計画案、日程等の調整、工事の間の園生の食事を含めた、充分に検討を重ねた具体的な計画案作りをして、いつでも工事に取り掛かれる体制までに進めておきたい。

結 果

平成199月に福岡県保健福祉部障害福祉課に話に行った時に、障害者自立支援法基盤整備事業に申請して、平成19年度内に事業を完成させるという話で調理室の増築工事がおこなわれることになり、長い間の懸案であった調理師控え室の配置、トイレの場所、物品倉庫の位置等の問題を解消する建物の増築工事を完了することができました。

 

2〉フラワーホームの照明器具の取替え工事

〔当初計画〕夜間フラワーホームに行くと、フラワーホーム全体の照明が暗く感じられますので、照明器具の交換を計画しています。

結 果

本年度は、結果としては見送ることになりました。

 

3〉浄化槽(小)の配電盤の塗装について

〔当初計画〕配電盤に錆が来ている状態にあり、塗装工事の必要があります。

結 果

 本年度は、見送ることになりました。

 

4〉キューピクルの改修工事

〔当初計画〕平成18年度にキューピクル内の塗装をしましたが、電気主任の点検時に電灯トランス

用計器用変流器と電流計がトランス容量に適合していない事が判明している事に関しましては、改修工事に至っていません。すぐさまの対応というわけではないようですが、電気使用量が多くなるといった時点では工事が必要になる予定です。この場合は、停電させての工事となる予定です。

結 果

H18にキューピクルの塗装工事に関しては、発錆、腐蝕に関する内部塗装、外部塗装を行い、腐食

部をステンレスの板で補修した。電灯トランス用計器用変流器と電流計とのトランス容量が合致

していないとのことでした。改修工事は、現在の使用量ではそれほど急な工事をしなくてもよいと

のことでありましたが、調理室増築工事でキューピクル内を扱うことになり、一時停電させなけれ

ばならない状況になったので、電気主任からの要請もあり、取り換え期限が平成204月末までと

なっているために、平成203月に変成器の取り換え工事を済ませました。

 

5〉学園周囲のフェンス工事

〔当初計画〕学園周囲に張り巡らしてあるフェンスネットが古くなり、園生が破って出て行けるような状態になっています。外部からの侵入者防止のためには是非必要になります。ただ、学園の西側部分は新しく張り替えていますので、その他の場所の張替えが必要になっています。

結 果

平成19年度は、悪い部分を針金で補修していくといった方法で、見送る結果となりました。

 

6〉廊下等のPタイル修理について

〔当初計画〕廊下の水拭きをするためにPタイルが浮き上がり破損しています。引っかかったりしますので交換の必要があります。

結 果

平成19年度学園祭の前に、廊下のPタイルが浮き上がり破損している部分の修理を完了しました。

 

4、購入物品、修理品、その他に関して

  

1AED(除細動器)の購入

〔当初計画〕学校関係、公共施設においては何処でも、AED(除細動器)の配置が多くなっています。

当園でも体の弱い対象者が多いので準備しておいたほうが良いと考えられます。

結 果

AED(除細動器)の販売先について、直方消防署に問い合わせを行いいろいろなメーカーが販売していることを確認しましたが、実際に実習を受けさせた後にどのような機種が良いかなど検討とて話を進めることにしていましたが、平成19年度購入には結びつきませんでした。

 

2〉医務室内の保護室への監視カメラ設置について

〔当初計画〕精神的な不安定で他園生に迷惑を掛ける状態になった人を落ち着かせるための部屋を準備しておりますが、現在は部屋の中にいる本人の状態を把握するために、その都度部屋を開けて確認しなければなりません。確認のために部屋を開けることで、マイナスになることがあります。この部屋を使用する対象者に対し、適切な判断と適切な対応を行うために、職員のみが確認できるタイプの監視カメラを設置する必要があります。

結 果

障害者自立支援法における新体制への移行により、支援の内容が実際にどのように変化するのか、職員体制がどのようになるのかといった具体的支援内容がつかめないために、監視カメラの設置については見送ることになりました。

 

3〉予定外の内容

結 果

平成19年度当初には購入予定とはなっていなかったことですが、支援員が日誌記録用に使用するパ

ソコンの使用年数が5年を過ぎてから破損したり修理する事が多くなり支障を来すようになりまし

た。業務上必ず必要なものですので、12台の買い替えとなりました。他にも1,2台買い替えの時期

に来ているものがありますので、平成20年度の購入予定となります。

 

5、維持管理、その他

維持管理

1〉ボイラー缶内の清掃

〔当初計画〕本館機械室、フラワーホームの暖房ボイラーを平成13年度の終わりに新規入れ替えました。平成14151617年度は必要なかったのですが、18年度の2月にフラワーホームのボイラーのみ、掃除を行いました。本館機械室のボイラー掃除を実施しなければならないと予定しています。併せて煙突掃除を行う予定です。

結 果

19年度は平成18年度に続きフラワーホームのボイラー部のバーナー部分の掃除を行いました。

本館機械室のボイラー掃除にかんしては実施しなくて良かった。ただし、平成20年度には、電触棒の交換をしたり、ボイラー缶内の清掃掃除を行うようになると思われます。

 

6、園内の環境整備

1〉各ホームの入り口を飾る。

 〔当初計画〕園生居住棟のプロ野球ホーム(男子棟)、ディズニーホーム(女子棟)、フラワー

ホーム(重度棟)に、各ホームの特色を持たせるために、ホーム毎の入口や廊下の壁等に装飾を施

す。

結 果

各ホームとも特徴を出せるようにホーム入口の室内装飾に生花や造花などでホーム内の明るい雰

囲気つくりに心がけた。

    

7、学園周辺の環境整備に関する事

〔当初計画〕学園のホーム周囲の環境については、1年中、いつでも花が途切れる事なく咲いているといった環境整備を考えています。園芸班が育苗したものを、各ホームで植えつけ、管理を行っていくといった方法で進める予定です。また、樹木に関しては、外部のプロに依頼して園庭整備を進めていく予定です。

結 果

各ホームとも特徴を出せるように中庭に花を植えるなどして、ホーム内外の明るい雰囲気つくりに

心がけたり、学園祭前には、直方シルバー人材センターや造園業者に依頼して環境整備につとめま

した。また、平成19年度も金光教筑豊支部会信徒会の皆様より、7月に園周りの草取りの奉仕活動

をしていただき、大変美しくなりました。

  

8、その他継続懸案事項                 

1〉居室改装(バリアフリー構造)の件

〔当初計画〕高齢化に対しての、居住空間の改善ということでは、部屋が狭すぎるといった事が考えられます。現在は和室であるため、床と上がりがまちの間に段差があり、高齢化を考えれば床はフラットで、汚れた場合に手早く掃除できる等、衛生的且つ安全に活用できる、介護しやすい居室の改装が今後必要になると考えられます。

結 果

新体制への移行時期となってしまい、実際にどのような学園内の体制で対応できるかは、入所者の障害認定審査の結果により、施設そのものが施設入所者の障害程度区分の平均数値によって職員の数が決まりますので、判定結果が出てからでなければ全てが曖昧であるので、施設の居室改装につながらないので平成19年度は実施しなかった。

 

2〉宿直室の改装工事(プロ野球ホーム・ディズニーホームの宿直室の改装工事)

〔当初計画〕現在は風邪引き者が出た場合は、昼間は静養室で寝かせています。しかし、夜間はどうしても重度者であるために、本館の離れた静養室では看れず自室に戻しています。

自室に戻すと、どうしても他の園生が目をさまし不眠になり、色々な問題を引き起こす原因となり

ます。

このため静養室内の療養室とは別に宿直者が自分の横で寝かせておけばすぐに対応できる様な現

状の四畳半の部屋を改装し、カウンターまでの広さに拡張した9畳の部屋にするといった方法での

対応を考えています。

この部屋は、ホーム毎に開催するホーム会議にも活用する予定です。

結 果

上記の〈1〉居室改装(バリアフリー構造)の件同様に、新体制への移行途中であるために、平成

19年度は見合わせることになりました。

 

3〉浄化槽の改修について

〔当初計画〕浄化槽全体の問題として、設備、機械等が全体的に古くなったこと、二箇所に分かれ

ての管理がなされていることなどから、浄化槽全体についての改修工事を行った方が良いと思われ

ます。

結 果

二つある浄化槽の一つは、国県の補助金で作られたもので、もう一方は日本財団の助成金で作られたものであるため、一つの浄化槽として作り変えるためには難しい問題を抱えることになりました。

平成19年度は見送る事になりました。

 

4〉火災報知器の改修工事

〔当初計画〕26年間使い続けた火災報知器がかなり古くなってきました。現在は未だ故障は来

ていませんが改修工事の予定をしなければ成らない時期に来たかと思われます。

結 果

平成19年度も故障もなく何とか無事に交換工事をせずに済みました。

 

5〉スプリンクラーの設置

〔当初計画〕消防法が平成18年度に改正になり、学園の建物に対してはスプリンクラーを設置しなければならなくなりました。かなりの費用が掛かるために直ぐには実現できませんが、設置の方向で進めなければなりません。

結 果 平成19年度は直方消防署の方の改正があり、スプリンクラー設置場所が本館とフラワーホームの2ヶ所との指摘を受ける。平成24年からのスタートということであったが、現状の施設経営の在り方は、国からの補助金も一切来ないことになっている事などの説明を行う。実際のスタート前には事前に研修会の通知が来るなどの説明を受ける。結果的には、かなりの予算が必要となり、法的な決めごとであっても、すぐに対応できるようなことではない事を伝える。消防署の職員の方も、実態がそれなりに掴めているので、無理なことを言われるようなことではなかった。

  

6〉学園周囲のフェンス工事

当初計画】学園周囲に張り巡らしてあるフェンスネットが古くなり、園生が破って出て行けるよ

うな状態になっています。外部からの侵入者防止のためには是非必要になります。ただ学園の西側

部分は新しく張り替えていますので、その他の場所の張替えが必要になっています。

結 果

平成19年度、悪い部分を針金で補修していくといった方法で、見送る結果とした。

 

9、平成19年度職員研修計画

     〔当初計画〕 平成19年度の鷹取学園の新職員採用試験をしました。障害者自立支援法が4月1日より始まりますが、次々に体制が変化したものになっておりますので、体制に応じた職員の採用を進めていかざるを得ない現状になっています。当園としましては重度、最重度知的障害をもつ入所者の支援(処遇)が充分にこなせる様な体制作りのために、今後とも職員の質を高めるために研修の機会を多く与えたいと考えています。 

    また、現在まで継続勤務している職員に対しても、平成15年度から支援費制度がスタートし、平成184月から開始されました障害者自立支援法が次々と改正されています。これに対応できるための研修会参加を予定しています。先々には介護保険との合併も視野に入れて進めるべきだとの考え方が未だ残っています。いずれにしても、今後とも大きな変化が来るものと思われます。時代の流れに対応できるように、また専門性を高める理由からも、当園に関係する各関係機関の開催する研修会、通信教育等に参加させ、職員個々人の質的向上をはかり、学園全体の入所者に対する福祉の質的向上に努めるところです。

 

    研修内容

    1〕福岡県社会福祉協議会主催による各種研修会

    2〕全国社会福祉協議会および異種開催の各種研修会並びに通信教育及び資格認定講習会    等

    3〕全国知的障害者福祉協会主催による、各種研修会等。

    4〕社会福祉関係機関より案内を受けた各種研修会のうちで、内容を検討し、当園に必要と思われる内容を取捨選択し参加。

    5〕海外研修

        国及び各福祉諸団体が主催する、主に老人福祉に関連した海外研修に参加させ、知的障害者福祉の増進につとめる。また、当面する加齢化、高齢化する内容に対応できるように備える。

結 果

平成19年度は2名の支援員を採用しましたが、一名は途中退職し、もう一名は年度末に退職した形になりました。研修については、1〕、2〕、3〕、4〕の研修に参加させることができました。

また、個人的な通信教育に対しても職員にスクーリング等の時間を与えることで、1名が精神保健福祉士の国家試験に通ることになりました。

 

10、職員の健康管理

〔当初計画〕職員の健康管理については、年2回実施予定。法定健康診断においては、年齢が35歳以上に当たる職員については、成人病検診の内容までを対象とします。

検診の結果、少しでも異常の出た人には、日常からの健康管理に留意し対応する。場合によっては、保健婦指導を受けさせ、治療に当たらせ、健康管理に努めたい。

結 果

平成19年度も予定通りに、年2回の法定健康診断を実施し、職員の健康管理に努めました。

 

 

 

 

    平成19年度鷹取学園 支援部

報告書

                                 

                                                             鷹 取 学 園

                                 報告者 紙野文明

〔当初の計画〕

はじめに

平成15年度より始まった支援費制度が3年を終え、平成184月より障害者自立支援法がスタートしました。平成184月から9月までは試運転状態で、10月からは障害者自立支援法が一気に加速されて動き始めるという予定でしたが、66日に東京日比谷における障害者自立支援法への改正内容の要望行動が、日本知的障害者福祉協会を中心に動き出し、障害区分程度の認定評価項目の見直しから、再度、障害者自立支援法の内容充実を目指す方向に流れが変わっている段階であります。障害者自立支援法の骨子は変えずに、肉付け部分において充実をはかるという方向で進められるといわれています。

当園も平成21年度を目途に新体制に移行する方向で、平成18年度から動いていますが、実際には、施設対応者が何人になるかという、障害区分程度の認定調査結果によらなければ、はっきりした方向性がつかないというのが、知的障害施設の実態だと思われるために、新体系に移行するにしてもはっきりとした期限を現在は決定できない状態に立たされています。

こういった中で、当園としての平成19年度 支援体制の計画を立てていく状態にあり、平成18年度に準じた支援内容を組んでいかざるを得ない状態です。

(鷹取学園の平成18年度取り組みに対する考え方について⇒平成18年度より実際に開始されるという流れになっています。身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法が一本化された新たな新法のもとでの社会福祉事業が展開されるようになります。現在まで障害種別ごとに分立していた33種類の既存施設・事業体系を6つの日中活動に再編し、一日の区分を日中活動と居住支援というようなノーマライゼイションの考えそのものの実現を社会福祉事業に形作るという方法が現実かされてきました。 支援費制度からの考えに基づき、園生は学園の利用者として、当法人の理事長と契約を行い、福祉サービスを受ける立場にあり、施設はサービス内容を提供する立場で、対等の関係で福祉を進めるという方向で進められます。

契約により、今まで行ってきましたサービス内容に対し、一線を引いて施設側が提供するサービス内容と提供しないサービス内容をはっきりさせ、契約上で施設側のサービス提供内容以上のサービスを本人が希望する場合は、そのサービスは希望者本人の負担により行われますという様になり、双方に担うべき責任分担の所在をはっきりさせ、今後のサービス提供を進めて行きますという方法で展開されていく様になりました。

各施設の経営に対しては、自分の施設は自分の施設の運営計画と方針に基づき、今までのように行政依存型ではなく、民間企業的な位置付けで、自己の責任において経営していくということになっています。当園のように重度、最重度の知的障害を持って生きていく人達に対しての福祉サービスは、どのような体制になろうと園生(入所者)一人一人が将来に向かって安心して、明るく、楽しく、快適に過ごせる生活の場所を確保し、入所者の生活を守っていくという方針は今後とも変わることは無いわけです。)

しかし、平成18年度に起きた医療に対する保護者と学園との理解のズレ(保護者は今までどおり、入院付き添いにも支援員が付き添いをして欲しい。学園としては、入院した時点では、既に学園にはお金が入らない仕組みである障害者自立支援法の枠の中でなければ、施設運営に無理が生じる。)は今後の重度の知的障害者の家族にとっては、行政に対して保護者自らが物申していかなければ、どうにもならないことになると思われます。今後、さらに重度、最重度の知的障害を抱えた上に、加齢化による医療問題が加わった場合の対応については、現在の障害者自立支援法にはその具体性については、まだ示されるに至っていません。

恐らく、介護保険制度との一体化の中で、今後、この部分に関しましての解決策を見出していく事を考えていたと予想されます。

しかし、その様になったとしても、当園の対象者に対する高齢化対策は、現状の介護保険制度で進められている対応では恐らく不可能となり、更なる次の段階での問題点として現れてくると考えられるところです。

通常であれば当事者が発言するところでしょうが、重度、最重度の入所対象者の場合は、本人達ではできませんので、家族が本音を語らなければならないと考えられます。また、長い知的障害者の歴史の中で他の障害者の立場と全く違う部分としては、当の本人達が自分たちの意思をはっきりと全面に出せないという大きなハンディを持っています。本当のところ、家族が実際に本人の意思を代弁できる立場ではなく、あくまで家族の立場からの判断と考えが形として現れることが多く、本人の意志そのものではないといった限界状況を抱えるからです。 本人の立場に立ち無い限り、なかなか難しい問題として残ります。

平成19年度も、重度、最重度の知的障害者を支援していく立場から重度知的障害者の障害程度に応じたライフステージをシュミレートしてみて、将来的な福祉のあり方について施設現場サイドからの声を上げていく予定です。

 

今まで当園が手がけてきた、ノーマライゼイションの考えに基づき、昼の「作業・訓練域」と夜の「生活域」を区分し、3つの生活棟をユニット型で運営し、入所施設ではあるが、できる限り一般家庭に近い環境に近づけ、「働く時間」と「家庭生活」といった時間区分での方法が、具体的な枠で実施されていくという事です。

「楽しい生活環境作り」を目標に、生活の質の向上に目標をおいて、平成19年度も進めて行く計画です。

精神的な安定につながる作業・訓練を提供し、それが個人の生きがいにつながるようになり、重度、最重度の知的障害者には難しいといわれています自主性とか自発性といった積極的行動が増進するように支援して行きたいと思っています。

当園の平成19年度支援内容については、後述の様な具体的計画で進めていく予定です。

〔結 果〕

平成19年度もノーマライゼイションの考えに基づき、昼の「作業・訓練域」と夜の「生活域」を区分し、3つの生活棟をユニット型で運営し、入所施設ではあるが、できる限り一般家庭に近い環境に近づけ、「働く時間」と「家庭生活」といった時間区分での方法進めて来ました。大きな事故もなく、入所者は鷹取学園での生活を個々過ごすことができたと思っています。

9月に福岡県保健福祉部障害福祉課との話し合いにより、平成2010月を目途に新体制への移行を決定し、平成201月に入ってから急速に新体制移行に向けて、保護者との話し合い、説明会等を進めて来ました。移行のためには、先ず障害程度区分調査を申請し、一次調査を受けその後に二次審査を受けて個人ごとの区分認定が出て、その結果によって施設に入る収入と職員数が決まり、新体制の大枠ができ上がります。それを具体化し、運営体制が整ってから新体制のスタートになります。新体制は基準に沿った運営をしていかなければ収入に対して5%3%といったカットが行われるという内容になっており、十分な組織作りと、勤務体制を構成しなければなりません。重度者を抱えるほど宿直体制は認められず、夜勤体制での対応となります。重度、最重度の知的障害者の支援内容のイメージが何処まで考えられているのかの指針もこれからのことになります。いずれにしても平成20年度に向けて、当園の在り方は大きく変化していくことは間違いないことです。新たな知的障害者福祉体制の下で、更に次なる課題が出てくることと思いますが、前進して行く中で次なる課題をクリヤーしていくことしかないようです。日中活動としての生活介護支援と施設入所支援体制で平成20年度に進んで行きますのでご理解とご協力の程よろしくお願いいたします。

 

平成19年度 支援方針

〔当初の計画〕

【居住(生活)支援と日中活動(作業・訓練)支援に関して】

《1》       居住(生活)支援について

居住支援(生活の場)については、本人が精神的安定を保てるような対人関係を重んじた部屋編成で実施していきます。

長期学園生活を行うといった視点から、部屋が二人部屋の人、三人部屋の人、四人部屋の人となっているために慎重に人間関係を考えて決定します。 施設という限定された生活空間域の中に於きまして、少しでも一般家庭的な生活に近い感じに位地づけていくよう努力していきます。

支援(処遇)内容に対して更なる見直しを行い、施設生活の質的向上を図っていくところです。

居住している生活空間がいつも新鮮に感じられるように環境変化につとめ、それに順応できる生活が出来るように方向付けたいところです。

〔結 果〕

平成18年度同様、入所者の対人関係を重んじた部屋編成により、居住支援については安心して生活のできる場所を提供できたと思っております。

 

《2》       日中活動(作業・訓練)支援について

〔当初の計画〕

班のあり方について八つの班の中から、@アロエ班、A農園芸班、B陶芸班は一般社会に通用するような製品作りに近づけるといった取り組みを考え、製作品の数に対する期待は望めませんが、園芸班を例として説明するならば、

○平成14年度から園芸班が販売する直方古町で五日市販売のほか、十五の市、二十五の市を平成16年度まで続けました。そのほか、3ケ所の直売所(新入グァーグァー市場、名水市場、アグリー福智の郷)においても、自分たちが栽培した切花や花苗を販売できました。地域の方々が園芸班の作った花を買っていただく様子をみて、一般社会の中で自分達の働いている仕事が役立っていると実感させる事ができたことは大きな成果につながっていると思います。

○平成17年度より、直方古町での販売を中止して、イオン直方店様のご協力により毎週土曜日に作品販売をさせていただきました。

○平成18年度も販売を継続して行きましたが、販売金額が伸び悩んだため、イオンでの販売日を土曜日より水曜日に変更しました。 平成18年度の後半になり、ようやくリピーターが花苗を求めに来られるケースが増え、ようやく販売の場として定着できた場所確保までこぎつけた状態に至る。

更に、販売の種類や生産量、品質の向上に向けて充実した日中活動が提供できるように進展させたいと計画しています。

以上の様な例のように、形こそ違い他の班も同じように日中活動(作業・訓練)支援に対しては、できる限り実社会に近い状態の中で色々な経験をさせながら、新たに入所者一人一人の社会適応能力を開拓にし、少しでも進歩できるように進めて行けるように努力したい。

〔結 果〕

平静19年度も、各班とも年度当初の計画に沿った形で、各班の特徴を生かした班運営が出来たといえます。先ずは精神の安定につながる作業を行い、それが幾分かでも一般社会の中で役に立つものにつながること、鷹取学園の存在につながること(入所者の存在のアピールになること)等、少しは社会とのつながりを保てたと考えています。現在の社会情勢の中で、園生作品として出来たものを一般社会の中でいかに使って貰うかという点では、かなり厳しい時代になっています。

平成19年度の傾向も、施設で作られたものだから、どちらかといえば始めから質が悪いとか、価格も安いといった先入観がどうしてもあるようです。農園芸班は売り上げは伸びているものの、実際の純利益には繋がらない状態です。生産量は多くなっているものの、なかなか収益が伸びないといった点は否めません。作品に対する一般社会の評価は良いものの、販売する価格がどうしても低く価値づけられるために、純利の伸びがないというのが実際の結果です。

 

《3》       学園での生活記録及び各家庭への個人情報の開示について

〔当初の計画〕

平成4年より処遇現場にパソコンを導入し、日誌記録をパソコンデータとして活用し始めて、満14年が経過しました。一人一人の学園での生活状況が詳しく記録されています。インターネットを利用していただければ、各個人毎の学園における生活の様子が、家庭において確認できるようになっています。開かれた情報の提供ができるようになっているのですが、他の入所者の名前が日誌に載る場合には、その人個人の機密情報を守る為に、名前の部分は黒で塗りつぶされています。インターネットを活用しての各家庭への個人情報を提供するようになった当時は、3家族が活用されていましたが、現在では15軒の家族がインターネットを利用して、家族の学園生活の様子を把握されるようになっています。勿論、個人情報であるため家族だけにしか分からないようなシステムとなっており、個人のプライバシーは絶対に守るという事から、セキュリティに関しましては十二分に配慮しているところであります。保護者の皆様からの反応は、「家族に取りましては、大いに安心できる」と喜ばれています。 

今はまだ夢の話ですが、将来的にはパソコンを通して、デジタルカメラやデジタルビデオの映像や、またはCD−ROMに保存されているデータなどがありますので、必要に応じて、これをご家庭に情報提供できるようになればと願っています。記録画面の活用、入所者の声等の記録がインターネット上で簡単に映し出されるようになれば、個人ごとの楽しい学園生活をお伝えできると考えております。この点に関しましては、まだまだ問題点が多く、今後の課題となっています。

〔結 果〕

インターネット利用により、保護者の皆様方は各個人の学園生活の様子を家庭で確認していただいているようで、これからもご家庭と学園の二人三脚で進んで行けそうです。また、学園のホームページへのアクセスもあっている様子で、学園の様子や事業計画・決算報告等も外部の方へ情報提供できていると思われます。

 

 

1、日中活動(作業・訓練)支援に関して

〔当初の計画〕

平成19年度も18年度からやって来た日中活動(作業・訓練)支援の方法に基づき、重度、最重度の知的障害をもっていても、個人個人の持てる能力に応じた、日中活動支援に努めます。作業能力が幾分高い人達には、社会に対し少しでも本人のもてる能力をフルに発揮できるように仕向けてやる態勢で進め、できうる限り社会参加できるように仕向けて行くという考えで進めます。 

作業班の形としては、作業指導・機能回復作業指導の2区分体制の考えで進めて行きます。

 

  作業指導部  ‥‥‥‥‥    作業指導班(アロエ、園芸、陶芸)

機能回復作業指導部 ‥‥    軽作業班(染色、和紙、手工芸)

                  ‥‥   機能回復作業指導班ピンチホルダー機能回復指導班

 

作業・訓練班編成においては、作業能力及び各人のもつ精神的、身体的ハンディキャップ等を充考

慮します。

作業能力の低い人と作業能力の高い人が混合で作業を行った場合は、職員の手が作業能力の低い人達の方に時間を取られてしまうため、作業能力のあるグループの人達の足引っ張りとなり、仕事が進まなかったという過去の経緯から、このような状態に陥らないように充分に配慮して進めるようにしている。 また、逆の形の場合もあり、幾分、作業能力の高いグループの中にあって、作業内容が変更になった時とかに、その作業に付いて行けなくなるような場合が生じる時には、その対象者が、グループ活動の内容から能力的に押しつぶされてしまわないように充分配慮していく。

本人の能力と障害に配慮した仕事内容を無理なく提供し、自信を持ち、作業に対する充実感と満足感を味わう事ができるようになることを目標にして進める。

能力に応じた機会均等の作業・訓練を支援することにより一人一人の自立領域が少しでも伸展するように進めていく。

平成19年度の各班の支援計画(目標)及び個人の支援目標を設定するに当たり、前年度の作業・訓練結果を考察しつつ、年度ごとの成果の推移を比較検討しながら、平成18年度の計画を(目標設定を)立て、実現できるように進めていくようにする。

しかし、機能回復訓練班のように数値で目標を現すことの困難な班もありますが、生活支援においては目標項目を絞り、月別チェック表の纏めにより回数や年間トータルの変化を把握しながら、前年度との比較において内容の変化を把握し、段階的に目標基準を上げて行き、可能な限り数値表示で表現できるような方法でもって、変化を把握しその資料に基づいて具体的な形で、段階的に実現できているのかを確認しながら、少しでも向上できるように進めていく。

数値に置き換える事の出来ない難しいケースについても、前年度実施内容と比較することにおいて支援内容の推移を追えば、園生(入所者 )のさまざまな変化が掴めるので、少しでも可能な限り生活の質を高める事が出来るように努力したい。

具体的な形としては、前述したように平成18年度同様に、作業・訓練の内容を【1】作業指導(支援)部と【2】機能回復作業指導(支援)部の二つに分類して進める事とする。

更にこの二つの区分を細分化し、8つの班として各班が特色を持った班活動を稼動させていくという方法で進める計画です。更に詳しい説明は下記の説明となります。

 

【1】作業指導(支援)部

作業指導班を3班設けます。作業指導班は当学園にあって、作業能力としては幾分程度の高い人達のグループとし、金銭的な目標数値にはこだわらないにしても、班そのものが年間に努力した結果と、各班においてどの園生(入所者)が個人的に何を何個作ったかといった経過を把握し、数値の変化に目を向け、本人が自覚できるような確認方法があればその方法を採用し、個人個人の意欲向上につながるように心がけて進める。

能力以上の無理なことは、精神的に混乱を起こさせるため、パニック状態が起こるような事態に向けないよう充分に注意して取り組んでいくつもりです。 取り組んだ時点よりも少しでも向上させることができるよう進めていきたい。作業指導(支援)班の内容としては@農園芸、Aアロエ、B陶芸3がこれに当たります。

 

【2】機能回復作業指導部 

機能回復作業指導部は細区分として軽作業と機能回復指導の2つに区分します。

これらの班の存在意義は、始めから金銭的数値目標の対象となる班ではなく、当初より情緒安定や集団生活への適応が可能になること、欲を言えば本人の生きがい等につながれようになればよいといった点を主眼に置いて進めて来た班です。個人個人が少しでも自立できるように、良い方向に変化して行く事が目標でありますが、指導・訓練する職員がどのような数値目標をたてることが出来るのかといった点が課題であると思われます。この課題は大変難しいと思われますが、ある園生の変化する状態を記録として残す事ができるならば、重度、最重度といわれる知的障害を持った人に対する支援のあり方に光が見えるといえます。具体的な方法論を考え出していく事が、職員自体の大きな仕事となり、もっとも思い知的障害を持った人達への処遇技術となり、ひいては重度、最重度の知的障害を持つ人達の人生そのものにも大きく役立つものへ進歩して行くといった可能性を秘める大変貴重なことでもあるのです。

軽作業C染色、D和紙、E手工芸の三班です。機能回復指導Fピンチホルダー班とG機能回復指導班とします。

 

班にはそれぞれの特徴があり、特に和紙班は自閉症、精神分裂、興奮型の性格といった精神保健的問題を抱えた人達が多く、先ずはパニックを抑えることを目標に、精神の安定を目指すことから始まります。次に日常生活をしていく上で、常時、情緒の安定を保持できるようにしていくことを目標におき、進めていますが、特にこの班は精神科医療との兼ね合いが強く、嘱託医の糸井孝吉先生の治療が並行していなければ難しいところです。その様な班として存在しています。

機能回復指導班は当園の中でも、特に最重度の知的障害をもった人達の班であり、健康維持と生活全体に対しての管理の必要な班です。学園生活をいかに旨く維持・継続して行くための支援を行っていけるかという使命を持って設けられている班です。

〔結 果〕

日中活動(作業・訓練)支援に関しては、当初の計画通りに1年間の流れを通すことが出来ました。

各班ごとの特徴をそれなりに生かし進めることができました。精神科治療に当たられていました糸井孝吉先生が平成1910月までで嘱託医を退職されました。後任として 医療機関名 医療法人 りぼん・りぼん 住所 〒802-0016 北九州市小倉北区宇佐町1丁目930 TEL.093-513-2565  FAX.093-513-1202 主治医の名前 鳥巣 美穂先生が決まりました。診察は平成191130日(金曜日)13時から始まりました。

この体制を踏まえ、医療とのタイアップで入所者の学園における日中活動とホームでの生活を保持できたと思います。

 

 

 

◎◎◎◎

2、各ホーム(生活棟)に関して

〔昭和56年開園からの重度の入所者に対する支援内容〕

平成7年度より、ノーマラィゼイションの考え方を生かし、各棟・各部屋を番号呼称ではなく名称で呼ぶ方法で進めてきた。

入所者の平均IQ20の最重度といわれる知的障害を持っている人達の、施設での集団生活を振り返った場合、当初は多くの問題点を抱えていた対象者も、施錠のない自由な生活空間の中で、のびのびと生活してきた過去26年間の施設生活経験で、それぞれがそれなりに学園生活を上手に送れるようになった。

昨年の支援費制度の出発で、知的障害に対する認定区分の結果で76名中、73名がA判定と認定され、残りの2名がB判定ということになった(平成18年度の初めは、70名がA、5名がB判定であったが、福祉事務所の再判定で前述の内容となった)。最重度の知的障害をもつ入所者が一般的な知的障害者施設の運営形態で、26年間生活できて来たということがどんなに大変なことかということについては、知的障害者入所施設の経験者でなければピンと来ない感覚であるかもしれない。そして、事実、重度の知的障害を持ったお子さんの保護者が沢山見学に来られ、重度知的障害児・者の処遇方法に、現実の証として「夢」と「希望」を持って帰られた方々の姿が残っています。今後とも、このような支援内容を将来にわたって提供できる施設であると自画自讃したいところであり、自己評価としてもかなり高いものであると評価したいところです。

鷹取学園がやってきたこの実績は、重度知的障害者に対しても、ノーマラィゼイションの考え方を支援のあり方として、具体的に運営に生かしてきた結果を、今後とも社会に啓蒙して行くことが学園に与えられ使命で在るとも考えられる。重度、最重度の知的障害を持った本人と家族の人達が、人生に対して少しでも期待感を持ち、前向きに生きようとする考えを持てることは何よりも大きな仕事であると思う。当園のして来た活動を今後とも社会に向けて啓蒙し、他の知的障害者福祉の現場でも生かされるようになれば、今まで彼らを受け入れる現場からは敬遠されてきた重度知的障害を持った人達に対する支援の目が、違った視点で多く注がれるようになり、多くの受け入れ場所ができることを期待したい。

〔当初の計画〕

〔ホームについて〕

ホーム運営に関しての説明としては、一人のホーム長統括がいて、その下に各ホーム毎に1名のホーム長が合計3名置かれている。各ホームはミニホーム単位に細分して運営される。ミニホームは 2クラスか、3クラスでもって相互に協力しながら自分たちのホーム運営を進める。

また、平成15年度からは、各人が自分の部屋といった感覚を持てるように、今までよりさらに精神的な安定ができる環境設定をした方が良いとの考え方で各ホームの人間関係とホームの環境整備に力を入れホーム編成を行った。平成19年度も18年度同様に、さらに落ち着いた生活環境を作る計画で施設内での対人関係を再度調査し、同室者はお互いに気の許しあえる相手を選んでやるように心がける。

〈過去の説明〉

(平成8年度までに、日中の作業・訓練時間帯には各ホームには戻らないという一般社会の生活形態が徹底されており、この方法が全体的に習慣づき、生活帯にメリハリをつけたといえる。成果として現れた事は大きい。平成19年度もこの方法で進めていく。

 〔注〕平成6年度まで、午前の作業後に、作業服を居室で平服に着替え、食堂に来て昼食を取るという方法を とっていた。平成7年度からは一般社会で取っているような会社勤めの人と同様に、日中は仕事着(作業着) のまま、昼食を取るという様にした。)

施設の敷地内にホームの建物(生活棟)と、作業棟及び訓練棟があるという設定は変え様がないが、作業時間に使う建物と生活面で使う建物を区分して利用するという方法は、大変よい結果を作った。

〈重度の知的障害を持つ人達の地域福祉について〉

最近になり、日本の知的障害者福祉施策として、ようやくグループホームを具体的に増やしていこうという動きが現れている。日本では、中軽度の人達を対象に進められているが、福祉先進国と呼ばれる国々では、ノーマラィゼイションという考え方に基づき、たとえ重度の知的障害者といえども中軽度者と同様に町中で生活している姿は当たり前になり、現在では一時期に騒がれたようなノーマラィゼイションという言葉さえも使われなくなっている。しかし、現在の日本における知的障害者福祉のあり方で、重度の知的障害を持った人たちを、地域のグループホームで生活させるなどは自殺行為に等しいといえる。考え方としては、世界の福祉の流れに対応したような話が出てくるものの、その裏づけとなる体制に関しては、ほとんど福祉現場の実体を把握できていないにも拘らず、形だけが先行しているといった無責任なあり方と言うほかない。

支援費支給制度の基本的な考え方の中には、一つの広いスペースにおいて多人数対象の支援(処遇)を行うことから、段々と少人数支援に変化して行きその集団に応じた、幾多のスペースの中で支援する方法に変化をして行くということが含まれており、社会福祉の進歩の形としては、今後はこの傾向を辿るようによるといわれている。

個人ごとの支援(処遇)目標に沿った支援(処遇)内容が求められるという流れに変わっている。

形の上では、社会福祉先進諸国といわれる国が辿った道を追随しているといえる。当園の目指してきた方向も同じ様な姿であるが、現在の段階では支援費制度から障害者自立支援法で説明されて来た流れにおいて、理想とする形から見るとするならば100%を素直に聞き入れられる内容のものではない。極端な言い方かもしれないが、安全性を考えるならば、今までの方が彼らの生きる手立てとしては安心が確保できるものであった。

平成19年度も、入所施設の中で、「ホーム」という家庭に近づける状態への生活環境を確立していくことに重点を置き、作業(仕事)の場である指導・訓練の場所との区分を、はっきり理解できるよう方向づけを示し、本人達の生きがいになるような学園生活の内容を整え、個人目標を設定し目標に沿った具体的方法で個人ごとの支援を進めていきたい。

〔結 果〕

平成19年度も、3つのホーム構成ですすめられた。男子だけのホーム、女子だけのホーム、男女混合型のホームという特徴に加え、各ホームを更にクラス単位に区分し、1クラス毎の担当者を貼り付け、きめ細かな支援が出来るように組み立てている。担任が宿明けや振り替え休日でいない場合は、担当者を2クラスから3クラスの複数クラスとし、お互いの担当者が協力し合ってクラスを支援していくという方法で、入所者への世話が充分に届くように形作った方法で27年間継続できた事は、入所者の精神的な安定という面ではかなり大きな力を発揮してきたと思われる。昼間の作業と夕方からのホームでの生活は、施設内という限られたスペースではあるものの、一般社会の人たちの生活パターンに近いものとして大きな意味をもたらしたといえる。ホームでの集団生活における人間関係をスムーズに運ばせるための支援職員の仕事は大変でしたが、各ホームの中でホーム会議、ケース会議を開催しながらお互いの協力の元にアットホーム的な温かい落ち着いた環境に設定できるように努めました。

 

 

 作業・軽作業及び

             機能回復指導について

 

〔当初の計画〕

訓練形態に関する詳しい説明

作業・訓練の形態を〔T〕作業指導部〔U〕機能回復作業指導部というように2分化し、下記の様に進めることは上述の通りである。

更に〔T〕作業を3班(@農園芸班Aアロエ班B陶芸班)とし、〔U〕機能回復作業指導部を、1) 軽作業の3班(C染色班 D和紙班 E手工芸班)と、 機能回復指導の2班のFピンチホルダー班、G機能回復指導班に分けるという説明も上述したとおりである。

作業能力別、障害別、危険度等を配慮し班編成を行う。計8班で構成し、訓練・指導に当たる。

以下は指導部の概要を説明する。

 

〔T〕作業指導部4班(@農園芸班 Aアロエ班 B陶芸班)について

当園の中では、作業能力がそれなりにあると思われる園生を、能力に応じた作業訓練班に振り分け、各作業班の中で本人に適した作業場と持ち場に配属する。

園生の作業能力は一人で多分野をこなしていくだけの能力に劣るため、理解力に欠け、応用力に欠ける事が多い。そのため、作業工程を細かく区分し個人個人の持つ能力を絞り込み、作業工程の適所に配置する。この方法により班としての組織的構造化を可能ならしめ、自分達が製品を作っているという自信と実感を持つ事ができ、ひいてはそれが情緒の安定につながり、学園生活の充実につながるように導く。

また、個人的な生きがいにつながるようにするため、個々人の持つ能力を充分に発揮させる事が出来る目標を設定する。

 

〔U〕機能回復作業指導部

1)     軽作業3班(C染色班 D和紙班 E手工芸班

2)     機能回復指導2班 Fピンチホルダー班 G機能回復指導班の詳細説明は以下のようになる。

 

1)軽作業3班(C染色班 D和紙班 E手工芸班

作業班に所属するには、体力的に作業能力的には難しく、不適と解されるメンバーで構成する。精神障害、身体障害、行動障害といった面を配慮してグループ設定を行い教育、指導にあたる。

重度知的障害を持つ園生の作業能力は、一人で多くの分野に関する理解度が著しく落ち、また、応用力に欠けるのが特徴である。

このため作業工程を細かく区分し、個人個人の持つ能力を選別し、適材適所に配置し、作業工程を設定し、本人達の自信養成につながるような作業の流れを作るように工夫する。

 

2)機能回復指導2班について

Fピンチホルダー班、G機能回復指導班については、当園の中では知的障害としては最も重い最重度者のグループで構成される。

情緒面の安定を図ることが大きな柱となり、生活面の自立に対する教育、指導を行う。基礎体力の維持及び養成に努める。健康管理についても充分なケアを図る方針で進める。

〔結 果〕

上述の作業支援体制で目標に沿った内容を遂行することが出来た。

 

 

作業指導部3班の説明

 

以下、作業指導部に所属する各班の内容説明を行う。

 

@農園芸班(職員3名〈男2 女1〉、パートの女子職員2)(園生9名〈男9名〉)

〔当初の計画〕

平成18年の10月に農耕班の担当者が退職したために、農耕班にいた園生4人を農園芸班に加えることにし、園芸班を農園芸班とする。平成11年度より、ビニールハウス内での切り花栽培に特に力を入れるようになった。平成13年度からは、経営内容を拡大化し、収益の上がる花ものの栽培を行った。しかし、一年目であったため収益は増えたものの、生産費用とのバランスにおいて、仕事はしたものの、結果としては収益にはつながらなかった。平成14年度は、切花栽培物を追加した。平成15年度は、今までの努力がようやく見え始めた年となったので、平成17年度も平成16年度同様に花苗作りを中心に、鉢花栽培を行うが、平成16年度の経過から見て切花に力を入れていたのを平成17年度は苗ものを中心に進めていく予定である。花苗については、地域生産者として同業者から一応認められる存在になっている。

鉢植えに関しては、園生が作業に慣れたせいと、パートの職員が平成15年度から入るようになったために、数量を増やして行けるようになった。

切花栽培に関しては、平成12年度に大型の鉄骨ビニールハウスを建て準備に当たり、平成13年度はトルコ桔梗を中心に栽培を行った。平成14年度はシクラメンの栽培も加わった。平成15年度から一般花卉生産者に近い栽培方法を取り入れ、少しでも園生の能力を前年にも増して発揮できるように計画したことを平成17年度にも継続していきたい。

 その他、学園の周囲にある花壇に花を植え付け用の苗栽培を行い環境整備に当たったり、他班にも花苗を提供し、環境整備の一端を担って貰えるように進めたい。

園内の花壇管理を班で行うことにより、作業意識を持たせ、共同作業を可能に導くといったことに結び付けたい。

この班の所属園生は、癲癇発作のある人・行動の鈍い人・分裂症を持った人と多様であり、作業に余り関心を示さない人達であったのが、平成16年度にはそれなりの分担をこなしてきた。作業対象は理解しやすい鉢やポットといった、小さくて狭い鉢物等に限定してやってきたが、今後とも判断しやすい作業内容を提供するという方法で取り組んで行きたい。

少しずつではあるが、作業に対する意識が芽生え、単純作業に関しては板について来た。平成18年度は園芸班としての作業工程が形作られてきたので、1人でも不在となれば作業効率に支障を生じるといったところまでなっている。平成19年度は更なる進歩を期待している。

18年度は花作りだけではなく、野菜苗や胡瓜等の野菜栽培も手がけ、それなりの成果が出て、消費者からも時期品物に期待を掛けてもらえるようになって来た。花、野菜栽培に対して充分に興味をもたせ、社会参加できているといった満足感が持てるようにつなげて行きたい。

〔結 果〕

農園芸班は平成18年度の反省から、花に対する需要が少し落ち目になったので、平成19年度は、花苗よりも野菜苗や野菜を中心に栽培、販売してみた。結果は野菜栽培は収益率が花よりも良く、夏場に花を出荷することは難しいことであったが、野菜に変えたことで収益が上がったことは大きな成果であった。

平成18年度に、土入れ器具の導入で、ポットへの土入れから、土の入ったポットを花苗植え付け場まで移動するなどの新しい作業工程にもなれ興味を持って取り組めるようになり、ポットへの土入れ作業が農園芸班の苗つくりのベースとなりました。平成19年度に比べポットへの用土入れの数を上げるようになりました。平成19年度も栽培量に対し収益が思うほど上がらなかったのは課題点です。

 

Aアロエ班 (職員2名〈男1、女1〉)  (園生6名〈男3名、女3名〉)

〔当初の計画〕

アロエ栽培(ハウス管理も含む)と、アロエ葉を収穫する事から、加工段階までがアロエ班の作業である。この班は、食品を加工する班であるため、衛生面に気をつけなければならない班であり、所属する園生の選別もその様な対象者を選ばなければならない。重度の知的障害をもっていても衛生的な面できちんと指示に従える対象者が所属している。

完成した製品は雑菌検査等を行い、食品であるために衛生面には細心の注意をはらい品質の向上に努めたい。

できあがった製品の販路確保に心掛けていく。

販売という方法を取らずに、あくまで頒布といった方法で進める。栽培量の問題があり、生産量が上がらないため、今後は量の増産も視野に入れ進めて行きたいと考えている。

現在の製品は、@100%アロエ粉末、Aアロエ乾燥葉、Bアロエウーロン茶の3種である。なかなか難しい課題ではあるが、キダチアロエを原料とした新しい製品作りの挑戦という課題にも挑戦する予定である。

平成19年度の目標の詳細は、アロエ班の年間計画書の中で説明をしている。

アロエ班の部屋の前にあるビニールハウス内で、平成4年より集め始めた世界のアロエ種の珍しい品種の鑑賞栽培をしている。アロエ班作業を大きく区分し説明すれば、@栽培、A収穫、B加工、C販売という事になる。

説明追加事項として年に2回程度、農園芸班よりアロエ班のビニールハウス内のアロエ古株の堀上げ作業の協力をしてもらう。

〔結 果〕

平成19年度も各販売所に出しているアロエ製品の販売数が伸び悩みで、アロエ製品の増産が望めませんでした。また、平成18年度はアロエ栽培に不備があり、畑作りが遅れ、苗作りも遅れてしまったことの反省から、アロエ栽培に精通している担当者に変更をすることになりました。1年の栽培の遅れが、平成19年度以降にも悪影響を及ぼす結果になっています。平成19年度はこの23年の遅れを取り戻すために懸命の努力がなされ、栽培体制準備はそれなりに回復できたといえます。平成20年度は販売先の拡充にも努めたいとの担当者からの意見も出ています。班所属の入所者の仕事面や生産技術面は安定した状態にあるといえます。意欲を持って取り組んでいます。平成19年度は今までの遅れを取り戻すための1年であったと言えます。

B陶芸班 (職員2名〈男1、女1〉)  (園生7名〈男4名、女3名〉)

〔当初の計画〕

この班の成立については、本来的には共同作業を行う事には向いていない人達で、自分の力で何かに挑戦していくといった対象の園生を中心に出発した班です。 現在では、土器(かわらけ)作りや土鈴つくり等で流れ作業的な共同作業が入っている。その中でも分担内容をきちんと決め、自分の仕事としてやるべき内容の分担をはっきり決めており、自分のしている作業が何であるのかが把握できるようにしている。

作業としては製品作りに必要な各種の機具(機械ろくろ、電動ろくろ等)、道具(タタラーの使用、流し込み作業、その他の道具)を使用して、多種にわたる陶芸の作品製作を実施する。平成16年度の半ばから、磁器作品を加えるという事で専用の窯を設置した。まだ、本式に稼動し始めていないが平成19年度には、流し込みの作品が完成できるように勤めたい。平成19年度も大量注文の土器(かわらけ)作りも実施予定。また、次年度の平成19年度の干支は、「子」であるため子の小さな置物を作る予定である。

平成19年度も個人毎に目標ノルマを与え、メンバーの成長度を追って行く。

〔結 果〕

対象園生の技術面は少しずつ向上している。平成19年度は直方商工会議所から注文の来ている多賀神社でえびす祭りに使う最後の土器(かわらけ)依頼の年となった。参拝者が減ったことと、飲酒運転防止ということもあり、お神酒は甘酒に代わり、かわらけに対する意味も低下したことが発注につながらなくなったといえます。18年度同様にミニ盆栽用の植木鉢をつくり、山野草の単品や寄せ植えつくりをして販売してみました。勿論、山野草等は愛好家にとっては大変価値の高い品物であるものの、一般向きとしてはなかなか難しいものであったということは前年同様の結果でした。

干支の置物つくりは、平成18年度の反省から作品の原型を早めに作った物の、班の職員体制である二人体制が崩れ、一人で班を維持していくこととなり、製品としては正月直前から正月過ぎにしか出荷できなかったので、販売結果につながりませんでした。平成20年度は土器(かわらけ)の注文がなくなった分を、今まで取り組めなかった新しい作品作りに挑戦して行く計画です。イオンでの販売が主となっていますので、一般の方々の目に留まる作品作りや、入所者の作る独特の作品に価値を与えるような場所を設定するなどの計画も織り込めれば良いと思っています。

 

 

3)機能回復作業指導部

機能回復作業指導部軽作業機能回復指導の二つに区分する。以下、各班の内容説明を行う。

 

軽作業(染色班、和紙班、手工芸班)

C染色班(職員2名〈男0、女2〉)(園生9名 〈男0、女9名〉)

〔当初の計画〕

化学染料を中心に自然の草や木を染色原料とした草木染めで布を染める。

手芸的要素を必要とするため、女子指導員2名で作業訓練に当たる。

この班の生い立ちは、女性の中で手工芸に対し興味を持っている人達を中心に始められた班であった。

現在までの経過の中では、絞り染めにずば抜けた能力を持った男性が数年所属していた経過もある。

現在、所属している園生は、癲癇発作のある人、動作緩慢な人、自閉的な傾向を持つ人、ダウン症の方が班の構成メンバーとなっている。ゆっくりとした作業状態ではあるが、自分の作業をこつこつと進めて状態で班活動が行われている。製品数は少ないが、でき上がった刺し子、絞り染めの布は、職員とか保護者の協力で製品化され販売している班である。平成19年度は、ろうけつ染めにも挑戦させたい。

〔結 果〕

作品の質や、生産量を考えれば多人数をかけて、一年間何をしているといった結果としかなりませんが、もともとこれらの班の存在意義が、知的障害の他にもいろいろな障害を重複し、情緒の安定が保てない人たち対象であることに対する対応をなすための作業指導であるため、数は少なくても完成品につなげることに意味を持たせた班であるわけです。しかし、少ない数とは言え、それにはプラスに向かうための変化がなければ意味を成さないことは当たり前の話です。

情緒的安定という点においては成果があるといえますが、生産的な結果からすればさほどの変化は見られなかったと言えます。

昨年同様、一人ひとりに対し、作品つくりのテーマが与えられ、その人なりのペースで目標に向かって熱心に作業を進めていくという内容としては大変意味深いものがあることは事実です。

作品完成時に、自分が作った作品を職員や来園される保護者等に確認してもらったり、褒めて貰ったりということで、やりがいや達成感を感じ、更なる意欲につながっていることが、せめてもの1年間の成果であったと思われます。

 

D和紙班(職員2名〈男1、女1〉)(園生11名〈男9名、女2名〉)

〔当初の計画〕

この班は、入所当初にはパニックを起こし、他害や自傷の激しい自閉症とか自閉的傾向と言われる人達、叉は精神障害を持っている人達、行動障害を持つ人達で構成されて作られた班でしたが、色々な作業内容に挑戦しながら現在までつながっている班です。時にパニックにより道具を壊されたい、材料の和紙原料をひっくり返されたりして思うように作業が進まない事もありますが、情緒安定のために牛乳パックを利用しての再製和紙づくりと空き缶潰しの作業を行っています。

手作りの和紙製作では、和紙ハガキ・和紙カード・和紙のランチョンマット、和紙張りの籠類等の製作作りに取り組んでいます。月単位に製品の質と生産量を把握しながら、班活動の動向を確認しながら進めています。

また、空き缶のリサイクルも兼ねアルミ缶潰し、ペットボトル潰しを作業に取り入れる。平成4年度迄は全く作業に関心の無かったメンバーが、この缶潰しの作業に関心を持ち、2人1組の作業形態で仕事を進めるようになっていますので、この対象者についても今後の変化を追っています。現在に至っては、班活動に積極的に取り組むようになった人もでて、問題行動の減少につながっているというのが班の成果としては評価される部分です。平成19年度も成長につながった作業内容を更に進歩させたいと考えています。本人達が携わっている作業内容のチェックをすることで、個々人の作業が作品になっていく過程での進歩が生産数にどのように比例した形で表れてくるかを把握する事が、この班の存在意義を深めるものと思っています。

〔結 果〕

牛乳パックの再生和紙作りは、今まで通りの流れを継続できました。しかし、生産数としては結果的にそれほどの変化はありませんでした。班所属者の情緒的な安定感ということでは、突発的なパニック等の問題行動が生じるものの、1年間それなりにやってきたと言えます。技術面についても、平成19年度は段ボール箱を解体するという新たな作業を取り入れて来ました。始めは紙切り道具で指を怪我することもありましたが、手袋をさせたり、カッターの使い方を覚えたりしたことで、はそれなりに進歩したとみることができます。勿論、金銭的なことから考えると逆に其れほどまでしなくても良いのではといった程度ですが、全員で何か作業をしているという満足感には繋がっています。

どの作業も、それぞれ個人個人の持ち場で、自分なりの仕事をして次の人につなげていくという作業工程で成り立っていますので、毎日、作業をしている、頑張れたという気持を持つことができています。

作業場でのパニックも平成18年度に比較すれば、パニックの質的程度は軽くなっていると言えます。

空き缶つぶし、ペットボトル潰しに関しても、業者に幾分かのお金に換えて引き取ってもらっています。協力していただく方々への報告もその都度行っています。

昨年度も書きましたが、今まで何にもしなかった人たちが少しでも作業結果を出せるようになってきた事が大きな成果といえます。

 

 

 

E手工芸班(職員2名〈男1、女1〉)(園生11名〈男4名、女7名〉)

〔当初の計画〕

平成7年度より新たに設けられた班です。作業指導班に所属するにはかなり無理になる対象者であり、反対に最重度に近い人達に比べると作業能力は持っているといった、当園の中では班の内容構成をする上で大変難しい対象者の集まった班です。

対象者は、癲癇発作を持った人、常同行為のひどい人、拘りのひどい人、興奮のある人などが所属しています。

現在は、木工製品でインテリア作品、木製の鉢カバー等の小型の作品作りに挑戦しています。

平成13年度に、ピンチホルダー班との合同形態で出発した班ですがが、途中よりタイルを使った鍋敷きとか、伝言パネル板等の小品物を作っている独立した班として進んでいます。

平成19年度もインテリアの小物つくりや、なべ敷き等の木工作業、ビーズ通しによる作品作りに何かを付け加えられる班になるように挑戦する予定です。

〔結 果〕

平成19年度も、木製品で鉢カバーつくり、インテリア作品、小物の作品作りをしたり、ビーズを利用して携帯電話用のストラップ作りをしました。健康管理を中心においた班と言えますので、行動面でかなりゆっくりとした人たちが対象であり、癲癇発作を持った人、常同行為のひどい人、拘りのひどい人、興奮のある人達を対象に1年間何とかやってきました。男子職員が1名中途退職したために、他班からの応援で何とかカバーできました。体が全く動かせない身体障害者同様の対象者への対応が一番難しかった年と言えます。なかなか作品作りにはつながりませんが、それでも敢えて作品つくりに挑戦させながら、個人個人に対し、その人なりの結果を出させるという努力をしてきました。鉢カバーつくりも何年目かになりますが、イオンのお店で数は少ないですが製品として買って頂けることに感謝しています。

 

 

機能回復指導

ピンチホルダー班と機能回復指導班

 

Fピンチホルダー班(職員2名〈男0、女2〉)(園生11名〈男4名、女7名〉)

〔当初の計画〕

重度の知的障害を持っていると同時に、身体的障害を重複している人達を対象に構成された班である。

平成13年度は木製のインテリア製品製作に挑戦したが、結果としては新しい作業への取り組みで物珍しく新たな雰囲気で作業に参加できたという点では良かったと思われるものの、メンバーが自発的に作業の流れに乗って行くということはできなかった。そこで平成14年度からは、洗濯バサミの組み立て作業に力を入れつつも、班メンバーの加齢化に配慮し、健康管理に重点にした日課に変わる。作品作りはゆっくりとしてペースで作った。平成15年度も平成16年度も、平成14年度の訓練内容と同じ方法で進めた。量の増産に力を注ぐと言うよりも、一人一人の作業分担の変化を追うと言う点に力を注いだ。工程毎に個人に合った補助具を考案し作成して行きながら、流れ作業に組み入れたものとして、上手く流れができるように工夫してきた。この方法は平成17年度も同じように採用して行く予定である。

補助具の考案により、一人一人の園生が自信を持って、更に自分の仕事を自覚し、意欲を持って参加できるような方法で取り組みたい。

〔結 果〕

平成19年度も、ピンチホルダーつくりと健康管理を目標に一年間を通しての班活動でした。

製品の生産量に関しましては余り変化はなく、入所者の個人ごとのペースで進められました。

体力つくりに関しましては、歩行を主体においた、体を動かす動作を主に繰り返し実施しました。

平成18年度より、チューリップハウス(ミニ体育館)の使用が可能になりましたので、雨天に関係なく実施できました。

大きな変化もなく平成19年度が過ぎたと言えます。

男子のダウン症を持った入所者で、17年くらいからそれまでに見られなかった急な興奮や、他人の歯ブラシを自室に集める等の行為が始まり、痴呆の始まりかもと思えるような状態が続いていますので、職員全員で見守ってきましたが、19年度は18年度より自室への歯ブラシの持ち込みが幾分か激しくなっているものの、急激な退行現象はみられていません。

 

 

G機能回復指導班(職員4名・男2、女2名)(園生10名・男6名、女4名)

〔当初の計画〕

当園で知的障害の程度としては、最重度のグループで構成されている。平均IQが10前後の対象者で、その上に重複障害を持っている対象者である。平成15年度に行われた厚生労働省の障害区分調査の内容からすれば、50点満点の50点の人とか、そのほうに近い最重度の人たちの班である。

そのような意味合いでは、この班は全国でも珍しい班活動をしているといえる。

作業・訓練というより健康管理、健康維持が班の基準になり、ADL訓練(身辺自立訓練)等

行っている。 年齢的なことからすれば、訓練というよりもゆっくりとした時間の中で介護的な支援になって来た対象者もいる。

日課に園内外の歩行訓練を組み込み、体力の低下防止、維持向上に努めるといった方法の継続が最もベターであると判断される。

学園の日課に無理なく沿えるように、生活訓練を柱立てとし、日課と週課のスケジュールを無理のない内容に設定し、毎日の活動ができるように職員も園生9名に対して4名を配置している。

全面介助の対象者ではあるが、毎日安全に安心して過ごせる環境設定ができる様に心がけて進めたい。音楽を使ってリラックスする時間を作ったり、草花に水をやらせたり、切り絵をさせたり、本の読み聞かせをしたりして情緒の安定をはかる等の試みをしながら進めたい。

以上の班別訓練の体制は「平成19年度 班別訓練」の資料に具体的に表している。

〔結 果〕

健康管理については、現状の健康維持、体力の低下防止及び現状維持と、ADL訓練(身辺自立訓練)、生活面での介護・支援を実施しました。年齢的に考えても、何かが急に良くなるという希望を持てる班ではありませんが、1年の結果におきまして個人個人が特別に悪い状態に至らなかったことが、最大の結果であったといえます。この班に属している全対象者が、生活全体において全面的な支援を必要としていますが、それなりに一年間無事に経過できましたことを報告いたします。

 

4)生活面

〔当初の計画〕

平成7年度に、「男子棟・女子棟・重度棟」の呼称を「ホーム」と変更した。特に1234……号室といった数字は、まさに施設的であり、柔らかさがないために、「花」とか「果物」とか、可愛いい動物の名前とか、ソフトな感じの名前に変更した。各ホーム毎に1名単位のホーム長を置き、ホーム長を中心に各ホームの職員が独自に、生活面に潤いを保たせるように運営をして行いきい。

平成17年度も安心して暮らせる生活の場つくり、個人ごとに楽しく明るく暮らせる時間(人生)を提供できるように学園の生活面を充実させたい。ホーム体制の詳細は平成19年度ホーム編成の書類を参照していただきたいと思います。

今まで同様に、職員の宿直明けを考慮したミニホームの構成としている。具体的には、各ホームを2、3人単位の複数担当者で見ていくように進めたい。

日常生活面における個人別の年間目標をたて、木目細かな身辺・生活面でのお世話をホーム毎にしていくという方法をとりたい。(20名から30名弱程度の3つのユニット型ホーム)

各ミニホーム担当者が各々の部屋の運営・管理に当たる。ホーム全体の環境整備を各ホーム長が責任をもって守っていく。

各ミニホームの担当者は自己に任せられたミニホームの保持・管理をするだけでなく、ミニホームが所属しているホーム全体の園生の世話を他のミニホームの担当者と共に協力し、ホーム長を中心に各ホーム毎の特長を生かし運営にあたる。(例:プロ野球ホーム→男子のホーム、ディズニーホーム→女子のホーム、フラワーホーム→男女混合ホームとなっている。)

園生にとって、楽しく安心して生活できる場所作りに努める。

以上のホーム編成の具体的資料は「平成19年度 ホーム編成」に明記しています。

〔結 果〕

生活面につきましては、当初計画した体制で大きな問題もなく無事に各ホームともホーム長を中心の運営方法で、無事一年を経過することができました。各ホームの入所者の人間関係に重点を置き、怪我、病気等に対する支援ができたことは、大きな成果であったといえます。

 

○学園預かりの金銭管理についての報告

1、障害者基礎年金預かり者について年金の管理

現在16名の入所者の障害者基礎年金預かり依頼を受け、学園で管理している。障害者基礎年金の預かり時に支出に関する指示書を預かっているので、内容通りに本人に必要な費用を支出し、結果を保護者等に確認していただくという方法で、平成19年度も障害者基礎年金の管理を実施した。

 

2、ホームでの小遣い管理

各入所者とも自分では小遣いに対する管理ができないために、ホームの担当職員が小遣いの管理をおこなっている。各担当者が管理している内容に関しては、毎月保護者に確認してもらっている。また、各担任の管理状況に関しては各ホームのホーム長が更に確認を行い、金銭管理に間違いを生じないように二重三重の管理体制をとって管理をおこなった。

 

5)社会交流

〔当初の計画〕

平成14年度からは社会参加訓練(買い物)の名称は使わず、「社会交流」という呼び方に変えた。平成19年度も18年同様に実施予定。

(「社会交流」という名称変更をした理由)

平成13年度までの外出範囲は直方市内か直方近郊であったが、既に地域になれたということもあり、範囲を超えた地域での活動ができるようになっている。具体的方法としては、クラス単位で一斉に実施する社会交流のあり方の他に、ホームごとに能力別に行動できるグループを設定し、グループによる活動範囲を広げるというものである。逆な場合も考えられ、今までよりも近い場所の方が良い人や、交通手段を考えなおさなければならない人達も出ると思われる。遠方まで足を伸ばせる人の対象により、外出場所と方法を考えて実施していく事に目標をおいての名称変更であった。

平成14年度より参加者の安全を図るために、職員と園生を二日間に分けて実施してきた。

作業・訓練の時間内に、その班の職員が2人以上勤務する場合で、班の動きに支障がない場合には、班単位で園生の必要とする物品購入や外食といった体験が可能であれば実施させていきたい。必要に応じて1ケ月に1回くらいの割合で買い物に出かけるといった方法が取れればと考えているが、体制的な問題と、職員数の問題を考えてからの実施となる。

〔結 果〕

平成19年度は5回の社会交流を実施しました。イオンモール直方店を外出の場として、クラス単位で実施しました。引率に対し危険防止の考えから2日間に分け、障害の重いクラスにはもう一名職員を加えるといった方法で引率しました。 買い物をしたり食事をしたりという行為に対しましては、全面的な支援がなければ実施できません。しかし、外出に対する喜びは大きく外出する機会を設けて、積極的に地域社会に出るという体験結果は、個人個人の生活に喜びを与えることができましたと思います。

 

6)年間行事

〔当初の計画〕

重度・最重度の知的障害をもった人が多いため、園生の意見・行動がほとんど出ない。

そのため、行事計画を設定するに当たり、職員の立場からの発想にのみ終わらないように計画段階から、念入りにかつ詳細にわたる点検が必要となる。

「実際に園生が喜ぶ結果が出るのか」といった立場で行事が運ばれて行くことが重要になる。危険性がないように充分な計画の元に実施していくように努めたい。入所者からの発言が出ない分、行事実施後の反省点が大切な部分となるため、反省会をすぐにもち参加者の反応等を記録し、次回の計画に役立てるようにしていく。詳細に関しては、年間行事計画に沿って実施する。

差し込み行事として、当園を中心にした近辺にある市町村で経営されているような少し有名な場所等があり、日帰りハイキング的な行事を何回か取り込みができればと考えている。

園生が満足できる行事内容にして行きたいと考える。

 

平成19年度の行事に関しては、「平成9年度 年間行事計画表」に明記している。

〔結 果〕

多少の変更はありましたものの、大体において年間行事計画表の流れに沿って実施できました。

 

 

7)その他

〇入浴

〔当初の計画〕

午後より実施する。機能回復指導班・ピンチホルダー班をAグループ、他の機能回復作業指導部の班をBグループとし、時間差を設けてグループ順に入浴を行う。各班の担当者が介助・指導に当たる。作業班(陶芸・アロエ・農耕・染色)をCグループとして機能回復作業指導部ABの入浴後に入浴させる。入浴方法としては、平成16年度までは毎日の入浴であったが、平成17年度は下記のような方法で実施したい。

  10月〜3月までは、月、水、金の1日おきの入浴。

4月〜9月までは毎日の入浴。

  これ以外でも汚れのひどい対象者についてはシャワー浴等の方法で清潔を保つように対応する。

「平成19年度日課表」に明記している。

〔結 果〕

当初の計画通りに実施できました。土曜日、日曜日についても汚れのひどい人については、シャワーの使用は可能ということで進めました。

ただ、問題点としては、普通の場合は上着を毎回着替えるということはない訳ですが、入浴ごとに上着まで毎回洗濯に出すために、洗濯担当職員の仕事量が増えて負担になる点に対しては十分に注意していかなければならないといった事が生じています。

 

〇体育指導

〔当初の計画〕

機能回復指導班とピンチホルダー班については、日課の訓練に体育が含まれていることと、農耕、園芸班はかなりの運動量がある為に、クラブ活動の内容でカバーしていくように考えている。軽作業班の染色、和紙、手工芸班と作業班のアロエ、陶芸班については、週課の中に組み込んで実施する計画である。

(平成6年度より始まった体育専門の嘱託職員による体育(内容としては、毎週火曜日の午前中に機能回復指導班を、木曜日の午前中に軽作業班を対象に、午後は作業指導部の体育を行ってきた)を、平成14年度まで実施してきた。

しかし、平成15年度からは、体育専門の嘱託職員による体育を中止し、各班の作業・訓練の時間帯に体育を盛り込んだ方法で進めるようになった。)

週課表については、「平成19年度 鷹取学園 週課表」に説明している。

〔結 果〕

各班とも、班の週課において、班作業・訓練の中で体育的な運動を取り入れ実施しました。園芸班のように体を使う班に関しては、体育的なものは取り入れなくても充分にカロリー発散できるので体育は実施しなかった。

 

〇調理実習(平成15年度より調理実習は休止)

平成14年度まで実施したが、施設整備を伴わない通所部の認可が下りるような話であり、通所部の利用者がこの部屋を利用するために、平成15年度より調理実習は休止とする。平成17年度以降も同様に実施しない。19年度も実施しない。

〇おやつ

〔当初の計画〕

平成17年度も平成16年度同様に、学園生活をより楽しく潤いのあるものにするために、余暇の充実を検討する中で、お菓子や自動販売機の使用を行う。おやつは下記の内容のように1日おきに実施してきたが今年度も継続して行う。具体的には、下の表を参考。

おやつの購入については、園生を引率できる場合はピックアップ方式で選び、おやつの調査や配布準備など職員と一緒に行う。将来的には、園内におやつの自動販売機を設置して自分で選択できるような体制も検討の余地がある。

〈おやつに関する説明〉

@平成17年度に関しては、ジュースとおやつ支給曜日を下記のように設定する。

Aビールについては、好きな園生が飲みたいと要望がある場合に準備し出すようにする。

B月、水、金、日曜日におやつを出す。

C月、水、金におやつを出すときに、併せて給茶機のコーヒーを出すようにする。

D缶ジュースは、火、木曜日を学園からの支給日とし、土、日は本人小遣いで購入する。

 

おやつとジュースの支給曜日を纏めた表

 

 月 

 

 

 

 

 

 

 

牛乳

 

 

缶ジュース(自動販売機)

 

朝食時

 

 

  

朝食時

 

 ○

学園支給

 

朝食時

 

 

 

  

朝食時

パン食

 ○

学園支給

 

朝食時

 

 

 

朝食時

 

 

本人小遣い銭

 

 

朝食時

パン食

○本人小遣い銭

 

 

 

 

おやつ

 

 

給茶機のコーヒー

 

  

団らん

 

 

団らん

 

 

 

団らん

 

 

団らん

 

 

 

団らん

 

 

団らん

 

 

 

 

 

 

昼間

14:30

 

 

 

 

 

 

 

ビール

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食後本人小遣い銭

 

 

 

 

 

 

 

 

〔結 果〕

計画通りに進めることができました。しかし、お八つについては、支援部の方で管理しているために、栄養管理の立場からみるとカロリー計算上、かなりの問題を抱えているという結果が出た。

アルコール類に関しては誕生会や社会交流の時に飲むということにとどまり、学園内での飲酒は、個人の健康上の問題点から実施しませんでした。

 

 

〇クラブ活動

平成15年度は一時クラブ活動を中止したが、平成16年度は復活し、水曜日の午後に一週間隔で実施するようにする。17年度は実施する。

クラブの内容としては、本人達が心より喜んで参加できるクラブにして行く。

(過去の説明 〜平成12年度までは、月に2回の割合で水曜日の午前中に実施していたが、時間が短いためにゆっくりとしたクラブ内容をすることができないため、平成13年度より、午後より2時間かけて余裕を持って実施してきた。平成15年度は、一次クラブ活動を中止したが、16年度に再度復活した。)クラブの内容に関しては、平成17年度には実施したものの18年とはクラブは設けなかった。

 

☆― 掃除について―☆

毎日行う朝の掃除も、各ホームの責任者が責任をもってホーム毎に行い管理していく。水曜日のルームキーピングの後に掃除は全体的な部分の掃除に当てる。また、日課の中で行き届かない場所をするようにする。例えば、窓ガラス拭きなどを重点に行う。また館内の掃除終了後に園庭の掃除を実施する。館内の持ち場ごとに、各持ち場の外まわりも分担する方法をとる。天気に左右される場合があるので、天気を見ながら進めていく。19年度も18年度同様に進める。

学園全体としての大掃除は、お盆前とお正月前に実施する。

 (過去の説明→平成16年度は、月曜日のルームキーピングの後に掃除時間を設定し担当職員と園生で実施した。 

平成1718年度は水曜日のルームキーピングの後に掃除時間を設定する。各ホーム単位で区域毎の掃除を行うようにした。)

 

〇ホームの掃除について

〔当初の計画〕

@     〔毎日行う掃除〕

毎日行う朝の掃除は、入所者と職員で実施する。各ホームの責任者が責任をもってホーム毎に行い管理していくようにする。

A     〔週1回のホームごとの掃除〕

水曜日のルームキーピングの後に掃除は全体的な部分の掃除をする。日課の中で行き届かない場所を中心に時間内でする。例えば、窓ガラス拭きなどを重点に行う。また、日によっては、館内 

の掃除終了後に園庭の掃除を実施するなど。館内の持ち場範囲で、各人の持ち場の外まわりも分担する方法もある。天気に左右される場合があるので、天気を見ながら進めていくなどの方法で対処する。平成18年度も17年度同様に、水曜日のルームキーピングの後に掃除は全体的な部分の掃除に当てる。館内の持ち場ごとに、各持ち場の外まわりも分担する方法をとる。天気に左右される場合があるので、天気を見ながら進めていく。

〈経過〉平成16年度は、月曜日のルームキーピングの後に掃除時間を設定し担当職員と園生で実施した経過がありますが、平成17年度は水曜日のルームキーピングの後に掃除時間を設定しました。    

各ホーム単位で区域毎の掃除を行うようにします。

B〔学園全体の掃除〕

学園全体としての大掃除は、お盆前とお正月前に実施します。

〔結 果〕

掃除に関しては、計画通りに実施できました。また、毎朝、入所者と職員で行う掃除の習慣が、入所者にも清潔という感覚を維持させることとなっております。入所者の多くの人たちが部屋を汚してはいけないという感覚はできていると思われます。(勿論、そうでない人たちもいますが。)

 

 

〇配膳当番

〔当初の計画〕

園生は訓練として、本人達のできる配膳内容を配膳当番として役割を負わせ、各週ごとに交代制で実施させていく。内容としては下記のような方法で進める。

1)ホーム単位の食事の場合は、配膳当番さんが配膳をする。当番はホーム毎に一週間交代で食事時の配膳を行う。責任を持って職員と一緒に配膳を行う。

2)班毎に実施する食事の場合は、各班の職員と班園生の単位で配膳・食事・片付けを行う。

〔結 果〕

食事の方法としては当初計画の通り、(1)ホーム単位と(2)班毎の2通りの方法で実施しましたが、途中から(2)班毎の食事方法を中止しました。その週の入所者配膳係さんと職員の週番当番(前週の職員の4名)と一緒に配膳を行いました。

ただ、平成20年度は入所者の配膳当番係に関しては、衛生面の観点より再度の見直しをすべきであると感じています。

 

通所部

〔当初の計画〕

平成14年度の末、平成15年の3月に、「設備を伴わない通園型」の定員10人の認可が下りた。平成151617,18年度は、定員10名に対し1名の対象者を受け入れたが、平成18年度前半に障害者自立支援法による通園よりも、入所施設を選びたいとの事で、他施設に入所した。19年度にも現在の時点では申し込みの対象者はあっていない。

 

〔結 果〕

平成19年度は、一人も対象者がいなかったため、今後はこの通所部の存続を考え直すべきと思われます。

 

 

平成19年度 

会議について(鷹取学園)

〔当初の計画〕

〔会議開催方法〕

1。会議予定計画書を提出(緊急の場合は別)

2。会議内容は、司会者、書記により必ず内容報告を行う事

3。会議の種類

 

    1,スタッフ会議

   時 期    随時行う

      場 所    園長室  

     メンバー      園長、副園長、園長補佐(看護婦兼務)、統括補佐、チーフ等

 

    2,生活支援・作業指導会議

 

  @ホーム長・チーフ(班)会議

   時 期    必要に応じて随時

      場 所    会議室等  

     メンバー      統括補佐 各班チーフ、各ホーム長等

  《会議の内容》

   ○ホーム長会議

       議 題       前もって、ホームの問題点について検討事項を提出する

       場 所       会議室等

       メンバー   ホーム長統轄、プロ野球ホーム、ディズニーホーム、フラワーホームのホーム長(副園長、園長補佐(看護婦兼務)、総括補佐、統括ホーム長の4名が加わる)

   

   ○班チーフ会議

   議 題       前もって、班からの問題点について検討事項を提出する

      場 所       会議室等

      メンバー   各班のチーフ9

 

  Aホーム会議《生活支援会議 →プロ野球ホーム、ディズニーホーム、フラワーホームの3ホーム会議》

       (※ ケース会議を含む)

   時 期    原則として、毎月<第24月曜日、午前11時より>

      場 所    各ホームの宿直室  

     メンバー      各ホーム責任者及び指導員(副園長、園長補佐(看護婦兼務)、総括補佐、統括ホーム長の4名が加わる)

   

B班会議

       作業指導部(陶芸、アロエ加工、園芸)・

       軽作業班(和紙、染色、手工芸、)

       機能回復作業指導部(ピンチホルダー、機能訓練)

       9グループが合同で開催したり、単独で開催したりの形態を取る。》

   時 期    原則として、毎月<第24月曜日、午前11時より>

      場 所    会議室等  

     メンバー      各ホーム責任者(ホーム長)及び生活支援員

 

  3,医務会議

   時 期    随時

      場 所    園長室及び医務室等  

    メンバー    園長、副園長、園長補佐(看護婦兼務)、総括補佐、統括ホーム長、指導員、栄養士(必要に応じてメンバー構成) 

 

  4,厨房会議

   時 期    原則として、毎月<第4土曜日、午後1330分より>

      場 所    調理師休憩場所等  

     メンバー      栄養士、園長補佐(看護婦兼務)、ホーム長、生活支援員    

 

  5,事務会議

   時 期    随時

      場 所    園長室及び事務室等  

     メンバー      園長、副園長、園長補佐(看護婦兼務)、総括補佐、栄養士等

 

  6,保護者との会議

 

@ホーム別会議

   時 期    年1回 

      場 所    生活実習棟及び相談室等  

メンバー      保護者、園長、副園長、園長補佐(看護婦兼務)、総括、統括補佐

指導員等        

 

A班別会議

   時 期    年1回 

      場 所    生活実習棟及び相談室等  

    メンバー     保護者、園長、副園長、園長補佐(看護婦兼務)、総括補佐、統括ホーム長、指導員等        

 

 

B保護者役員との懇談会

   時 期    原則として奇数月(議題がなれば開催しない。)

      場 所    生活実習棟及び会議室等  

   メンバー    保護者役員、園長、副園長、園長補佐(看護婦兼務)、主任を加える事も                      ある        

 

C保護者会での伝達

      時 期       各月原則 第3金曜日 「家族ふれあいの日」

      場 所       食堂

      メンバー      保護者

        学園の代表(園長、副園長、園長補佐、その他内容によって担当職員が参加する。)

〔結 果〕

不必要な形だけの会議は意味が無いため、必要に応じて実のある会議を進めるという原則の上で、実質的な対応や内容により、会議の種類を設定し、時間を予定して随時必要に応じて会議を実施いたしました。

平成19年度は厨房職員の入れ替わりが多かったために、中盤は会議の開催が危ぶまれた時期が生じました。

また、障害者自立支援法に対して、鷹取学園が平成2010月を目途に新体制への移行を予定していますので、平成19年度は再三にわたり、保護者との会議を重ねる結果になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成19年度    健 康 管 理 報 告 書

                                        看護師  永冨千夏

 

〈健康管理について〉

平成19年度も前年度と変わりなく行政指導の範囲を計画として健康管理を行い、管理については予防に重点を置き、入所者に対してケースバイケースで対応し進めることが出来たので個々の健康を充分に維持管理出来たと思います。

平成19年度は、1122日にインフルエンザの予防接種を入所者・職員が一斉に行い、生活においても徹底してうがい・手洗い指導を行い、加湿器を使用し対応しました。その結果、世間ではインフルエンザやノロウィルスが流行っていた時期に一人の罹患者も出る事がありませんでした。

今年度は、4例の入院がありました。

1)54歳 女性 内痔核根治術の為入院

2)45歳 男性 癲癇の類で抗痙攣剤の投与の治療の為の入院

3)50歳 男性 急性気管支肺炎の治療の為の入院

4)37歳 女性 突然癲癇発作の一種の自動症が現れ止まらなかったために医療機関を

         受診後3ヶ月間の入院治療となりました。

現在の支援費制度では通院支援と受診時の支援までが施設側の支援対象となり、後は家族に任せる体制になっています。

○平成19年度 入院時の状態説明

1)の事例は家族が付き添い出来ない事情があり病院側からの要請があり術後数日間は付き添い専門の方に付いて頂きました。 3)の場合は、母親の介護で家族の付き添いが出来ない為内科を併設した精神科の病院を魚住医師に紹介して頂き入院しました。2)と4)に関しては日中のみ家族で付き添われての入院となりました。

当園は、重度・最重度の入所者が多く、保護者及び兄弟姉妹も高齢化しています。病院側からの付き添い要請があったとしても現在の学園職員数及び体制では入院時に充分な手が届かないのが実態です。しかし、現実に入院問題が起きればどの様な方法でも対応しなくては入院治療が受けられないという問題が生じてきます。医療機関に対して、知的障害者をいかに理解してもらうかといった色々な働きかけと家族の努力、医師の協力体制によってしか実現しません。

本当に一般常識では考えられない様な経過がありました。

今後、新体制への流れがどうなるかはわかりませんが、どのような体制になろうとも、益々増えてくると思われる知的障害者の医療問題に対し、どの様に対応していけるかが大きな問題として残るところです。

 

〈精神科疾患者の治療〉

平成19年度は精神科の診療は4月から7月の糸井医師の不在の間は小坪医師(糸井医師の紹介)による診察。8月から10月は糸井医師による診察、昭和6281日より、平成1910月末の20年間に亘り鷹取学園の嘱託医を勤められました糸井医師が嘱託医を辞められました。後任は鳥巣美穂医師が嘱託医となられ、11月より月1回(第2木曜日)の診察が行われるようになりました。

現在75名の入所者のうち41名が診察・投薬治療を受けています。現在の診療状況は医師・看護師・支援員・保護者と治療を受ける本人で進めています。

平成19年度は診療医が変わりましたが、時期的に不安定になる人も出たものの、全体としては落ち着いていたと思います。今後とも、家族の協力の基に状態を把握しながら病気と付き合っていく体制で取り組みたいと思います。

 

〈歯科治療〉

入所者の歯科治療については、重度・最重度の知的障害者を持つ人達でも問題なく受ける事が出来ています。しかし、中には情緒不安定の人がいて時々騒がしい場合もあります。当園の入所者は、定期的な検診・治療のおかげで歯科に関しては問題もなく順調だと思われます。歯磨きに関しては昨年同様、本人が磨いた後に職員が磨き直しを行っています。人が生きていく上で歯はとても大切ですから今後もブラッシング指導の大切さを基本におきながら口腔衛生に力を入れていきたいと思います。

現在歯科治療で、入所者の高齢化による義歯の装着で咬み合せがうまくいかない、また装着した義歯をすぐに外し捨ててしまうといった事が問題となっています。

 

〈健康維持・管理体制〉

健康を維持していく上で食生活が大部分を占めていると思います。そのため栄養士との協力体制で病人食や治療食について話し合い状態に応じた食事を提供して頂ける様に努めました。

管理については、昨年同様パソコンを使用し、色々なデータ―を活用しながら健康管理を進めました。

 

〈健康維持・管理内容〉

1)毎日実施

投薬を必要とする園生

精神科:統合失調症、癲癇発作のある人。

内科・眼科。その他、必要に応じた場合の対処。

 

2)毎週実施

@     全園生に対する検温(原則として毎週月曜日に実施)

A     血圧測定(病気により32名実施)

 

3)毎月実施

@     体重測定

A     精神科医による診察

 

4)年に1回実施

@     心電図検査(35歳以上)

A     身長測定

B     委託検査

  歯科…全園生対象(4月実施)

  インフルエンザ予防接種

  精神科内服者の血中濃度検査(年2回)

C     眼科検診

D     子宮癌検診(35歳以上の女子で診察可能な人のみ)

 

5)法定検査

@     健康診断…前期・後期の全2回(前期は班別通院、後期は往診)

(成人病検査・血液検査・尿検査・血圧測定実施)

他、健康診断の結果、医師の指示のある人のみエコー検査・その他の検査を実施

A 胸部レントゲン検査…年1回前期65歳以上(県の指導より)

 

6)4回実施  皮膚病検査

以上、計画の内容通りに実施できた。全ての結果は記録として残している。

 

〈老齢化対策〉

重度・最重度の知的障害者の人達の健康状態を見ていると一般の人より遥かに加齢化は早いと感じます。学園全体の大きな問題点としては、重度・最重度の知的障害者を持つ人達には受け入れてもらえる専門病院がなかなか見つからず入院でき辛いという現実です。医療機関からの入院条件は本人が訴えることが分かり辛いために、学園職員もしくは家族の付き添いが必要であること、医師が患者さんに治療をするにあたって、インセプトコンセントを行いますがその時の了解が確実に保護者が了解されているかといった医療事故を防ぐための保障があるかないかといった事です。平成19年度も4名の園生を入院させた事で重度の知的障害者を受け入れてもらえる専門病院の必要性を痛切に感じました。入院問題については今後も色々な問題点が生じると考えます。

保護者の方も頭の中では分かっておられるようですが、現実に我が子の問題として起きた場合は、慌てふためいた状態でどうして良いか分からなくなってしまう事が殆どです。

今までも人権尊重ということで個人情報となる個人的治療経過等の状態に関しては、各個人ごとに通知してきましたが、実際には保護者に知らせようとしてもなかなか連絡がとり辛い結果となっています。 この点に関しては保護者との会合の際に、「緊急の場合に間に合わない事が生じるため、確実な連絡先を学園に知らせておいて欲しい」と伝達して、情報の取りまとめを行いました。

入所者が学園で生活する上で、個人ごとに抱えている病気等の問題については、出来るだけ詳しい情報をお伝えし、危険な状態を最大限に避けて頂きたいと思っております。

また、知的障害者の方々の置かれている現在の医療体制について、自分達の子どもさん(入所者)の置かれている実態をもっと知って頂く事で、保護者の皆様方のご協力を得まして今後とも進めて行きたいと考えています。

 

学園の健康管理体制

学園の健康管理体制に沿って実施。

協力医療機関及び準協力医療機関

下記の通りです。

 

 

協力医療機関

内科

魚住内科胃腸科医院

 

 

 

院長

魚住 浩

 

 

所在地

直方市頓野1919-4

 

電話番号

0949-26-6610

 

外科

西田外科医院

 

 

 

院長

西田 博美

 

所在地

直方市頓野2104-19

 

電話番号

0949-28-1573

 

精神科

回生病院

 

 

 

院長

飯田 信夫

 

副院長

糸井 孝吉

 

所在地

福岡県宗像市朝町200-1

電話番号

0940-33-3554

 

りぼん・りぼん

 

 

 

院長

三原 伊穂子

 

精神科医

鳥巣 美穂

 

所在地

北九州市小倉北区宇佐町1-9-30

電話番号

093-513-2565

 

歯科

安河内歯科医院

 

 

 

院長

安河内 半六

 

所在地

直方市日吉町3-12

 

電話番号

0949-24-0577

 

眼科

阿部眼科医院

 

 

 

院長

阿部 健司

 

所在地

直方市溝掘2-3-13

 

電話番号

0949-22-2953

 

 

準協力医療機関

内科

直方中央病院

 

 

 

院長

野田 晏宏

 

所在地

直方市感田3573-1

 

電話番号

0949-26-2311

 

外科

西尾外科医院

 

 

 

院長

西尾 禎一

 

所在地

直方市津田町9-39

 

電話番号

0949-22-2684

 

皮膚科

おおもり皮ふ科クリニック

 

 

 

院長

大森 正樹

 

所在地

直方市感田井牟田1930-1

電話番号

0949-26-6520

 

産婦人科

田中産婦人科クリニック

 

 

 

院長

田中 康司

 

所在地

直方市頓野1000-27

 

電話番号

0949-26-8868

 

耳鼻科

岡村耳鼻咽喉科

 

 

 

院長

岡村 浩一郎

 

所在地

直方市頓野3816-3

 

電話番号

0949-22-2683

 

 

その他、園内における医療対応の変化

◎ 結核検診について

魚住医院で実施しました。(平成17年度から65歳以上のみ)

 

重度知的障害者の今後の医療的問題点

・知的障害者を診察してもらえる専門医が少ない。

・身辺自立の出来ていない、重度の知的障害を持つ人達を、入院させてもらえる病院が殆どない(精神科の病院でもなかなか入院させてもらえる所が少ない)。

・入院に際し、保護者以外に学園職員の付き添いが必要な場合、園内の職員体制が崩れ、園生全体が不安定になる。

・益々高齢化が進み具体的に知的障害者の医療問題をどの様に解決していけば良いのか、またその様な体制が出来るのかといった問題があげられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成19年度給食に関する報告書

 

知的障害者更生施設 鷹取学園

栄養士 秋吉 美奈

1.はじめに

 平成19年度は、調理の分野にとって改革の年となりました。

12月から障害者自立支援法基盤整備事業の助成金が福岡県より認められ、平成201月より本格的な調理室増改築工事がスタートしました。

調理室増改築工事に向けての計画が着々と進みましたが、設備改築の計画には、調理現場の意見を数多く取り入れてもらうことが出来ました。

工事開始に伴い仮設厨房への移動を行いました。 慣れない仮設厨房からの食事提供ということで戸惑うことは多々ありましたが、それを乗り越え現在の新厨房の完成に至ります。

平成203月の最後の週から新厨房での本格的な調理が開始されました。

新厨房は、厨房内はもちろんのこと、食品倉庫、調理師控え室をはじめ調理器具、調理機

材、食器等全てが一新されました。これらの新たな設備器具を充分に活用していくことに、今

後の可能性が期待できます。

 

2.行事食に関して

毎月1回の誕生会は、園生のみなさんが楽しみにしている行事です。その時期その時期の旬の食材を用いたり、普段の給食よりも趣向を凝らしたりして手を加えることで、豪華さを印象づけて誕生者にとっては特別なメニューとなるように心掛けました。

また、季節ごとの年中行事やイベント開催に対し、随時献立を検討し、食事の中に行事の趣旨に沿った楽しみや喜びを表現した料理を取り入れることで、それらの雰囲気を感じる機会とすることが出来ました。

 

3.嗜好、栄養面について

園生のみなさんの好む食事内容となると、やはり洋食メニューや揚げ物、肉料理、パンが主なものになります。入所施設ということで、この学園の中で日常生活を営んでおり、その中でも食事は楽しみの一つとして重要な位置づけと思われます。そのため、可能な限りみなさんの好きなメニューを献立に反映出来れば良いでしょうが、重度知的障害者は加齢化が早いと言われていますし、入所者の平均年齢を見ても既に40歳代前半となっています。

日常生活の活動強度を考慮しても、栄養価を多く付加する必要は考えられませんので、嗜好面のみ重視とは言っていられません。そこで、栄養価の高い食品は控え目に、低カロリーで満腹感を出せるような食品を多く用いた食事を目標に、食事提供の工夫をしました。

最近では、塩分制限やエネルギー制限が必要な園生もいて、減塩食、ダイエット食といった食事の種類への対応も必要となっています。

また、加齢に伴い、咀嚼や嚥下などの問題点や体調面を考慮した個別対応が随時求められてきました。

今後も加齢がすすむことを考えると、栄養量の問題や個別対応は重要な課題と思われますが、集団給食という立場での対応として、どこまで個別対応が追及できるかは問題として残ります。

 

月別行事食一覧表】

四月   27周年創立記念弁当 誕生会 選択食

五月   誕生会 選択食 運動会

六月   誕生会 選択食 

七月   誕生会 選択食  

八月   誕生会 選択食 

九月   誕生会 選択食 秋分の日おはぎ

十月   誕生会 学園祭

十一月  誕生会 

十二月  誕生会 餅つき クリスマス会 年越しそば 

一月   おせち料理 誕生会 七草粥 鏡開き 

二月   誕生会 

三月   誕生会 ひなまつり 春分の日おはぎ