平成25 年度  健康管理計画

                                      指定障害者支援施設 鷹取学園

                       看護師 菅原 涼代

T、〈全体的な健康管理〉

平成25年度も、入所者の皆さんが、学園生活を維持継続できるためには、健康管理方法としては、予防的立場に重点をおき進めたい。常日頃からの運動量(活動量)・栄養面に留意しつつ、日常生活を楽しく続けさせていきたい。障害者自立支援法の改正により、平成18101日より、医療費については個人負担に変った。治療については、1ケ月毎に500円まで自己負担すれば、その他の治療費は、行政が負担するようになったものの、治療に関しては、本人および家族と医療機関の双方で決定され進められる事が原則となっており、学園としては医療機関まで無事に届けるという事になっている。家族が付き添えない対象者について、付添い通院を行うに当たっては、各人ごとに家庭と打ち合わせを行いながら、進める。その後に発生する通院治療は、家族が行う事が、原則となっているが、いろいろな条件が重なり家族が通院を行えない場合などが生じる。その時々の対応に順じて、入所者の為になる様に、治療を進めて行きたい。

医療費については各市町村ごとに個人負担に対する取り扱い方が違い、医療費を補助してくれる行政もある。又 入所者各人の家庭状況もあり、ケースバイケースでの対応となる様に、充分に配慮していきたい。

怪我、病気での入院については、入院した翌日より施設には、定額の収入が入らなくなり、1月間につき8日までは外泊時加算が付くものの、入院後は施設にわずかながらの収入しか入らなくなるために、一時施設との関係が切れる様な仕組みとなっている。学園の在籍期間は最大3ケ月となっており、入院後3ケ月を過ぎると行政機関の方から施設への介護給付費が切られるという仕組みになっている。

当園の入所者に関しては、これから高齢化が進んで行くために、障害程度の重さや知的障害に加えた重複障害などにより、いろいろと難しいケースが発生してくると思われる。園内での集団生活をスムーズに進める為には、支援現場の支援員と協力し合い、日常的健康チエックに重点を置き、個々人の健康管理維持につとめて行きたい。

 

 

U、〈健康維持及び健康管理体制〉

健康維持管理については、日常的対応は看護師を中心に行うも、直接支援に当たる支援員との協力と、医食同源ということわざのごとく健康管理維持の基礎ともいうべき食事を司る調理場とコンタクトを取り、病気に対する予防に留意して行く。また、病気にかかった入所者には嘱託医及び協力医のもとに治療を受け、健康維持に努め入所者の楽しく明るい学園生活を守って行きたい。

〔健康維持管理内容〕 

1。日  実施項目

 

    投薬を必要とする園生

    統合失調症、癲癇発作のある人、その他必要に応じた場合の対処

 

2。週  実施項目

 

    全園生に対する検温。原則として毎週月曜日に実施する。

 

3。月  実施項目

 

    1)体重測定      2)精神科医による診察     

 

4.3ヶ月に1回実施項目

  1)皮膚病検査

 

5。年  実施項目

 

1)  心電図検査  

2)  身長測定  

3)  エコー検査〔健康診断の結果、医師の指示ある人のみ〕

  4 生活習慣病検査 年2回全員〔血液検査〕    

  5 骨密度検査  年240歳以上対象〔血液検査〕

  6 委託検診

    歯科……全園生対象    4月実施

    インフルエンザ予防接種……保護者の希望される園生

    精神薬内服者の血中濃度検査(血液検査…春、秋の2回)

  7 眼科検診

  8 子宮癌検診……保護者の希望される園生

 

6。法定検査

    1)健康診断  ……  春・秋2

    2)胸部レントゲン検査  …… 入所者は、64歳までの人に関しては検査をしない。65歳に達する日の属する年度以降において毎年度1回。

 (職員に関しては、毎年、全員実施)

V、具体的な対応

@ 〈精神科疾患者の治療〉

学園生活において集団活動が、できにくくなり、周囲の人達とうまくやって行けなくなるといった精神障害を重複している入所者に対して、精神科嘱託医・鳥巣美穂先生の治療を受けながら、総合失調症等の精神科症状の軽減や癲癇発作の軽減に対応しながら、学園生活が継続できるように努める。

 

A 〈歯科治療〉

入所者に対しての法定健康診断の実施はもとより、重度知的障害者の歯科治療が未だに難しいといわれている。当園の場合、平成24年度も全園生対象に順調な歯科治療が行われてきた。現状はブラッシングをしっかり行う事を目指しながら、歯周疾患の治療を進めている。平成25年度も継続して行く予定である。

歯科治療に対するあり方は、治療中心から、予防といった状態に進んでいたが、最近は年齢とともにしだいに義歯を付ける人が多くなりつつある。平成25年度も引き続き治療の必要な人に対し、治療を進める予定。虫歯、歯周疾患の予防は、支援員と協力しながら食後の歯磨きの徹底を図っていく。

当園の歯科治療に関しては、かなり行き届いた環境になっていると思われる。平成18101日からは、医療費が自己負担となっている。

歯科治療の実施方法としては、次の通りで、4班が順繰りに治療を進めるようにしている。

 

 

 No

       治療グループ

 

    毎週『火曜日』に実施

 

 

 

 

      時間帯

 

1班

 機能回復指導班 + アロエ班  

 

 

  14:20 16:30

 

 

 

 

 

2班

 陶芸班 + 染色班 

 

  

 

 

 

 

    

 

 

3班

 和紙班 + 農園芸班 

 

 

 

 

 

 

 

 

4班

 手工芸班+ ピンチホルダー班

 

 

 

 

 

 

 

B〈老齢化対策〉

重度の知的障害を持った人達は普通の健康人よりも、色々な病気にかかりやすく、日頃からの健康管理により真剣に関わらなくてはならない。加齢化も早く、学園の中では40歳前後になると、急に老け込んでしまう人が出てきた。平成1111月の親子旅行後に、男子入所者が急に36才の若さで原因不明の脳梗塞を発症したり、メニエール症を訴える人が、増えている。

ちなみに、当園では 老齢化により、いろいろな障害が増えると思われるため、H23年より学園全体として、リハビリ訓練を導入し老化防止に取り組んでいる。

また、平成16111日の親子旅行の時に女子入所者が、電車の中で脳内出血を起こし入院となった。退院後に学園に戻して欲しいとの保護者の希望があるも、後遺症として重度身体障害者となり、車イス生活になった為に、当園での支援には限界があると判断し、身体障害者施設へ変更する結果に至った。脳血管障害の後遺症等や学園では看ることのできない病気になった場合に、何処まで当園が支援して行けるのかといった問題が生じてくることは確実である。この問題は、今後の知的障害者の高齢化問題として、どの様な方法で彼らを支援していけば良いかという大きな課題を知的障害者福祉関係者及び関係機関等に投げかけて行きたい。

 

 

 

W、 「学園の健康管理体制」添付図を参照

契約書の内容どおり

 

 

 

X、関係医療機関

【1】  嘱託医

 

精 神 科

 高山病院 

   院長

  医師

  所在地

   電話番号   

 

高山克彦

鳥巣 美穂

直方市下境3910-50

0949223661

 

 

 

2】協力医療機関

 

 内 科

 魚住内科胃腸科医院

   院長

所在地

   電話番号   

 

魚住 浩

直方市頓野1919−4

0949−26−6610

歯 科

 安河内歯科医院 

   院長

所在地

   電話番号

 

安河内 半六

直方市日吉町3−12

0949−24−0577

 

 

 

3】準協力医療機関

 

外 科

 西田外科医院

   院長

   所在地

   電話番号  

 

西田 博美

直方市頓野野添2104−19

0949−28−1573

眼 科

 阿部眼科 

   院長

   所在地

   電話番号   

 

阿部 健司

直方市溝堀2−3−13

0949−22−2953

 

 

 

 内 科

 直方中央病院 

   内科院長

   所在地

   電話番号   

 

野田 晏宏

直方市感田3573−1

0949−26−2311

外 科

 西尾外科医院 

   院長

   所在地

   電話番号   

 

西尾 禎一

直方市津田町9−39

0949−22−2684

 皮膚科

 

おおもり皮膚科クリニック

   院長

   所在地

   電話番号 

 

大森 正樹

直方市感田井牟田1930−1

0949−26−6520

産婦人科

 田中産婦人科クリニック

   院長 

   所在地

   電話番号

 

田中 康司

直方市頓野1000−27

0949−26−8868

外科・耳鼻咽喉科

 岡村医院 

   院長

   所在地

   電話番号 

 

岡村 浩一郎

直方市頓野3816−3

0949−22−2683