指定障害者支援施設 鷹取学園
栄養士 山本菜摘
1、はじめに
平成24年度も前年同様、生活の基となる健康的な身体作りを支えると共に、園生が三度の食事が待ち遠しく思えるような楽しくおいしい食事作りに、給食関係者全員で今までの経験とアイデアを結集して、集団給食の中にも家庭的な愛情のある食事作りに努めて行きたいと思っております。
数年前よりノロウイルスのような食中毒問題が起きたり、食の安全が問われた輸入食材の問題等様々な食に関する危険性が取りざたされる事態が起きました。その他、平成20年には石油高騰に伴って殆どの食材が値上がりし、未だに余波が続いております。また平成23年3月11日に日本を揺るがす東日本大震災が起こり甚大な被害を東北地方にもたらしました。それに伴って食品や日用品が軒並み値上げし物資不足となり現在進行中です。厨房では食材を無駄にしない様努力して来ましたが、さらに無駄をなくす様に皆で頑張っていきます。
2、食材について
当園においては、食材に関して特に品質の点に注意を払っています。生産地・賞味期限に気を配り、納品される食材をその都度吟味して、輸入品よりも安全と思われる国内産で対応することにしています。 鮮度の低い冷凍食品は殆ど使用せず、少々手間が掛かっても、その季節のその時期の新鮮な、そして安全な食材を使用するように努めています。
安全な食材にこだわりますと、それに伴い材料費がどうしても高くなる傾向になりますので、その点においても、いかにして質を落とさずに給食費の予算枠でやって行くかという覚悟で取り組んでいきます。 食事代は入所者負担という事になっていますので、決められた食事代の中で見栄えのある美味しく、健康的な食事を提供できるよう努力したいと思っています。
その為には食数管理にも引続き力を入れ、無駄を省くように努力してまいります。
3、給食の安全
給食に関する中毒や危険防止としましては、日々の仕事の中で基本的にやっておかなければならない衛生面の処理、食材の管理などに対し心がけていけば、危険の多くは防止できると思われます。
衛生的な食事管理には充分に気を配って行きたいと考えています。 また、新たな危険性に関して充分な知識を得るために、機会あるごとに職員を研修会等に参加させる予定です。給食関係の職員全体の協力体制の強化を図り、進めて行きたいと考えています。
4、入所者への食事提供
入所者が喜んで、安心して美味しく食べることができる食事内容を提供していきたいと計画しております。
行事食に関しては例年通りの行事食に各季節の旬の食材を生かしメリハリのある食事献立にしていきたいと思っております。
また平成24年2月より栄養士・調理員全員で園生に提供してみたい新メニューを各自提案し、新メニュー会議を設けました。試作・検討後より多くの新メニューを給食に提供して更に変化にとんだ楽しい食事を提供出来ればと思い進行中です。
5、食事提供に関しての配慮点
老齢化、加齢化が進む中で、歯周疾患や喪失歯または嚥下困難の園生が段々増えてきています。固い物が噛めない、飲み込めない等の理由で、刻み食等が増加の傾向を辿っています。しかし、刻み食は形がなくなってしまうため、食事に対する楽しみが低減しない様出来るだけ見た目においしく、他の人と同じ食事を取れる様に形を崩さず、普通より柔らかく調理するといった技法を取り入れながら、出来るだけ咀嚼行為を低下させないといった点に配慮しています。又昨年に引き続きできるだけ薄味で塩分控えめな食事を提供させて頂くようにしていこうと思います。
6、献立内容の公開
平成11年度よりパソコン処理に写真を加える様になっています。 インターネットを利用して各入所者のご家庭からも三食の献立内容（朝食、昼食、夕食）に関してデジタルカメラで撮影した献立内容が写真で見られるようになっています。
より多くの保護者の方に、少しでも当園の食事の内容を見て頂ければ食事に携わる職員のエネルギーにつながると思っています。
7、給食関係の事務処理方法
献立表で栄養価が分かり、給食日誌でその日の食数や、一食あたりの単価が把握できるようになっております。
8、平成24年度行事食予定
【行事食一覧表】
四月 誕生会 創立記念弁当
五月 誕生会 端午の節句 運動会
六月 誕生会 バイキング
七月 誕生会 七夕
八月 誕生会 夏祭り
九月 誕生会 秋分の日
十月 誕生会 学園祭
十一月 誕生会 餅つき
十二月 誕生会 クリスマス会 年越しそば
一月 誕生会 おせち料理 七草粥 鏡開き
二月 誕生会 節分
三月 誕生会 ひなまつり 春分の日
以上の様な取り組みをとり入れ、学園生活をエンジョイできるような食事づくりを目指したいと思っています。栄養士・調理員全員でチームワークを一つにして平成24年度も鷹取学園らしい食事づくりが出来るよう努力していきたいと思っております。