平 成 24 年 度

   社会福祉法人  福智の里

指定障害者支援施設     

( 知的障害者生活介護 知的障害者施設入所支援 )

事 業 計 画 書(案)

         

            

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  社会福祉法人 福智の里

                    指定障害者支援施設 鷹取学園

                      (事業内容: 生活介護・施設入所支援)

 

                822 福岡県直方市大字下境字鬼ケ坂336ー11

                    TEL   0949ー24ー6622

                   FAX   0949ー24ー8333

 

 

                                

          平成24年度 鷹取学園における事業計画 ()

             

                                     社会福祉法人  福智の里

                                       指定障害者支援施設 鷹取学園

 

【事業内容】

(目的)

この社会福祉法人は、多様な福祉サービスがその利用者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより、利用者が個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援することを目的として、次の社会福祉事業を行う。   

 

社会福祉法人 福智の里  経営内容

 

指定障害者支援施設  鷹取学園  

  (1) 生活介護    定員 76名  (利用者―知的障害者)

  (2) 施設入所支援  定員 76名  (利用者―知的障害者)

  

1、はじめに

) 障害者自立支援法のスタートから

日本国における社会福祉法の改正により、支援費制度から障害者自立支援法による新体制が平成18年4月よりスタートし、鷹取学園は平成21年4月より移行しました。平成24年度で4年目を迎えることになります。

平成21年度のスタート時点での当園における施設運営体制の変化は、制度改正により入所者の障害程度区分の結果の平均点により、@日中活動系サービスの生活介護支援のサービス費とA居住系サービスの施設入所支援の11区分における区分域に対して、当園の対象区分域が判明し、報酬単価とサービス提供職員配置基準(常勤換算)が決定する事により、職員数が見直されることになりました。

以上の結果から、入所定員76名は変わらないまま、支援員の数が前年の平成20年度より、8名増員しなければならないという結果となりました。勿論、措置制度の時代から重度、最重度知的障害者施設の職員の勤務体制を考えた場合に、労基法上から考えてみても支援員の勤務内容は宿直体制ではなく、夜勤体制に切り替えなくてはならないと長い間言い続けられて来ましたものの、社会福祉法の基準からすると宿直体制でしか進められなかったという現実的な制限が付いていました。

新体系となり労基法で言われる勤務体制を夜勤体制の水準に嵩上げできたものの、福祉の仕事というものは、職員数が増えればそれで対応できるものではないという事をどうしても理解して貰い難い点があります。

 

) 新卒支援員採用が難しくなった (現実問題として、職員が集まらなくなった)

世界的な不況時代が来たせいで、失業者が増えたということと、日本社会に於いての今までない高齢者社会が到来したことで、その対応として社会福祉分野には多くの働き手(人材)が必要とされるようになったことが組み合わされ、失業者の就労対策として、失業者問題解決策として社会福祉分野への就労活動が活発化してきた。「一般企業よりも少し給料は低いが、失業して、全く金が入って来ないよりもましだ。この不景気の中、仕事の無い社会になっているので、失業者は福祉の分野に行けば仕事にありつける。社会のためになり、困っている人から喜ばれる仕事だ。」という社会現象が一気に盛り上がりました。老人福祉では多くのヘルパーステーションができました。資格としては今までにあった社会福祉主事の資格のほかに、一気にホームヘルパー資格、ケアマネージャーの資格、介護福祉士の資格、社会福祉士の国家資格、精神保健福祉士の国家資格ができ、多くの人たちがその資格を手にすれば、それなりの社会的に認められた仕事に就けるという願いで資格を取るということが当たり前の状態になっています。

しかしながら、このような社会現象が出て来る少し前から、社会福祉関係の学校や専門学校では、社会福祉の業界は他の業界よりも極端に給与水準が低かったせいと、将来に対する生活の安定が望めないために、社会福祉の重要性が叫ばれながらも、また社会福祉分野での資格の必要性を訴えながらも、社会福祉に力を入れてきた大学や専門学校の卒業者が福祉関係の仕事に勤務することを望まず、他の業界に就職していくという傾向になってしまいました。

それに加え新たに福祉関係の学校へ入学を希望する学生が少なくなって来たことにより、社会福祉関係の大学や専門学校は入学生徒の定員数を減らさざるを得なくなり、学部を廃止するといった状態まで来ていることをもっと早く掌握し、対応すべきであったと思うところです。現在でも資格は取ったものの、障害者をみていくことの大切さは分かりますが、資格に対する給料の確固たる保障の裏付けはなく、正に安上がりな社会福祉体制を考えて、職員数を多く増やせば何とかなるといった福祉構造を作り上げようとしている考え方は、もっとも事故に繋がりやすく、大きな社会問題を引き起こすことにもなりかねると思えます。

当園はそのような事態にならないよう、しっかりとした職員体制のもとに、重度、最重度者の支援をきちんと続けて行けるように努力して行きたいと願うところです。

平成24年2月2日に春日市のクローバープラザで開催されました福祉の職場合同就職面談会(県社会福祉協議会主催)に当園も参加しましたが、経営する135法人が1142名の求人枠を準備しましたが、今春卒業予定の大学生、社会人の参加者は計718人でした。

当園は平成24年度の職員採用に対して、男子1名、女子2名の計3名を計画しています。

 

) 支援職員の資格問題

福祉関係の資格を持っている人が増えていくことと、現実的な支援関係との間にはかなりの乖離が生じ、国家資格を持った職員は現場からは遠い仕事分野につきたがり、国家資格を持たない職員が手探り状態で、現場に於いて四苦八苦しながら支援するといった傾向が既に来つつあります。専門性の必要を口にしながら、専門性からは程遠い福祉形態ができ上がりつつあると言わざるを得ません。

医療分野でもいろいろいな専門分野があってこそ、仕事の深さが進んでいると思いますし、医療分野でエキスパートとして尊敬されているドクターは、やはり現場の要となって活躍されているドクターの皆さん方と言えます。

社会福祉分野は、今や十把一からげという状態ではないかと思います。社会福祉士の国家資格を持っていれば、三障害の仕事分野のどれでもこなせるというのが当たり前として、当初の考え方通りに進められてきました。

ところが、それに加えられた形で精神保健福祉士という国家資格がつい最近から重要視されるようになりました。

この傾向は、精神分野は社会福祉士の枠とは少し違う部分であるという考え方になってきたのだと思います。そうであるならば、当初からもっと根本的な立場から各障害分野に対して、もっと専門的な資格を持たせた学生を育てて現場に送り出して貰いたいところです。まったく資格が無かった頃から、この福祉業界に関わってきた立場の私たちは、先進福祉国の制度から社会福祉の専門的知識を持った学生を育てることを望んできたのですが、実際になぜ現場に役立つ専門的知識をもった学生や専門職員を、国は育てるようにしてくれないのかと愚痴が出ています。

 

) 社会福祉の仕事について

昔から社会福祉に関わる職員の給料は一般企業の賃金よりも低くて当たり前だ、社会福祉に携わる仕事自体が、海外から導入されて来たものであり、キリスト教や宗教的な崇高な精神に基づいて金銭には代えがたいものがある。そして社会福祉事業を支えていける国というか社会そのものの中に、奉仕精神を含む労働やそれを実践していくという大切な精神を評価したり、社会福祉の大切さを認めてくれる考え方が既に流れているという前提で進められてきたと思います。また社会福祉事業に関わって来られた先達の皆さんは、後輩にもそのような精神を引き継いで来られましたし、現在も続いているし、今後も引き続いていくものと思っています。

しかし、社会福祉に関わってきた多くの先輩たちの歩みを、現在の社会福祉事業をやっていく人たちの中には、単なるお金になる仕事として経済の中のシステムの一つとして社会福祉事業を展開させているだけの姿になっている部分があるように見受けられます。今後、福祉行政はどのような方向に日本の福祉を向けて行こうとしているのであろうかとふと立ち止まらなければならない感覚を持つことがあります。措置費時代の考え方は、社会福祉は行政が国民の税金で障害者を救ってあげているという感覚でした。だから、障害者自立支援法では障害者の立場を考えると福祉事業者と福祉受給者は対等な立場でなければならないため、契約という形を取るようになったと説明を受けた経緯があります。 社会福祉の形が、その時々の社会制度の在り方で、支援をする側の立場が強くなったり、逆に支援を受ける側の障害者が制度上の形で権利を振り回すような結果になること自体が、多くの人が望む社会福祉という事とはかなり隔たったものになっているとしか言いようがありません。

支援する側も、支援を受ける側もどのような社会福祉制度で進もうとも、お互いが協力していかなければ良い支援には繋がって行かないものであることを感じていなければなりません。社会福祉事業の受給内容は確かに基準として、契約として、範囲として決められる事かも知れませんが、具体的に支援に当たる側の人間とそれを受ける側の人間は、お互いの人間性の上に接していかなければ決して良い支援内容(受給サービス)を受けるということにはなりません。

社会福祉とは、してやるものでしょうか、また、して貰って当たり前の事業なのでしょうか。社会福祉の国家資格をやけに重い資格に位置づけようとして福祉の内容が空回りしているのではなかろうかといった感を受けます。福祉の仕事の内容を資格という基準で形作って行こうということであれば、恐らくこれから先の日本の社会福祉は、形だけの流れになり経営も難しくなり、いろいろな社会問題が生じ、社会福祉の精神は息詰ってしまい、福祉支援を受ける対象者は精神的な満足感のない支援内容を受けることになるのではと心配されるところです。

 

) 鷹取学園の新入所者受け入れ枠について

当園は平成21年4月1日から、@日中活動は「生活介護」、A土日の支援及び平日の夜間支援に携わる部分は「施設入所支援」の形態で進めて来ました。そして3年が経過し、定員76名に対し、平成23年に新たに入所者1名が加わり、実員73名で進んできました。残りの定員枠3名の内容は男子1名、女子2名となっています。入所したいのですが踏み切れないのでもう少し時間をいただけませんかといった待ち状態と、入所寸前までになってやはりまだ施設には入所させる勇気が湧きませんといった様々な立場での経過の方と、今すぐにでも入所を希望される立場の方々と様々ですが、各ケースを一つずつ整理しながら進めざるを得ない状態です。

 

) 鷹取学園の高齢化に対する取り組み

平成23年度は高齢化に向け、また入所されている若い対象者を含め、日常生活を展開していく中、できるだけ入院に至らない様に日頃から少しでも老化防止対策に力を注いで行く様に努めたい。重度知的障害者の特性とも言うべき、健常者のように身体全体の活動範囲が狭いというか、充分に身体を動作できないといった特徴のために、年齢と共に廃用性機能低下に繋がらないように、学園生活全般に亘って再度の見直しをしつつ取り組んで行きたいと思っています。

知的障害者の高齢化は健常者が高齢化する場合のような、高齢化に伴う老化現象が起きてくるというわけではなく、健常者が高齢化したときに見られ始めるような老化現象が若い年代においても既に退行現象ともいうべき状態が見られているという、知的障害者特有の姿が始めから秘められている点に注目しておかなければならない訳です。

年齢的に既に70歳を迎えた方や、60歳に近い入所者の皆さんが増え始めるわけです。現在は所属している各班の中で、若い入所者と共に行動していますが、平成24年度は数名の高齢者対象の支援スタイルを別に加えるといった試みを開始したいと感じるところです。

 

) 総合福祉法(仮称)へ向けての歩み

また、平成21年度から民主党政権が発足し、障害者自立支援法を廃止とし、障害者自立支援法を次の平成25年の8月から施行予定の新たな総合福祉法に変更しようとの流れになっています。それまでの間はつなぎ法案で進められるような事態にあるといえます。

総合福祉法が出来上がるまでには、色々と内容の検討がなされることと思われます。

平成23年度には障害者基本法の改正障害者権利条約Wikipedia資料より⇒障害者権利条約(Convention on the Rights of Persons with Disabilities)はあらゆる障害(身体障害、即ち肢体不自由、内部障害、視覚障害、聴覚障害)、精神障害及び知的障害)のある人の尊厳と権利を保障するための人権条約。日本では障害者の権利に関する条約と政府によって仮訳されている。この条約は21世紀では初の国際人権法に基く人権条約であり、2006年12月13日に第61回国連総会において採択された。日本政府の署名は、2007年9月28日であった。2008年4月3日までに中華人民共和国、サウジアラビアも含む20ヵ国が批准し、2008年5月3日に発効した。2011年2月17日現在日本国は批准していない。2011年2月17日現在の批准国は98カ国である。なお欧州連合は2010年12月23日に組織として集団的に批准した。】を批准するように進められています。

厚生労働省は、平成23年度計画の通りに障害者自立支援法が廃案となったとはいえ、平成24年3月までに、すべての福祉施設に対し完全に新体系に移行させてきました。

平成25年8月から発足する新しい総合福祉法に移行するまでの間となる平成24年4月からは、新たな福祉法に向けての準備期間となり、今までの経過の継続となり、紆余曲折しながら「つなぎ法案」を固めながら、総合福祉法成立へ向けて進んで行く年になると思われます。

当園も次々と変わっていく福祉の流れに即対応していけるように態勢を整えて行きます。

 

)  当園における平成24年度 知的障害者福祉の事業方針

平成24年度の国の福祉予算が平成24年1月中旬の段階では、どのようになるかはまだはっきりとした形としては現れていませんでしたが、東日本大震災後の復興に対する負担とか、国内の経済成長の低迷化、世界的な経済の落ち込み等により、福祉予算の先行きも危ぶまれることは確かといえます。平成23年度の横這い予算で実質ダウンという話もありますが、スタートしてみなければどのように具体的な変化が生じるかは分からないところです。

国政においても税制改革が叫ばれ、消費税アップが福祉税としてあてがわれる様な話も出ていますが、果たして赤字国債をどのような形で処理していくようになるのでしょうか。

現体制の民主党与党政権がこのまま継続して行けるのだろうかとの見方もマスコミで報じられています。

平成24年度の事業計画案にも記載しましたが、どの様な政治の流れになろうとも、知的障害者福祉の在り方について、こうあるべきだといった進むべき方向性とそれを実現して行くための計画案を、知的障害者福祉関係者自体が何時、どの様な社会情勢になったとしても、きちんと示して行けるだけの体制を作り上げておかなければならないといえます。

平成24年度 鷹取学園の進むべき方向は、昨年まで進めてきた方針を再度検討しながら、更に前進させて行くという事に目標を置き、平成24年度事業内容を運営規定に基づいて下記の様に計画、実施していくことに致しました。

 

 

2、平成24年度事業

 

(1) 生活介護 

障害者支援施設等において、入浴、 排せつ及び食事等の介護、創作的活動又は生産活動の機会の提供その他必要な援助を要する障害者であって、常時介護を要するものにつき、主として日中において、入浴、排せつ及び食事等の介護、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の必要な日常生活上の支援、創作的活動又は生産活動の機会の提供その他の身体機能又は生活能力の向上並びに維持のために行われる必要な援助

 

対象=地域や入所施設において、安定した生活を営むため、常時介護等の支援が必要な者として次に掲げる者

@ 障害程度区分が区分3 (障害者支援施設等に入所する場合は区分4)以上である者

A     年齢が50歳以上の場合は、障害程度区分が区分2(障害者支援施設等に入所する場合は区分3以上である者)

 

(2) 施設入所支援      

指定障害者支援施設は、都道府県知事の指定を受けて、その施設に入所する障害者につき、主として夜間において、入浴、排せつ及び食事等の介護、生活等に関する相談及び助言その他の必要な日常生活上の支援 (施設入所支援)を行う。

 

施設入所支援の対象 = 次に該当する障害者

@ 生活介護を受けている者であって障害程度区分が区分4(50歳以上の者にあっては区分3)以上である者

A     入所させながら訓練等を実施することが必要かつ効果的であると認められるもの又は地域における障害福祉サービスの提供体制の状況その他やむを得ない事情により、通所によって訓練等を受けることが困難なもの。

 

 

3、平成24年度事業計画(案)

 

1)行事に関して

  平成24年度は通年の行事内容で実施予定。

   

その中で大きな行事のみを抜粋

1〉第32回運動会    〈2〉第32回親子旅行   〈3〉第32回餅搗き大会     

4〉第32回クリスマス会  〈5〉その他

 

 2)建物等に関して

  1〉建物内の壁塗装工事

管理棟、入所者の居住棟の壁の塗装がかなり汚れています。また、特に男女浴室の壁

がカビで黒ずみ見た目が良くありませんし、清潔感がありません。壁の塗装工事を必

要とします。

 

2〉生活実習棟(部屋と床下)換気設備工事

    生活実習棟の部屋の押し入れの中がカビで汚れているうえ、押し入れ中の床板が腐っています。また、一階の床板もふかふかになっており、大変危険です。床床の張替も必要ですが張替後の床下換気および部屋の換気工事が必要です。

 

   〈3〉生活実習棟の床板張替工事

    生活実習棟の床板が、湿気のためにふかふかになっており危険な状態になっています。何年か前に冬場の寒によって水道管が破裂した時がありましたが、床下で排水が悪かったと考えられます。台所、風呂の脱衣場、洗面所(洗濯機を置いている場所)のどの部分も傷んでいます。

 

4〉フラワーホームの照明器具の取り換え工事

フラワーホームの照明器具に関しましては、夜間はフラワーホーム全体が暗く

感じられますので、照明器具の交換の必要性を感じます。

 

5〉プロ野球ホームの居室壁の修理

    玄海西方沖地震の時に学園建物も影響を受け、学園建物の内壁に数ヶ所クラックが入っています。この部分のヒビが影響している部分の壁補修の必要があります。

 

6〉作業場の流し台に給湯設備が欲しい

    平成23年度末時点までの各班に設置されている給湯設備に関しては、染色班と和紙班2ヶ所の流し台にお湯が出るようになっています。機能班とピンチホルダー班より、最重度の対象者が多いために冬場の対応として給湯設備の要望が上がっています。

 

7〉廊下等のPタイル修理について(各棟)

   本来Pタイルはワックス掛けを行いますが、入所者が掃除をする場合に、水拭きしか

できません。ワックス掛けが難しいために、今後も水拭きという方法を継続していく

しか仕方ありません。水拭きをすると、どうしてもPタイルが浮き上がり破損してし

まいます。平成24年度も破損したPタイルは交換の必要があります。

  

8〉自家発電機の設置

平成23年3月11日に東日本大震災が発生し、未曽有の被害をこうむりました。また当園でも過去には台風19号上陸時に停電が発生し、全館内が真っ暗になってしまうという事態になったことがあります。その時の事を思いだしますと、何処に園生を集めようかという事になり、当時は各棟3ヶ所のディルームに集め電気がつくまで懐中電灯とろうそくで対応し、電灯がつくまで待機したことがありました。

現在はミニ体育館というチューリップハウスがありますので、その場所に待機することがベターと考えられます。チューリップハウスに自家発電機を設置することと、ポータブル式の自家発電機を2、3台準備できればイザの時の対応には事欠かなくて済むと感じられます。

 

 

3) 購入物品、修理品、その他に関して

1〉監視カメラの設置について

   平成23年度までは、正門を24時間体制で監視する防犯対策用の監視カメラと、入所者1名が10年以上になりますが、脳梗塞の後遺症の為に、一日全体を他の入所者と行動ができず、自室にて休養している状態を本人が所属している班職員が確認しながら仕事をするための監視カメラを備えています。

   これに加え、学園職員が把握している自傷を行う入所者がいるわけですが、保護者のほうからの要望が上がっており、自分の子供が他の入所者の方から傷を負わせられていると、一方的に考えられており、学園職員の説明を全く受け入れない保護者がおります。逆に、傷を負わせていると言われる他の入所者にとっては、大変な言いがかりに巻き込まれることになるために、実際の状態を保護者に確認して貰い考え方を変えてもらう方法でなければ、益々学園に対する信頼感も無くなると考えられますので、もう一台監視カメラを購入し、以上の問題解決を行う必要に迫られています。

 

2〉浴室内にマットを購入

    現在てんかん発作を持っている治療対象者が23名います。抗てんかん剤でかなりの発作が抑制されていますが、何時てんかんが起きるか分かりません。入浴時に洗い場で倒れるなどの場合は危険ですので、発作が起きて倒れた場合に浴室マットが敷いてあればかなり危険性が軽減できるものと思われます。

 

3〉機能班の電子オルガンの買い替え

   機能班の電子オルガンを16年間使用してきましたが、キーが利かなくなり、音が出ない箇所があります。買い替えの時期が来ています。

 

4〉機能班の椅子の買い替え

    機能班は最重度者が多いために、他班とは違った安定性のある椅子を今までも準備し使用してきました。16年間使用のため破損が進んできました。てんかん発作を持っている人がいるために手すりの付いた椅子の方が安全ですので10脚購入予定です。

 

 

4) 維持管理、その他

    

1〉ボイラー缶内の清掃

本館機械室、フラワーホームの暖房ボイラーを平成13年度の終わりに新規入れ替えました。平成14、15、16、17年度は必要なかったのですが、18年度の2月にフラワーホームのボイラーのみ、掃除を行いました。平成24年度は本館機械室のボイラーの掃除を実施しなければならないと計画しています。併せて煙突掃除を行う予定です。

 

5) 園内の環境整備

1〉各ホームの装飾

      園生居住棟のプロ野球ホーム(男子棟)、ディズニーホーム(女子棟)、フラワーホーム(重度棟)に、各ホームの特色を持たせるために、ホーム毎に装飾を施します。

 

6) 学園周辺の環境整備に関する事

     学園周囲の環境については、1年中、いつでも花が途切れる事なく咲いているといった環境整備を考えています。各ホームで植えつけ、管理を行っていくといった方法で進めます。また、樹木に関しては、外部のプロに依頼して園庭整備を進めていく予定です。

   園庭に植樹する草木については、入所者が口にして噛んだり、葉を千切って揉むといった行為がありますので、毒性のないものを検討し植樹します。

 

7) その他継続懸案事項                 

〈1〉居室改装(バリアフリー構造)の件

高齢化に対しての、居住空間の改善ということでは、部屋が狭すぎるといった事が考えられます。現在は和室であるため、床と上がりがまちの間に段差があり、高齢化を考えれば床はフラットで、汚れた場合に手早く掃除できる等、衛生的且つ安全に活用できる、介護しやすい居室の改装が今後必要になると考えられます。

 

2〉風呂場の改修工事について

    入所者も年をとり、風呂場の浴槽が深く、入る時の浴槽の壁が高くなっており使用しにくい状態です。支援員の介助する場所も手狭になり風呂場の構造から考えなおして行く必要があります。現在の場所では広さが足りず、他の場所に改築した方が良いと判断されます。(例えば現在のレストルームの場所等が考えられると思います。また、風呂場の位置により、現在利用している風呂場の後をどのように改築利用して行くかなどの問題が生じてきます。)

 

   〈3〉個室増築計画

    インフルエンザの流行時にどうしても隔離しなければならない対象者が出ましたが、医務室だけでは足りず、隔離のために自宅に帰すという方法を取らざるを得ません。

風邪引きの例でもそのような状態ですので、現時点で精神科にかかっていて、本人自身が眠れないとか、動いてまわり他人に迷惑をかけるために、特別に一人1 室を使用させなければ生活できない人がいます。更にこれからの高齢化を考えますと個室の必要性が高くなると思われます。

 

4〉プロ野球ホーム、ディズニーホーム廊下の冷暖房設備について

昭和56年の学園発足当時は、温水・冷水を使っての循環式空調設備の時代でした。その時にはプロ野球ホーム、ディズニーホームの廊下にも冷暖房設備が完備されていましたが、古くなり故障が多くなりだした時に、各部屋ごとにエアコンの空調設備に切り替えました。その時の状況判断で廊下までの冷暖房設備は廃止となりました。

フラワーホームはセントラルヒーティング形式で、全館冷暖房式になっていますので、廊下の冷暖房も機能しています。

今後は入所者の高齢化を考えて行かなければなりませんが、その時にはプロ野球ホームとディズニーホーム廊下の冷暖房設備が必要と思われます。ただし、その際にはキューピクルの内容変更を検討しなければならないとの事です。

 

5〉本館および居住棟屋根の防水塗装工事が必要

   平成24年度から振り返りまして、おおよそ11年くらい前に屋根の防水工事を行いました。 その後の状態を見ていますと、塗装がかなり落ちています。

業者に確認して貰いましたところ、平成23年頃以降には再度の補修工事を手掛けるように計画しておいた方が良いとの事でした。建物が31年になりますが、建物の老朽化対策を含めて、今後は屋根の防水工事をどのように進めた方が良いのかを検討していかなければならないと思われます。

 

6〉医務室内・保護室への監視カメラ設置について

精神的に不安定となり、他園生に迷惑を掛ける状態になった人を落ち着かせるための部屋を静養室の一室を使用する様に決めています。現在は部屋にいる本人の状態を把握するために、その都度部屋を開け閉めして確認しなければなりません。確認のために部屋を開けることで、マイナスになることがあります。この部屋を利用する対象者に対し、適切な判断と適切な対応を行うために、職員のみが確認できるタイプの監視カメラを設置する必要があると思われます。 

 

7〉歯科診療室をどのように考えるか。

  現在、歯科治療を学園内で実施していますが、機械が古くなってきています。措置制度の時には学園側が全て考えて行くという事になっていましたが、現在の障害者自立支援制度の下では、病気に対しては入所者の自己負担という考えが基本にあります。ただ、昨年からの社会福祉の動向は新聞やマスコミ関係でも言われているように、障害者の自己負担分の軽減という部分の話だけが一気に高まりました。

今後起きてくると思われます歯科治療機械の買い替え等の問題についても、学園独自で新たな歯科治療の機械を買い替えることが妥当であるのかといった問題が生じてくると思われます。今後とも充分に検討して、具体的に考えを進めて行かなければならないと思われます。

 

8〉避難誘導灯(LED)の改修工事について

   学園の避難誘導灯が昭和56年からの古いものが付いたままで、かなりの電気を喰っています。現在は低電流のLED器機が出回っています。取り換えにはかなりの費用がかかる様です。長い目で見ると電気使用量的には節電になるといわれていますが、まだまだ器具の方が高額のようで、もうしばらく様子を見ながら進める方が良いようです。

 

8) 平成24年度職員研修計画

    (1)研修計画を立てるに当たり

平成23年度で、高松事務長が役職員の退職規程に基づいて、定年退職延長5年目(65歳)を

迎えて退職します。加えて平成23年度の暮れから女子支援員2名の退職希望が出ておりま

す。

平成23年度は入所者の現員が73名/76名で進みました。73名の障害程度区分平均5.5の組み

合わせにより、正規職員数が43名(1名育児休暇中〈H22/12/23-H23/12/24〉)で施設運営が

行われました。

なお、育児休暇中の女子職員はH23/12/26より職場復帰しており、平成23/3/31までは、44

名の職員体制で運営しました。-

平成23年度末までに、3年ごとに予定されています障害程度区分の再調査の結果、少しば

かりの変更がありました。結果は@区分5が⇒区分6になった対象者が4名、A区分4が⇒区

5になった人が3名、B区分6が⇒区分5になった人が2名、C区分5が⇒区分4になった人

1名という結果でした。区分3の人が変わらず区分3で1名ということで、平均値はさほど

変化がなく平均区分5.5といった形のままになりました。

平成24年度の職員体制としては、平成23年度の職員数と変わりない数字になるために、平

24年4月1日スタート時点までに最低の数として男子支援員1名、女子支援員2名を採用し

なければならなくなりました。

 

(2)平成24年度職員研修

重度、最重度知的障害をもった入所者に対し、充実した支援を提供するために、それぞれの立場の職員に対し、研修の機会を多く提供して、できるだけ早く知的障害者福祉について深く理解ができるように進めて行きたいと思っています。社会福祉施設の職員として、高い質の向上が望めるように図って行きたいと考えています。 

  平成25年8月より障害者自立支援法を新たな総合福祉法(仮称)に切り替えていくという方

針で進んでいます。平成24年度はまさに過渡期に当たりますが、どのように時代の流れが

変わろうとも、重度、最重度の知的障害をもった人達に対する日常的支援の内容は、それ

ほど変更できるものではない訳ですので、しなければならない事は必ずして行かなければ

ならないと考えています。

何時、どのような場面においても対応できるように、他の老人福祉分野とか身体障害者福

祉分野とか精神障害者福祉分野に比較した場合に、知的障害者福祉分野においてはその特

性が余りにもなおざりにされていると感じるところです。

現場を預かっている職員自体が本当に知的障害の特性を把握しておかなければならない

のは当然のことですが、なかなかそれができないのが現状です。それ故、今までの歩みか

らでも分かるように何時も他の福祉部門と並んだ形では進んで行けません。

知的障害に重複した形での身体障害や精神障害、高齢化への対処といった支援を行わなけ

ればなりませんので、主軸になる知的障害の専門性を高めるために、関係する研修に参加

させるつもりです。各関係機関の開催する研修会等に積極的に参加させ、職員一人ひとり

の質の向上をはかり、鷹取学園という一施設の立場からではありますが、周りの知的障害

児・者福祉分野へ、他の障害者福祉分野へ、また日本の社会福祉全体に向けて、更なる社

会福祉の向上を目指して一石を投じる事が出来るような存在の施設になるように努めて

行きたいと思います。

研修内容

    1〕福岡県社会福祉協議会主催による各種研修会

    2〕全国社会福祉協議会主催による各種研修会

    3〕全国知的障害者福祉協会主催による、各種研修会等。

4〕福岡県知的障害者福祉協会主催による、各種研修会等。

5〕福祉関係機関より案内を受けた各種研修会のうちで、内容を検討し、当園に必要と思われる内容を取捨選択し参加。

    6〕異種開催の各種研修会並びに通信教育及び資格認定講習会等

  7〕関係行政機関主催による研修会

8〕海外研修

国及び各福祉諸団体が主催する海外研修、その他知的障害者福祉の向上につながる内容の研修会

  9〕その他

    例)知的障害者福祉の向上につながる研修等。

知的障害者の加齢化、高齢化に対して対応できる研修等。

 

9) 職員の健康管理

    職員の健康管理については、年1回実施予定。ただし、夜勤勤務をする職員のみ、年2回の法定健康診断が必要となっています。年齢が35歳以上に当たる職員については、成人病検診の内容までを対象として進めます。

    検診の結果、少しでも異常の出た職員に対しては、日常から健康管理に留意させながら対応するようにしていきます。 また場合によっては保健婦指導を受けるようにさせたり、本人の症状に対しては、より早めに治療に行くように助言したり、健康管理に努める事が出来るように配慮して行きます。

 

10) 避難訓練

  法的には、1年に2回以上の避難訓練を実施するようになっている。 最低2回の訓練のうち1回は夜間を想定した避難訓練を実施する。

火災時には、通報、初期消火、避難が必ず守れるようにする。 

 

 

 

 

 

 

 

 

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