平 成 21 年 度

 

指定障害者支援施設     園 

( 知的障害者生活介護 知的障害者施設入所支援 )

事 業 計 画 書(案) 

         

            

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  社会福祉法人 福智の里

                    指定障害者支援施設 鷹取学園

                    

 (事業内容: 生活介護・施設入所支援)

 

                822 福岡県直方市大字下境字鬼ケ坂336ー11

                    TEL   0949ー24ー6622

                   FAX   0949ー24ー8333

 

 

 

                                 2009 03 18 FK

          平成21年度 鷹取学園における事業内容

             

                                     社会福祉法人  福智の里

                                       指定障害者支援施設 鷹取学園

 

【事業内容】

(目的)

この社会福祉法人は、多様な福祉サービスがその利用者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより、利用者が個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援することを目的として、次の社会福祉事業を行う。   

 

社会福祉法人 福智の里  経営内容

 

指定障害者支援施設  鷹取学園  

  (1) 生活介護    76  (利用者―知的障害者)

  (2) 施設入所支援  76  (利用者―知的障害者)

  

 

 

2、平成21年度事業平成214月から新体系へ移行

 

(1) 生活介護 

障害者支援施設等において、入浴、 排せつ及び食事等の介護、創作的活動又は生産活動の機会の提供その他必要な援助を要する障害者であって、常時介護を要するものにつき、主として日中において、入浴、排せつ及び食事等の介護、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の必要な日常生活上の支援、創作的活動又は生産活動の機会の提供その他の身体機能又は生活能力の向上並びに維持のために行われる必要な援助

 

対象=地域や入所施設において、安定した生活を営むため、常時介護等の支援が必要な者として次に掲げる者

@ 障害程度区分が区分3   (障害者支援施設等に入所する場合は区分4)以上である者

A     年齢が50歳以上の場合は、障害程度区分が区分2(障害者支援施設等に入所する場合は区分3) 以上である者

 

(2) 施設入所支援             

概要

指定障害者支援施設は、都道府県知事の指定を受けて、その施設に入所する障害者につき、主として夜間において、入浴、排せつ及び食事等の介護、生活等に関する相談及び助言その他の必要な日常生活上の支援〔施設入所支援)を行う。

 

設入所支援の対象 =次に該当する障害者                                      '             

@ 生活介護を受けている者であって障害程度区分が区分4(50歳以上の者にあっては区分3)以上である者:

A     入所させながら訓練等を実施することが必要かつ効果的であると認められるもの又は地域における障害福祉サービスの提供体制の状況その他やむを得ない事情により、通所によって訓練等を受けることが困難なもの。

 

 

1、はじめに

〔平成214月より新体系へ移行〕

平成154月から、利用者の自己決定を尊重するという考えを柱にした「支援費制度」がスタートし、平成17年度で三年目を迎え一応の切りがついたということで、平成184月より障害者自立支援法がスタートしました。平成184月から9月までは試運転状態で、10月からは障害者自立支援法が一気に加速されて動き始めるという予定でしたが、発足当初の平成1866日に東京日比谷における障害者自立支援法への改正内容の要望行動として、日本知的障害者福祉協会を中心に全国的規模での障害者自立支援法の抜本的改正の動きが始まり、当園は平成19年度も旧法体制で運営しました。しかし、平成19年の秋に福岡県保健福祉部障害者福祉課を訪問した時に、平成20年の10月めどで新体制に移行するという事になり、障害者自立支援法基盤設備補助を受け平成203月末に厨房増築改造工事を行いました。

平成203月に入所者及び保護者に対し、当園が新体系に移行するに当たって行う事業内容は、@日中活動として生活介護、A居住系サービスとしては施設入所支援の二つの事業を行う事を伝えました。4月から8月の5か月の間で、入所対象者全員の障害程度区分調査を受け、入所者全員の区分程度認定結果が出るものと予定していました。この結果を見なければ施設として、どの程度の生活介護サービス費における施設区分(111区分に分けられている)に含まれるかが分からず、施設運営の方向性が見出されないため早急の対応をしました。

しかし、結果として平成20年の10月を超えても全員の障害程度区分認定結果が出ないばかりか、今まで28年間知的障害の最重度として認定されて来た入所者に対しての調査結果が、今回は最重度として認めないという結果につながらないという事態が発生して、保護者の数名が入所者に関係する市町村に対して、再調査や不服申し立てを行う事になりました。

障害程度区分調査内容が知的障害者の障害特性に合わない項目が多いため、一次調査では知的障害に加えて重複した精神障害や言語を有しない対象者に対して、全く思いもしない区分結果がでて、保護者から不満が学園の方にも上がってきました。

凡その結果は出たものの、再調査や不服申し立ての結果が出てしまわなければ、学園としての体制が構築できないために、8月から9月一杯に各福祉事務所と連絡を取り合いながら障害程度区分結果を出して貰うように努力しました。生活介護における施設ランクが「2」になるのか「1」になるのかといった状態が続き、この結果によって職員の人員を決定しなければならないという状況の中で、8月から職員採用を行うために新聞広告を繰り返し出したものの、就職希望者が集まらないという結果であった。このような現実問題を厚生労働省に理解してもらうために上京し、現実的にやって来た施設運営の状態と、今後の施設入所対象者に対しては、今までの対象者が他に移動しなければならないといった状態ではなく、園内は現状と差ほどの変化はない訳ですが、ただ新体系に移行すれば、生活介護の施設区分による職員数については、現在の23名に加えて、施設区分がランク1であれば20名の増員、ランク2を選べば14名の増員となり、ランク3で宿直体制を夜勤体制に切り替えた場合に7名以上の職員数を確保することになり、現在の状況を保つことができることを説明する。

当園の場合、生活介護における施設ランクは「1」になると思われるが、職員数を現在の23名をプラス20名に増やして40名にする必要性はないことの説明をする。 実際に100年に一度といわれる経済恐慌の現実の社会現象に逆行する状態であることを伝えてきました。

福岡県福祉労働部障害者福祉課と相談の結果、平成20101日移行は無理であるため、平成20年度中に新体系への移行を約束する。その後、11月に大学、短大、専門学校卒を対象の採用試験を行った結果、13名の新卒者の就職希望者があり、平成2141日からの新体系への移行が可能となり、福岡県福祉労働部障害者福祉課指導係との話の結果、平成2141日から移行できる事を報告し、幣制20年の暮れの理事会にて正式に平成2141日から移行することに決まりました。

平成2141日からは、@日中活動は「生活介護」、A夜間支援は「施設入所」の形態で進めます。

平成20年度は2名の退所者が出て、現在73名の入所者がいますが、1名が区分3という結果が出ています。

しかし、平成23年度以降も入所者全員がこの施設で、今までどおり日中も夜間も一緒に生活して行けることを願っています。

新体系になれば夜は宿直体制が認められなくなり、当園の場合は職員4名の夜勤体制に変更になります。今回の障害程度区分の評価方法は、一次調査と二次審査によって各市町村の審査員によって決定されましたが、評価内容が知的障害者の特性を判明できるものではなく、今後さらに厚生労働省の方でも評価方法が検討されるようになっているとの事です。また、市町村審査会の区分決定の見解の違いにより市町村間での評価結果に差が生じているといった事が、今回の調査結果で出ている事は、これからの改善点であるとも言えます。

当園の場合も一応の結果が出た形からのスタートになりますが要は入所者の生活が安心して過ごせるように守って行かなければなりません。

 

 

障害者自立支援法の内容が変化しています

@     施設収入の減額・増額、入所者の自己負担について

平成20年度もこの点を取り上げましたが、運営面では平成173月中旬の段階で、支援費そのものが1.7%減額されました。また、平成18年度の支援費の予算は、年度当初から1.3%減となり、加えて外泊・入院の場合は入金を減額する方法が取られだした。振り返れば平成16年から入院時には入院した翌日から2割カットが始まり、平成17年には入院・外泊日が2割カット、本人負担なしという事が続き、平成18年から入院・外泊については本人負担なし、光熱水費は月額定額となり、収入の予算立ても難しい運営に変わって来ました。

補足説明:平成16年度は、支援費支払いについて、入所者が入院した場合は20%のカットという方法がとられ、更に入所者が施設から帰省した場合にも入院の時と同様に20%をカットするという方法にかわり、在園していない場合は本人の負担はしなくてよいという事になった。)

入院・外泊時加算(施設・規模に応じて異なる)は、平成18年度から始まりした。

入院・外泊時の減額に対する6日の期限の根拠といった声が、全国から色々と上がってきたせいか、それまでの入院・外泊の場合は6日までは入院・外泊時加算をつけるが、6日以降は本体報酬を全額カットするという内容が、平成19年度からは、入院・外泊の場合は月の8日までは1\2880円の入院・外泊時加算をつけるが、8日以降はカットするというように変更になりました。2日伸びた根拠もはっきりと示されることはありませんでした。

平成20年の4月からは入院・外泊時加算の他に8日以降も一日に160単位(\1,600)をつけるといった案が考えられているとの噂も耳にしたことがありました。その後の結果としては、平成20年度に入り3ヶ月に限り入院・外泊時加算の支給方法は月8日間までは従来の方法で支給されることに加え、施設入所支援サービスに移行した場合は、8日以降も長期入院をしている場合については、入院時支給特別加算というものが追加加算されるようになりました。この支給加算条件として、入院先を訪問し、入院先との調整、被服等の準備その他の支援を行ったときは、月1回算定の報酬加算として、3日までの場合は561単位(施設・規模による違いはない)4日以上の場合は1,122単位(施設・規模による違いはない) を支給する形となっています。〔旧知的障害者通勤量の場合は、5日以上の場合に1,122単位を算定〕。この方法は入院期間が4ヶ月にわたる場合でも認められることになっているようです(各月において入院先を最低月1回〈1,120単位を算定する場合は2回〉以上訪問し、支援を行う必要がある)

この他にも施設入所支援においては長期入院等支援加算(入院・外泊時加算は3ヶ月にわたって認められているが、入院期間が3ヶ月にわたっても入院・外泊時加算が算定できない月にあっては、当該月の日数から8日を控除した日数を限度として長期入院等支援加算を算定できる)が認められるようになっており、1回の入院について最大3月間まで算定することができるという方法も入院・外泊時加算との組み合わせてできるようになってきました。

入院・外泊時加算が算定できる日数が8日を超える月については長期入院等支援加算入院時支給特別加算のどちらかを選択して算定できるという方法と、1回の入院中に一方の加算しか算定できないものではなく、月ごとに異なる加算を算定することは可能という事にもなってきました。 

外泊期間が2ヶ月にわたる場合は、月毎に8日間までの入院・外泊時加算だけが認められるようになっています。

以上のように入院・外泊時加算だけを追ってみても8日間分の入院・外泊時加算のみでなく8以降も加算費を設けるという事になり、次々と変化がうかがえる訳ですが、何か小手先だけの操作といえそうで、この先どのように変化して行くかは予想できない状態です。

新体系における生活の場としての施設入所支援サービス費の\2550/1(障害程度区分6対象者)を基本に考えますと、入院・外泊があれば施設入所支援サービス費がカットされるものの入院・外泊時加算\2880が加算されるというあり方はどういった事になっているのかと疑問に思われ、何かすっきりしないものを感じますし何を考えているのかと言いたくなります。

そのような状態ですので、これからどの様になるのかは皆目見当がつきません。

全国的な傾向からすれば、新体系への移行が20年度には28%に達しているとの事ですが、平成23年度の移行完了までにますます内容的には変化せざるを得ない事態になることが考えられますので、流れに遅れないように目や耳を研ぎ澄ませて対応して行かざるを得ません。

平成184月より、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法、児童福祉法の一部が「障害者自立支援法」に一本化され、障害者であっても医療費の負担制を敷き、食費と光熱水費が原則自己負担とされ、負担額に関しては、所得に応じた負担内容と月額上限措置が取られる方法で平成184月1日から出発しましたものの、18年度の途中から、1割と決まっているものが実質的には1割では済んでいない負担であり、1割でも高すぎるといった声が社会から出て、平成19年度には自己負担の上限額の見直しが再度検討されることになり、20年度は預貯金の対象額がかわり、平成21年度以降に入所者の預貯金に関しては負担対象外にしようとの意見もでています。今後も自己負担軽減への動きや、施設そのものへの収入源についても変化を見定めて行きたいと思います。

今後どのような形になるかは分かりませんが、

A 障害程度区分の評価基準の見直し

国の財政問題との絡みで、税金で賄われる支援費制度の見直しが進められ、将来的には介護保険制度に組み入れるといった方向に進められると聞いていましたが、平成19年度に入り、到底合体は無理であろうとの見解がなされるようになって、平成20年度には介護保険との合体はしないといった事がはっきりと示されました。

平成18年度に出された106項目の評価項目の79項目は介護保険制度の評価項目をそのまま利用した内容であり、老人介護と身体障害の評価基準を柱にして作成された項目では、知的障害と精神障害に対する評価基準を対象に考えるには、結果として余りにも大きな隔たりが生じることが分かり、審査会として再度の見直しがなされ、調査項目に加え知的障害の特性を含めるために、特記事項の欄を含め二次審査においてこれを評価の対象に入れるという対応に変わりました。平成201225日の厚労省発表の資料の中には、現在の106項目を190項目に増やした調査方法に変えるような計画があるように示されています。

 

B 重度知的障害者の入院について

18年度までは、入院、外泊の場合は、外出、帰園日を除き、入院・外泊者のベッドの確保の観点から、6日間までは減額された一定の金額(\2,880/一日)が支給されるものの、7日以降は収入が入ってこない仕組みとなっていましたが、平成19年度になりどのような根拠かはっきりしないまま6日間までが8日間に延長されたものの、その後は支援費が出ないということは変わりなく継続しています。

入院したあとの施設の在籍保障期間は3ケ月までと決まっています。当然職員の人件費問題が生じています。

重度の入所者が入院をすること自体が大変である事にも配慮がされておりません。入院に際しても、入院後の経過に対して、施設に関係なく家族だけで進められるかという点でも大きな疑問が残ります。

重度知的障害者の支援実態が全く理解されていない事を物語った障害者自立支援法であることを認識しておかなければなりません。

入院時には、家族以外の生活を共にしている支援員の立会いが、医療機関より要請があり、入院の際の支援や障害程度に伴う日常生活支援の内容伝達、更には手術までの立会いをしなければ入所者の手術ができないといった実態が理解して貰えていません。

入院後の本人及び家族への支援も必要です。施設入所には看護師がいるので、病院と施設の看護師とで連絡が済むと思われがちですが、施設看護師の仕事と支援員の仕事の両立で成り立っていることが理解されていません。

家族は、色々な事が生じると当然の様に支援員に支援を求めてきます。当たり前といえば当たり前ですが、毎日生活を共にしている支援員の方が入所者の日常生活の実態を把握できているからです。重度知的障害者の家族は自分達の手に負えない事があるために施設に対象者(子供)を入所させているわけですから、一人の大人として施設で生活しているといった立場から見れば、どちらかといえばそれが当たり前との判断をされていると思われます。

病院への事務手続き上の問題であれば、入院支援は看護師で済む場合もありますが、入院させるためには入所者自身を病院に引率しなければなりませんし、その部分から既に大きな支援が必要になります。

入院後も家族の不安や相談は、看護師にもありますが、その多くは日常的に生活支援に携わっている直接世話をしている支援員に対する相談が多くあっています。入院時や経過観察の報告、更に退院時や退院後の在り方についても、施設に戻って来るまでの最終段階に至るまでの途中の相談は現場職員に対して行われているのが実態です。

この様な経過の後で、3ヶ月経って入院が継続という形であれば、今までいた施設に復帰できない事となり退園に至ることになります。

老人介護と違い、重度・最重度の施設入所者は支援する者が誰でも良いという訳にはいかない場合が多いわけです。誰でもが直ぐに対応できるといった職種ではないことが理解されていないことに問題があります。人間関係が充分にできるまでに時間がかかります。 入所者が自分の安心できると思う職員でなければ指示、支援を受け入れがたいというのが重度の知的障害者の特徴であるといえます。

言葉もなく、コミュニケーションの取り辛い入所対象者の支援に対して、もっと理解をして貰えるように啓発していくことも大切だと思います。

啓発は大切であると分かっていても、現在の日本社会では直ぐに個人情報保護ということで、障害者の障害特性までもが、あたかも個人の秘密情報であるという立場で、全ての知的障害者の障害特性が、始めから社会から敬遠され、かき消されてしまうということが以前にも増して大きくなって来たことに対しては注意が必要です。知的障害者問題が始めから取り上げられなという事で、過去の轍を踏まないように気をつけなければなりません。

 

 

〔事務関連について〕

事務関係では、新会計基準に沿った会計処理で進められ、施設に対する行政からの支援費支払い業務が平成18年度迄は、福岡県国民健康保険団体連合会に任せられ福岡県国民健康保険団体連合会からの支払いを施設が代理受領し、施設に払い込まれた分の残りを利用者負担金として入所者が個人ごとに施設に支払うといった体制が、漸く形作られました。

次に利用者が施設に支払う今までの負担分について、@サービス費用の1割(定率負担)負担〔これは、所得段階に応じた月額上限を設けた4段階区分〕とA実費負担(食費、光熱水費⇒これも負担能力に応じて配慮する形をとる。)といった2分野構成とされており、自己負担体制がようやく定着してきたわけでしたが、平成19年度の10月より、全国統一という形態が始まり、事務手続きが福岡県国民健康保険団体連合会より、全国国民健康保険団体連合会が事務処理を実施することになりました。しばらくは、県単位でしていた事務上の手続き方法と差異があり、19年度は個々具体的な問題点をFAX.で連絡しながら進めて平成20年に継続して行く状態です。

当初、厚生労働省の説明において、「国民に判りやすい内容にしあげる」という事で始まったのですが逆に、大変分かりづらいものになっております。知的障害者本人はともかく、本人を支える家族の皆様方の多くは、恐らく理解されていないと思われますし、まして、福祉に直接関係ない方には理解できない内容になってしまったといえます。

平成18年度暮れより、障害者の1割負担は重いとの声が上がり、マスコミが取り上げて騒がれ、平成19年度に個人負担に対する軽減措置がなされましたが、入所関係の施設対象者には、直接的には余り関係のない内容であったといえます。

平成17年度より、施設運営に対する国庫補助がほとんどなくなり、福祉事業を行っている運営主体が持つ、自己の資金内容範囲でやりくりしていかなければならなくなった為、将来を見越した計画的な経営を各施設が責任を持ってしていかなければならない訳ですが、平成19年度にはいり、今まで出せないといっていた補助金、助成金について、厚生労働省は旧体制から新体制への移行がなかなか進まない事に対する手段として、平成19年度、20年度の2年間を限定して、新制度への移行目的の為に設備基盤整備を名目に補助金を出すことになりました。

当園も平成19年度初めまでは平成21年度を目途に新体制移行と考えていましたが、平成2010月を移行目標に変更することになりました。

@生活介護とA施設入所支援という形で進めていくために、移行のための基盤整備として調理室増築工事のために福岡県事業としての助成金を受けて平成203月一杯までに改築工事を終了しました。

また、平成202月に体育館のチューリップハウス建築に対して助成金を受けていた日本自転車振興会の監査が入ったが、助成金の使用についての事務的処理及び活用内容等が良いとの評価を得て、建物関係に関する次の計画を進めていかれる場合は、体育館(チューリップハウス)建築申請から2年の経過となっていますので、直接に日本自転車振興会宛に助成金申請をされてもよろしいですよとの返事を頂いておりますので、今後の事業展開に活路を与えられています。

 

〔「障害者自立支援法の抜本的見直し」について〕

平成19年度になると、「障害者自立支援法の抜本的見直し」という言葉がどんどん使われるようになりました。平成18年度までは、全国育成会の会長さんが、全国施設長会議の席上で、「厚生労働省の進めている障害者自立支援法に異議を唱える施設に関しては、我々全国手をつなぐ親の会−全国育成会が、反撃して行きます。」といっておられた方々は、平成1966日の東京の日比谷で開催された集会後に、一気に退かれてしまい、現在は他の方々が、会の運営に当たられている様子で、地方の手をつなぐ親の会と意見の隔たりが大きく、現在もなかなか進展していないようです。

厚生労働省におきましても、障害者自立支援法を考えられた方々の殆どが、配属部署が変更になってしまったようで、平成19年度の後半からは、「障害者自立支援法の抜本的見直し」という気運が広まり、平成20年に入ってから具体的な変更計画に取り組みがなされているようです。

厚生労働省は色々な情報があればどんどん持ち上げて頂きたいという立場にあり、当園も平成20年度に厚生労働省を訪問して、当園の実態を知ってもらうために文書と口頭による説明を行いました。

現在の障害者自立支援法の抜本的見直しに関しては、日本知的障害者福祉協会が知的障害者福祉に関する厚生労働省との折衝窓口になっているといえます。

ちなみに日本の障害関係福祉施設の全国施設長会の組織は、日本知的障害者福祉協会の中に位置づいており、全国知的障害者施設長会も他の組織と並列した形で、ここの場所に位置づいています。

平成201225日に厚生労働省より新たな発表がありましたが、まだ具体的にどの様になるかは分からないところです。

現在までに数ヶ月ごとに、何らかの変更内容が生じるといった事が平成18年度から繰り返えされています。平成20年度に何回か坂田理事長が厚生労働省を訪問しましたが、福祉現場において、問題点として感じられる内容や、納得できない内容は、厚生労働省に直接知ってもらうといった方法でなければ本当の自分達の立場を理解してもらえないのではと感じるところです。

 

〔支援費対象者ランクの内容と平成21年度の障害程度区分判定について〕

平成204月より、障害程度区分調査を関係市町村18地区の調査員が学園に来て、入所者75名の調査を行いましたが、当園の新体制への移行期限が101日からとなっていたにもかかわらず9月下旬になって全員分が決定せずに、福岡県との折衝で平成20年度中にという事で一応話がついたものの、保護者の方からの各市町村への再調査や不服申し立ての結果があり、この結果が出なければ、施設運営のための生活介護サービス費区分のランクがはっきりせず、施設への収入額と職員配置数が定まらないために平成20年度ぎりぎりまでかかる事になり、2回目の折衝で平成21年の41日から解しする事になりました。

(補足説明)

平成19331日調査で、鷹取学園入所者の支援費対象者ランクA、B、Cの内容は、75名中Aが73Bが2C該当者は0でした。

@ 平成184月当初は、支援費対象者ランクA、B、Cの内容は、75名中Aが70名、Bが5名、C該当者は0名であったが、内容に納得が行かないため、福祉事務所に再判定の依頼をした結果、Bの5名中3名がAとして認められた)

A また、平成18年度には、支援費制度のAランク認定の重度知的障害に加えて2種以上の重複障害(障害者手帳等により認められたもの)を持つ対象者へは、重度重複障害者加算制度(通称、三障害加算)について16名が対象であったが、追加申請の末18となっている。

平成19年度末より、入所者及び保護者の皆様に対して、新体制移行予定が、平成2010月を目途で進めること、また鷹取学園は、体系として@生活介護とA施設入所という事業形態にすることの説明会を行い、対象の事業形態を活用するための入所方法としては、事前に障害程度区分調査を各出身の市町村窓口に申請し、障害区分程度の1から6までの区分決定を受け、鷹取学園の@生活介護の対象者は50歳未満で区分3以上、50歳以上は区分判定が2以上となること、Aの施設入所の対象者は50歳未満は区分4以上、50歳以上は区分判定が3以上の区分に入っていなければ利用できない旨の説明を行った。

また、平成20年の2月と3月で各保護者73家族に対しこの度の障害程度区分調査に対する準備ならびに各質問に対する入所者個人ごとの具体的ハンディの伝達方法等の説明会を実施し、平成204月より各市町村から障害程度区分の調査に入ってもらう計画で進めた。

 

 

 

 

 

〔知的障害者の言語障害認定に関する問題〕

この内容は平成19年度の事業計画より繰り返しあげて来ました。平成20年度の障害程度区分調査では、この点に関しては全く無視された結果に終ってしまいました。今後とも重度の知的障害を持った人達の障害特性として大いに啓発していかなければ、なかなか社会に理解してもらえない内容であることが障害程度区分調査の結果として悪い方に立証されたといえます。今後ともこの点に踏み込んだ見方がなければ、知的障害者にとっては、障害の判定に対する大きなネックとして残ると思われます。

 

〔平成20年度事業計画から下記説明内容を転記〕

支援費制度にあっては、重度重複障害者加算の認定が必要でした。以前から問題提起してきたことでしたが、重大な問題点が知的障害者福祉の中で取り落とされて来たということなのです。

具体的に説明しますと、重度知的障害者でそして年齢的にも23歳以上の年になり、その後も終生にわたり言語を持っていない言語障害の対象者について説明すれば、現在の身体障害者手帳の認定では知的障害者の言語障害は、身体障害者手帳の言語障害の範疇では認められない事になっています。もっと具体的にいえば、身体障害としての言語障害は器質的な異常が基本になって起きる障害であるため、身体的な形の上で異常がないとか、知的障害を起因とする言語障害は身体障害の範疇にはないとされているためである。

その考え方の元になっているのが、知的障害は発達障害であり、いつの日かもしかすると言語能力が発達して、言葉が出る可能性があるといった考えが基本になっていると思われます。しかし、この見方は甘いといえます。知的障害というハンディを持ち、言語を持たなかった子供たちの追跡調査がなされていなかったということ以外のなにものでもありません。 

成人して高齢化の道を過ぎて老齢化して行くまでの重度知的障害者の言語に関する実態が理解されていないといわざるを得ません。社会そのものがこの部分に対し今まで全く目を向けていなかったということを証明しているに過ぎません。

要するに重度知的障害者の言語障害問題など、どうでも良いといった結果でしかなかったと思われます。

※ 詳細説明⇒重度重複障害者加算に対する重度知的障害に重複する障害内容としては、視覚障害、聴覚・平衡機能障害、肢体不自由(四肢の障害)、内部障害(心臓、腎臓、若しくは呼吸器または膀胱、若しくは、小腸、若しくは人免疫不全ウイルスによる免疫機能の障害)、精神障害(知的障害を除く)となっております。 知的障害者の言語障害に対しては、器質的なものから来る言語障害は身体障害者手帳の対象となるが、知的障害に起因する発達障害による言語障害は、身体障害者手帳を対象とする障害には当

てはまらないとの法的解釈により、知的障害者の言語障害は現在でも身体障害者手帳発行の対象外となっています。) 

それ故、重度重複障害者加算の対象には該当しないとされています。

しかし、知的障害が発達障害という考えに基づくと考えた場合に、人間の脳の発達段階は、23歳〜24歳までが限界とされているため、それ以上の年齢に達した知的障害者に対しても、一生涯言語が無くても現在の身体障害者手帳対象の言語障害とか、それに順ずる障害とかに認定できないのかといった問題が残ります。

もともと知的障害という身体の一部である脳に障害が起き、それ故に言語に結びつかない事は身体障害という範疇には当たらないのかという疑問が湧きます。知的障害というのは脳の形状的な姿に異常が認められないので、器質的異常は無いということで身体障害者手帳の対象外であるといった判断というか考え方はおかしいと思われます。形状に異常が無くても脳の中に何らかの異変が起きているからこそ、知的障害というハンディが生じているわけです。老人に多くなる脳梗塞や脳内出血で脳の一部の細胞が破損されて、レントゲンやCT、MRI等の機械で原因がはっきり証明できるものは身体障害者手帳の対象になっています。

しかし、器質的に障害を持っていて、充分な会話ではないにしても、言語としてコミュニケーションの取れる対象者でも、構音障害ということで身体障害者手帳の対象者となりますが、終生にわたり全く言語を持たずに会話の出来ない知的障害者は、言語障害ではないという考えは、現在の医学ではまだまだ解明できない未分野なので、因果関係がはっきりしないので認められないということでしかありえません。ひがんだ考え方をすれば、この様な知的障害の原因究明を研究したところで、社会的貢献度としては低いために研究者にとっては何の得にもならないものと判断されているのかも知れません。

それでも、知的障害者を支援していく現場の職員の視点から考えると、全く納得のいかない事なのです。

もう一言付け加えるならば、最重度知的障害者ならば全てが言語を持っていないという理論構成で上記の論理は成り立っているはずでしょうが、現実には最重度の知的障害を持っている人の中にも、一般的ではないかも知れませんが成人した対象者の中には、稀な存在でしょうが、例外的にでも単語を発声できる人がいる訳です。

知的障害に対する現在の学者の見識は、いうならば不十分であるとしかいえません。

知的障害という障害に対して、知的障害に関する学識者といわれる方々は、更に知的障害という障害自体に対する認識を深めなければ、知的障害福祉に対する本当の判断は出来ないと思います。

発達障害に絡んだ最重度知的障害者というのは、赤ん坊同様に全く始めから言語を有していないと考えるのは当然かも知れません。しかし、知的障害者であっても人間としては肉体的には成人するわけです。最重度の知的障害者といっても、赤ん坊から老人に至るまでの巾があります。発達障害とは年齢的には何歳をもって、成人としての人間の発達の限界に線を引くのでしょうか。

成人として、人間としての発達の限界にいたっても、普通の状態に至らない部分が障害者としてのハンディとして現れるわけです。

知的障害者の言語障害は身体障害者手帳の範疇ではないという考えは、知的障害から来る身体障害問題にも同じように出ています。行動においては車椅子でしか生活できないような状態に至ったとしても、器質的な要因が認められないために、身体障害者手帳の対象ではありませんといった現実問題が出ています。身体障害者の症状を呈していますし、実態は身体障害者への介護を必要としますが、身体障害者手帳の対象ではないために身体障害者施設の該当者ではありませんという問題が、今後、多く発生してくることと思われます。 この問題は今後に残された大きな課題であり、当園でしか判らないといった問題ではない筈です。 この部分の理解をはっきりさせていなければなりません。多くの言語を持っていない重度の知的障害者の人達や、身体障害者手帳の範疇に入らない知的障害から来る身体障害症状を呈するために、知的障害者施設が支援対象でなくなった、何処にも行き場所のない入所者の皆様方の問題にいま少し思いをもって進めていけば、知的障害者福祉の在り方がもう少し変るであろうし、今から高齢化して同じような問題に直面するであろうと考えられる知的障害というハンディのある人たちに対する少なからず福音になる問題を平成20年度も社会に対し、提起していきたいと思っています。

 

〔通所部について〕

通所部については、平成18年度始めまでは、10名定員に対し1名の通園対象者で対応しました。平成18年度途中から通園していた1名も、障害者自立支援法の影響もあり、他の入所施設に入所しました。その後は、平成19年度は一例も通所希望者はあっていません。

平成20年度も一例も通所希望者はあっていません。

平成21年度の新体系になると日中は生活介護という対応で済む為に通所部を廃止することになりました。

 

〔高齢にむけての今後の課題〕

平成21年度も、平成19年度の事業計画の中でふれてきました高齢化対策について、同じ内容で触れておきたいと思います。これから先の鷹取学園が抱える大きな課題点になると思われます。

保護者の皆さんの高齢化と、入所者の皆さんの高齢化問題です。保護者が高齢化し、次々に亡くなられた方が出ています。入所者自身も加齢化し、知的障害に加えた高齢者問題を抱えなければなりません。現在の姿での施設設備や職員体制のままでは、高齢化に対して対応できかねることが目に見えて分かっています。平成214月から新体制になり、職員数や勤務内容も見直さなければならなくなります。

障害者自立支援法では高齢化に対する考え方としては、病気を罹ったり老齢化した場合は入院をさせるか或いは老人ホームへといった措置を講じて行けば知的障害者のライフスタイルは描けていると考えられているようです。未だに新体制下での施設体系には高齢化対策の具体的なあり方は示されていません。

現在の医療体制や社会福祉状況において、高齢化した重度や最重度の知的障害者を簡単に引き受けてもらえる場所はなかなかありません。

残るところは、現在生活している当園で老齢化した園生を見て行くという事でしょうが、現状の体制では全く不可能であると言わざるを得ません。

歳を取っても、元気で何とか生活して行けるまで見て行くというのが現体制の知的障害者更生施設としての限界だと思われます。新体制では施設入所という形になりますが、土曜日、日曜日の施設に来る運営費を考えると日中介護の単価の三分の一の金額しか来ないため、現状を維持していくのが必死の状態であり、結局は厚生労働省も周囲の知的障害者福祉に携わっておられる皆様も、目の前の高齢化問題などはどうでも良い状態にしかないと思えます。

結局は病気になり、動けなくなった場合は、健常者が老人になった場合同様に、知的障害をみて貰える医療関係機関を探すしかないと思われます。鷹取学園を離れて、老人疾患病院や老人施設等の場所で看て貰うしか方法はないと思われます。

家族を持たない独り身の知的障害者の場合は、なおさら厳しい状態を迎えなければならなくなると思います。

現在は成年後見制度の紹介がよくされていますが、本人の持っている金品財産に対する後見問題であって、本人の生涯にわたる生活上の後見をするといった内容ではありません。このところは後見人制度の内容を知る多くの人たちの共通の理解であるところです。今後はこの点に関しては、問題点を真摯に受け止め、更なる対策を講じるように方向付けしなければならない点だと察しられます。

平成18年度より支援費制度が新たに障害者自立支援法に取って代わり、大きな制度改革が目指されましたが、高齢化する重度知的障害者支援のあり方に、医療問題を取り入れた福祉体制を考えるとか、今後どの様に対応していけるのか、またそれを実現できるような方向に努力していくといった考え方は在りません。平成21年度もこの点に関しては、何らかの具体化に向けて鷹取学園としての課題点を発信していかなければならないところです。

 入院して3ケ月目途で退院ができなければ施設に戻れません。施設から切り離されてしまった後のことを保護者の皆様が理解し、自分達はそのときどのようにすれば良いかを考えておかなければなりません。

実感した時は既に遅いといえます。この点は保護者に対して重ねて説明していかなければならないと考えるところです。

 

〔保護者に自覚して貰わなければならないこと。〕

早急に対応していかなければならないことは、親御さんを中心とした保護者の皆様が元気な内に、園生が高齢化した場合の対応について、現時点から考えられる内容や実際にしておかなければならない事は準備しておくべきだと思われます。

学園からは出来るだけいろいろな多くの情報を保護者の皆様に伝達していくつもりです。

施設で対応できる部分は施設の立場でどんどん進めていきますが、保護者にしか出来ない部分がどうしてもあります。入所者の生死に関わる問題は学園側では責任をもてない部分です。

山積された問題点に対し、当園だけの力ではどうすることもできないものがあります。鷹取学園と保護者が共に支え合いながら入所者を守っていかなければならないということしかありません。 

平成21年度も知的障害者福祉に対する啓発内容をあらゆる対象機関に対し働きかけていくということ、また多くの皆様方の協力と支えを仰ぎながら知的障害者福祉推進のために努力していく所存です。

平成21年度は新体制へ移行し新しい形で進める事になりました。職員も8名増員され、勤務体制や支援内容も変わります。一つの例を挙げますと、宿直体制が変わり、夜勤体制になります。

新体系での鷹取学園での日中活動は生活介護サービスを行う事となり、住まいの場については施設入所支援サービスの形をとります。 入所者に関しましても、73名中1名が障害程度区分3という結果が出ていますが、これも次回の障害程度区分調査時には判定基準が変更になるとの話が出ていますので、もう一度きちんとした調査をしてもらい、全員が当園の生活を継続できるようになればと願っています。

今後とも保護者の皆様と共に入所者の安全安心の生活を守って行く事が出来ますように願っています。

 

2、平成21年度の運営方針

 

平成20年度の10月に、鷹取学園は旧体制から障害者自立支援法に基づく新体系へ移行していく予定でしたが、市町村の実施した障害程度区分調査に時間がかかり、平成21年の41日から新体系に移行することになりました。

障害程度区分調査の結果から、日中活動の生活介護といっても区分は11区分に分かれていますので、@生活介護の区分は生活介護サービス費のTから]T区分の中のV区分でスタートします。A生活の場では、施設入所サービス費区分Tから]T区分の中のT区分でスタートする事になりました。

支援内容は、日中活動の生活介護の内容に関しては、平成20年度までにやって来た各8つの作業・訓練班の形をそのまま存続して行きます。

重度、最重度の知的障害のハンディを持った一人一人に対して、本人に適合した支援内容で自立に向けて明るく楽しく充実した学園生活が送れるように力を注いで行けるように体制を作っていくように計画しています。 生活の場については施設入所支援という形になりますが、旧体制では3人の宿直勤務体制でよかったことが、新体制では4人の夜勤勤務体制となります。

日中活動の@生活介護においての生活介護サービス費区分Vでは、支援員の数が平成20年度の21名から、定数配置としてサービス管理責任者の2名を除いて30名となり、平成21年から支援員が8名増えることになります。実際には園芸班の非常勤職員の2名と洗濯担当の非常勤職員2名を含め、常勤換算では32名の職員数になっています。

入所者の平均年齢は45歳位に達しています。重度知的障害者は加齢化が早いと言われますので、この点にも充分に配慮しながら、設備の改善、生活環境の改善、生活の質の改善というように、支援・介助・処遇の質的向上に努めていきたいと思っています。具体的には、快適な生活環境作り、作業・訓練等の充実、各種行事の開催、健康管理、食生活の改善といった平成20年度まで実施してきた学園生活の充実を更に向上できるように努力していく方針です。

 

 

3、平成21年度事業計画()

 

1)行事に関して

    大きな行事のみを抜粋

   1〉第29回学園祭   第29回運動会  

29回親子日帰り旅行  第29回餅搗き大会  第29回クリスマス会  その他

 

 2)建物等に関して

   1〉浄化槽(小)の配電盤の塗装について

 平成18年度から予定しましたが、配電盤に錆が来ている状態にあり、塗装工事の必要

 があります。

 

2〉フラワーホームの照明器具の取替え工事

夜間フラワーホームに行くと、フラワーホーム全体の照明が暗く感じられますので、照明器具の交換を計画しています。

 

3〉廊下等のPタイル修理について

   本来Pタイルはワックス掛けを行いますが、入所者が掃除をする場合に、水拭きしか

できません。ワックス掛けが難しいために、今後も水拭きという方法を継続していく

しか仕方ありません。水拭きをすると、どうしてもPタイルが浮き上がり破損してし

まいます。平成21年度も破損したPタイルは交換の必要があります。

 

  4〉軽作業U棟の屋根の塗装工事について

軽作業U棟の屋根のセッパンが古くなり、塗装をやり直す状態に来ています。この箇所も塗り替え工事を予定しています。

 

5〉作業棟(陶芸班・アロエ班)棟のトイレ壁工事

作業棟のトイレの壁がはがれており、やり替える状態になっています。

 

6〉風呂場の改修工事について

    風呂場の浴槽が深く、入る時の浴槽の壁が高くなっており使用しにくい状態です。介助の場所も手狭になり改築の必要があります。また、男女風呂場の壁も汚くなっており、塗装工事が必要となっています。 

 

7〉食堂窓への網戸取り付け工事

    現在、食堂周囲の引き戸部分には網戸がはまっていません。開園当初に入所者が全て破損させてしまい、やりかえてもまた壊すといったことで、しばらくの間は網戸を考えないという事で現在まで来ました。しかし、そろそろ取り付けても大丈夫と思われます。保健所の立ち入りの際に一度だけでしたが、食堂周囲の網戸を指摘されたことがありましたが、理由を話すとその時は理解して頂き現在に至っています。

 

 

4、購入物品、修理品、その他に関して

1〉パソコン購入について

   新体制となり、日中活動を行う生活介護は作業・訓練場で行います。職員が8名増えましたので8台のノートブック型パソコンが良いと思われます。 8台のノートブック型パソコンで無線ランを使用したものであれば、各作業班に移動できるますので、生活介護サービスにおいて、個別支援経過のチェックなどを作業現場で処理できます。

 

2AED(除細動器)の購入

    学校関係、公共施設においては何処でも、AED(除細動器)の配置が多くなっています。当園でも体の弱い対象者が多いので準備しておいたほうが良いと考えられます。

  

 

 

5、維持管理、その他

    ○維持管理

1〉ボイラー缶内の清掃

本館機械室、フラワーホームの暖房ボイラーを平成13年度の終わりに新規入れ替えました。平成14151617年度は必要なかったのですが、18年度の2月にフラワーホームのボイラーのみ、掃除を行いました。平成20年度は本館機械室のボイラー掃除を実施しなければならないと計画しています。併せて煙突掃除を行う予定です。

 

6、園内の環境整備

1〉各ホームの入り口を飾る。

      園生居住棟のプロ野球ホーム(男子棟)、ディズニーホーム(女子棟)、フラワーホーム(重度棟)に、各ホームの特色を持たせるために、ホーム毎の入口や廊下の壁等に装飾を施す。

 

7、学園周辺の環境整備に関する事

     学園周囲の環境については、1年中、いつでも花が途切れる事なく咲いているといった環境整備を考えています。園芸班が育苗したものを、各ホームで植えつけ、管理を行っていくといった方法で進める予定です。また、樹木に関しては、外部のプロに依頼して園庭整備を進めていく予定です。

 

8、その他継続懸案事項                 

〈1〉居室改装(バリアフリー構造)の件

高齢化に対しての、居住空間の改善ということでは、部屋が狭すぎるといった事が考えられます。現在は和室であるため、床と上がりがまちの間に段差があり、高齢化を考えれば床はフラットで、汚れた場合に手早く掃除できる等、衛生的且つ安全に活用できる、介護しやすい居室の改装が今後必要になるとかんがえられます。

 

  2〉夜勤者控室の改装工事

    平成20年度まで使用していました宿直室(プロ野球ホーム・ディズニーホームの宿直室)を改装して夜勤者控室とする。

        宿直勤務が夜勤となり、職員の宿泊が3名から4名になりますので、現在のプロ野球とディズニーホームの2ヶ所の宿直室を改造して2人の職員がおれる場所にした方が良いと思われます。現状の4畳半の部屋を改装し、カウンターまでの広さに拡張した9畳の部屋にするといった方法が考えられます。

    この部屋は、ホーム毎に開催するホーム会議にも活用する予定です。

 

   3〉浄化槽の改修について

    浄化槽全体の問題として、設備、機械等が全体的に古くなったこと、二箇所に分かれての管理がなされていることなどから、浄化槽全体についての改修工事を行った方が良いと思われます。

 

  〈4〉個室増築計画

    インフルエンザの流行時にどうしても隔離しなければならない対象者が出たが、医務室だけでは足りず、隔離のために自宅に帰すという方法を取らざるを得なかった。

風邪の件でもそのような状態であり、現在でも精神科にかかっていて、他人に迷惑をかけるために1 室を使用させなければ生活できない人がいる。更にこれからの高齢化を考えると更に個室の必要性が高くなると思われる。最低10室は増築の必要があると考えられる。

 

5〉食堂屋根のセッパン屋根の修理

  食堂の屋根のセッパンが古くなり、部分的に穴があいています。もう少しすると全体が腐食して行くと思われます。この部分の改修工事が必要です。

 

6〉軽作業棟1のセッパン屋根の修理

 軽作業棟1の屋根のセッパンが古くなり、部分的に穴があいています。もう少しすると全体が腐食して行くと思われます。この部分の改修工事が必要です。

 

7H23頃には本館、居住棟屋根の防水塗装工事が必要

  屋根の防水工事を10年くらい前に行いましたが、その後の状態を見ていますと、塗装    がかなり落ちています。業者にみて貰いましたところ、平成23年頃にはやりかえを計    画していた方が良いとの事です。工事は雨漏りが始まる前に実施する必要があります。

 

8〉学園周囲のフェンス工事

     学園周囲に張り巡らしてあるフェンスネットが古くなり、園生が破って出て行ける様

な状態になっています。また外部からの侵入者防止のためには是非、張替えが必要と

もいえます。(学園の西側部分は新しく張り替えていますので、その他の場所の張り

替えが必要になっています。)

9〉火災報知器の改修工事

    27年間使い続けた火災報知器がかなり古くなってきました。現在は未だ故障は来ていませんが改修工事の予定をしなければならない時期に来たかと思われます。

  

10〉スプリンクラーの設置

  消防法が平成18年度に改正になり、学園の建物に対してはスプリンクラーを設置しなければならなくなりました。かなりの費用が掛かるために直ぐには実現できませんが、設置の方向で進めなければなりません。だだし、現在の社会情勢においては、スプリンクラー設置に対する国からの補助金は望めない状況です。

  

11〉生ゴミ処理機の購入検討

厨房から毎日生ゴミが出ますが、この分を処理するために現在までは、水切りをして

ビニール袋につめて、ゴミ回収日に出していますが、生ゴミを荒らす烏や犬類の動物

の食い荒らし等に木を配りながら、回収当日にゴミ出しをしています。しかし、環境

問題を含め、学園内で処理できる方法として生ゴミ処理機を購入し、処理したものは

園芸班等で活用したいと考えております。

 

12〉医務室内の保護室への監視カメラ設置について

精神的な不安定で他園生に迷惑を掛ける状態になった人を落ち着かせるための部屋を準備しておりますが、現在は部屋の中にいる本人の状態を把握するために、その都度部屋を開けて確認しなければなりません。確認のために部屋を開けることで、マイナスになることがあります。この部屋を使用する対象者に対し、適切な判断と適切な対応を行うために、職員のみが確認できるタイプの監視カメラを設置する必要があります。

 

 

9、平成21年度職員研修計画

      新体系に移行するために、平成211月に1名の支援員を採用し、平成21年の4月から7名の支援員を採用します。

重度、最重度知的障害をもった入所者に対し、充実した支援を提供するためには出来るだけ多くの職員に対し、研修の機会を沢山持ち質的な向上を図りたいと考えています。 

    新体制に移行した後も、更なる改革が進められると思われます。時代の流れに対応できるように、また専門性を高める理由からも、各関係機関の開催する研修会や教育行事等に積極的に参加させ、職員一人ひとりの質の向上をはかり、学園としての社会的立場から、知的障害者福祉分野から社会福祉全体に対して、福祉向上のための一石を投じる事が出来るような存在施設であるように努めて行きたいと思います。

 

    研修内容

    1〕福岡県社会福祉協議会主催による各種研修会

    2〕全国社会福祉協議会および異種開催の各種研修会並びに通信教育及び資格認定講習会    等

    3〕全国知的障害者福祉協会主催による、各種研修会等。

    4〕社会福祉関係機関より案内を受けた各種研修会のうちで、内容を検討し、当園に必要と思われる内容を取捨選択し参加。

    5〕海外研修

        国及び各福祉諸団体が主催する海外研修に参加させる機会を与え、知的障害者福祉の増進につとめる。また、当面する加齢化、高齢化する内容に対応できるように備える。

  6〕その他

 

10、職員の健康管理

    職員の健康管理については、年2回実施予定。法定健康診断においては、年齢が35歳以上に当たる職員については、成人病検診の内容までを対象とします。

    検診の結果、少しでも異常の出た人には、日常からの健康管理に留意し対応する。

場合によっては、保健婦指導を受けさせ、治療に当たらせ、健康管理に努めたい。