平成20年度鷹取学園 支援計画書

                                 

                                                           鷹 取 学 園

はじめに

当園も平成21年度を目途に新体制に移行する方向で、平成18年度から動いていましたが、平成19年度の半ばで、急遽新体制への移行は平成20年の10月を目途に実施する運びに変更されました。平成19年度の後半に保護者に対し、当園の移行対象事業を@生活介護とA施設入所の二つにすることの説明をし、平成20年の23月にかけて保護者に対する移行時の障害者程度区分項目に対する説明を行い。平成204月より18の福祉事務所に移行に関する通知文書を提出し、4月から本調査に入ってもらうことになり、支援の内容も日中と夜間の2区分に別れることになる予定です。

勿論、平成20年の10月までは現在の支援費で運営をしていくわけですので、平成19年度の支援体制の形で計画を立てていかなければなりません。しかし、平成20年の10月からの支援体制は、障害者自立支援法下での職員勤務体制となるため、障害程度区分の決定結果と照らし合わせながら具体的な内容に組み返していかざるを得ない年度になると思われます。

しかし、いずれにしても今まで実施してきた支援内容が根底から変わってしまうわけではないため、平成19年度の支援体制の続行と考えての平成20年度の支援内容を計画していく予定です。

当園のように重度、最重度の知的障害を持って生きていく人達に対しての福祉サービスは、どのような体制になろうと入所者一人一人が将来に向かって安心して、明るく、楽しく、快適に過ごせる生活の場所を確保し、入所者の生活を守っていくという方針は新体制になろうとも変わることは無いのですから。

平成19年度も医療に対する保護者と学園との理解のズレは(保護者の立場は今までどおり、入院後の付き添いにおいても支援員が付き添い世話をしてくれるものと思われる方が、まだ多くおられました。学園の立場としては、入院するまでの付き添い支援及び入院後の様子伺いに関しては実施するものの、入院した翌日からは、学園には12880円のお金が8日間のみ入るものの、その後の収入は入らない仕組みであるため、後は保護者に任せざるを得ない)、なかなか埋まらないというのが実態です。

現在の状態でよければ、それを受け入れればよいのでしょうが、そうでなければ保護者の皆様方が自らが行政に対し、要望して現実克服をしなければ、全く変わらないと思われます。

これからは更に重度、最重度知的障害の上に、加齢化による医療問題が一人ひとりに追加された形になり、その対応に追われる様になる事は目に見えています。

当園の入所者に対する高齢化対策は、現状の介護保険制度で進められている対応策では恐らく不可能であると推測できます。更なる次の段階での問題点として現れてくると考えられるところです。

他の障害者の場合は、障害をもった当事者が発言するところでしょうが、重度、最重度知的障害者の場合は、本人達ではできません。今日に至っては、家族が本音を語らなければならないと考えられます。

繰り返しますが、長い知的障害福祉の歴史の中で他の障害者の立場と全く違う部分としては、当の本人達が自分たちの意思をはっきりと全面に出せないという大きなハンディを持っています。

実際には、家族といっても本人の意思を100%代弁することはできないのでしょうが、それでも家族の立場からの判断と考え方が形として現れることで、今とは違った状態に変化するものと思えます。勿論、本人の立場に立てない限り、本当に本人たちが望むことを形にすることは難しいことでしょうが、全く理解できない人達とは違った結果が出ることと思われます。

平成20年度も、重度、最重度の知的障害をもった人達への支援をしていく立場から、個人個人の障害に対してよりよき人生につなげる内容の支援が出来るように計画を立てて行きたいと考えております。

 

平成19年度も当園が手がけてきた、ノーマライゼィションの考えに基づいた、昼の「作業・訓練域」と夜の「生活域」を区分し、3つの生活棟をユニット型で運営したわけですが、新体制へ移行する中で、今後はもっと具体的に新体制に基づいた職員の人員配置によって、今までより更に一般家庭に近い環境に近づけるようにして行きたいものです。 

精神的な安定につながる作業・訓練を提供し、それが個人の生きがいにつながるようになり、重度、最重度の知的障害者には難しいといわれています自主性とか自発性といった積極的行動につながるように支援して行きたいと思っています。

当園の平成2010月からの@生活介護とA施設入所という支援内容が年度の初めの計画内容で継続した形で進められるように努めたいと思っております。

 

平成20年度 支援方針

【日中活動支援(作業・訓練)=生活介護 と 居住(生活)支援=施設入所 に関して】

 

《1》      日中活動支援(作業・訓練) = 生活介護について

班のあり方について8班を設定する。@アロエ班、A園芸班、B陶芸班、C染色班、D和紙班、E手工芸班、Fピンチホルダー班、G機能回復訓練班の8班構成とする。

入所者の作業・訓練の能力面に視点をおき、できる部分については能力低下させないこと、幾分かでも向上していくように支援し、日中活動が本人たちの生きがいにつながり、社会の中で本人たちの作った作品が一般社会に対する媒体となり、少しでも社会の中で役立っていることを知り、社会参加につながることを願って支援を進めて行きたい。

 

《2》      居住(生活)支援について = 施設入所

居住(生活の場)支援については、入所者が安心して生活していく場を確保し、本人の精神安定を保てるような対人関係を作り、一人の大人として生活して行くことが出来るような支援に努めたいと思います。

長期学園生活を行うといった視点から、部屋の作りが二人部屋の人、三人部屋の人、四人部屋の人となっているために慎重に人間関係を考えて編成していく予定です。 

施設という限定された生活空間域の中でも、一般家庭的な生活に近い感じに少しでも近づけて行く様に努力していきます。

支援(処遇)内容に関しては新体制に向けて更なる見直しを行い、施設生活の質的向上を図っていくところです。

居住している生活空間がいつも新鮮に感じられるような環境変化につとめ、それに順応して生活変化に馴染めるように方向付けをして行きたいところです。

 

 

《3》      学園での生活記録及び各家庭への個人情報の開示について

平成4年より処遇現場にパソコンを導入し、日誌記録をパソコンデータとして活用し始めて、満16年が経過しました。一人一人の学園での生活状況が詳しく記録されています。インターネットを利用していただければ、各個人毎の学園における生活の様子が、家庭において確認できるようになっています。開かれた情報の提供ができるようになっています。もし他の入所者の名前が日誌に載る場合には、その人の個人情報を守る為に、名前の部分は黒で塗りつぶされています。インターネットを活用しての各家庭への個人情報を提供するようになった当時は、3家族が活用されていましたが、現在では15軒の家族がインターネットを利用して、家族の学園生活の様子を把握されるようになっています。勿論、個人情報であるため家族だけにしか分からないようなシステムとなっており、個人のプライバシーは絶対に守るという事から、セキュリティに関しましては十二分に配慮しているところであります。保護者の皆様からの反応は、「家族に取りましては、大いに安心できる」と喜ばれています。 

パソコンを通して、デジタルカメラのデータは送信できますが、将来的にはデジタルビデオの映像や、またはCD−ROMに保存されているデータなどがありますので、必要に応じて、これをご家庭に情報提供できるようになればと願っています。記録画面の活用、入所者の声等の記録がインターネット上で簡単にお届けできるようになれば、個人ごとの楽しい学園生活をお伝えできると考えております。これからの課題となっています。

 

 

1、日中活動(作業・訓練)支援 = 生活介護 に関して

平成20年度も平成19年度からやって来た日中活動(作業・訓練)支援の方法に基づき、重度、最重度の知的障害であっても、個人個人の持てる能力に応じた、日中活動支援に努めます。作業能力が幾分でも高い人達には、社会に対し少しでも本人のもてる能力をフルに発揮できるように仕向けてやる方向で進め、できうる限りにおいて社会参加できるように進めます。 

作業班の形としては、作業指導・機能回復作業指導の2区分体制の考えで進めて行きます。

 

  作業指導部  ‥‥‥‥‥    作業指導班(@アロエ、A園芸、B陶芸)

機能回復作業指導部 ‥‥    軽作業班(C染色、D和紙、E手工芸)

                  ‥‥   機能回復作業指導班(FピンチホルダーG機能回復指導班)

 

作業・訓練班編成においては、作業能力及び各人のもつ精神的、身体的ハンディキャップ等を充分考

慮します。

作業能力の低い人と作業能力の高い人が混合で作業を行った場合は、職員の手が作業能力の低い人達の方に時間を取られてしまうため、作業能力のあるグループの人達の足引っ張りとなり、仕事が進まなかったという過去の経緯から、このような状態に陥らないように充分に配慮して進めるようにしています。 また、逆の形の場合もあり、幾分、作業能力の高いグループの中にあって、作業内容が変更になった時に、その作業に付いて行けなくなるような場合が生じる時には、その対象者が、グループ活動の内容から能力的に押しつぶされてしまわないように充分配慮していきます。

本人の能力と障害に配慮した仕事内容を無理なく提供し、自信を持ち、作業に対する充実感と満足感を味わう事ができるようになることを目標にして進めます。

能力に応じた機会均等の作業・訓練を支援することにより一人一人の自立領域が少しでも伸展するように進めていくように努めます。

平成20年度の各班の支援計画(目標)及び個人の支援目標を設定するに当たり、前年19年度の作業・訓練結果を考察しつつ、年度ごとの成果の推移を比較検討しながら、平成20年度の計画を(目標設定を)立て、実現できるように進めていく予定です。

しかし、機能回復訓練班のように数値で目標を現すことの困難な班もあります。生活支援においては目標項目を絞り、月別チェック表の纏めにより回数や年間トータルの変化を把握しながら、前年度比較において内容の変化を把握し、段階的に目標基準を上げて行き、可能な限り数値表示で表現できるような方法で変化を把握し、その資料に基づいて具体的な形で、段階的に実現できているのかを確認しながら、少しでも向上できるように進めていきます。

数値に置き換える事の出来ない難しいケースについても、前年度実施内容と比較することにおいて支援内容の推移を追えば、園生(入所者 )のさまざまな変化を掴むことが出来ますので、少しでも可能な限り生活の質を高める事が出来るように努力したいところです。

具体的な形としては、前述したように平成19年度同様に、作業・訓練の内容を【1】作業指導(支援)部と【2】機能回復作業指導(支援)部の二つに分類して進める事とします。

更に、この二つに分類した区分を細分化し、8つの班として各班が特色を持った班活動を稼動させていくという方法で進める計画です。詳しい説明は下記の説明となります。

 

【1】作業指導(支援)部

作業指導班を3班設けます。作業指導班は当学園にあって、作業能力的には幾分程度の高い人達のグループとし、金銭的な目標数値を一般社会並みにこだわるようなことではなく、材料費等に支出した金額と収入として上がる金額の収支のバランスに赤が生じないことを目標に進めていますが、全班活動の収支決算においては、支出が大きく、何もしないほうがお金は要らないという結果です。しかし、入所者にとっては自分たちの力で何とか作品を作ることに携わっているという感じを持っており、やりがいに繋がり精神的な満足感を持って生活しているので、毎年34百万程度の訓練教材費的な支出を当初から予算に計上している事になります。

各班そのものが年間に努力した結果と、各班における園生(入所者)が個人的に何を何個作ったかといった経過を把握し、完成した作品や未完成の作品の数値の変化に目を向け、本人たちが自覚できるような確認方法があればその方法を採用し、個人個人の意欲向上につながるように心がけて進めることにしています。

能力以上の無理なことは、精神的に混乱を起こさせるため、パニック状態に至るような方法は出来る限り採らないよう充分に注意して行くつもりです。当初出発した時点よりも少しでも向上させることができるよう進めたいと思います。作業指導(支援)班の内容としては@園芸、Aアロエ、B陶芸3がこれに当たります。

 

【2】機能回復作業指導部 

機能回復作業指導部は細区分として軽作業と機能回復指導の2つに区分します。

これらの班の存在意義は、始めから金銭的数値目標の対象となる班ではなく、当初より情緒安定や集団生活への適応が可能になること、欲を言えば本人の生きがい等につながるようになればよいといった点を主眼に置いて作り上げて来た班です。

個人個人が少しでも自立に向かうように、良い方向に変化して行くか悪くても現状を維持できるようにしていく事が目標であります。

指導・訓練する職員がどのような具体的な目標を定め、数値目標としてたてることが出来るのかといった点が課題であると思われます。この課題は大変難しいと思われますが、対象となる入所者の変化の状態を記録として残す事ができるならば、重度、最重度といわれる知的障害を持った人に対する支援のあり方に光が見えるといえます。具体的な方法論を考え出していく事が、職員自体の大きな仕事となり、もっとも重い知的障害を持った人達への処遇技術として、また結果としては重度、最重度の知的障害を持つ人達の人生そのものを支える方法として大きく役立ち進歩して行くといった可能性を秘める大変貴重な分野であるといえます。

軽作業C染色、D和紙、E手工芸の三班です。機能回復指導Fピンチホルダー班とG機能回復指導班に分かれています。

 

班にはそれぞれの特徴があり、特にD和紙班は自閉症、精神分裂、興奮型の性格といった精神保健的問題を抱えた人達が多く、先ずはパニックを抑えることを目標に、精神の安定を目指すことが基本になっています。 次に日常生活をしていく上で、常時、情緒の安定を保持できるようにしていくことを目標におき、進めていますが、特にこの班は精神科医療との兼ね合いが強く、平成1911月より嘱託医の糸井孝吉先生の後任に来られた鳥巣美穂先生の精神科治療が並行していなければ難しいところです。その様な対象の人達が所属する班が他にもあります。

機能回復指導班は当園の中でも、特に最重度の知的障害をもった人達の班であり、健康維持と生活支援全般にわたって支援していくという社会福祉体制の中でも大変重要な意味を持ち、一人ひとりの人生を預かり、生活を管理していかなければならないという当園のなかでも特殊な班といえます。

学園生活をいかに旨く維持・継続して行くための支援を行っていけるかという使命を持って設けられている班です。

 

 

◎◎◎◎

2、各3ホーム(生活棟)に関して

〔昭和56年開園からの重度の入所者に対する支援内容〕

平成7年度より、ノーマライゼイションの考え方を生かし、各棟・各部屋を番号呼称ではなく名称で呼ぶ方法で進めてきました。

平均IQ20で最重度といわれる知的障害を持っている入所者の、施設での集団生活を振り返ってみると、開設当初は多くの問題点を抱えていた対象者も、施錠のない自由な生活空間の中で、のびのびと生活してきた過去27年間の施設生活経験で、それぞれがそれなりに学園生活を上手に送れるようになりました。

18年に障害者自立支援法がスターとしましたが、平成19年度の当園の知的障害の区分は76名中、支援費制度においては73名がA判定と認定され、残りの2名がB判定ということです。(平成18年度の初めは、70名がA、5名がB判定であったが、福祉事務所に再判定を依頼した結果、前述の内容となった)。

最重度の知的障害をもち、どちらかというと重症心身障害者施設対象かそれに匹敵する入所者が、一般的な建物で、一般的な知的障害者施設の運営形態(職員数に関しても4.31の基本型)で、27年間生活できて来たということが、どんなに大変なことかということについては、知的障害者入所施設の経験者であれば幾分かはご理解していただけるところと思います。しかし、一般の方で、福祉等に関係の無い方にはピンと来ないかも知れませんが‥‥

重度の知的障害を持ったお子さんの保護者の方々が沢山見学に来られ、重度知的障害児・者の処遇方法に対し、現実の証として「夢」と「希望」を持って帰られた方々の姿に励まされ、これから先も頑張って行こうと思います。また、これから先も、このような支援内容を提供できる施設であることを誇りに思い頑張るつもりです。

鷹取学園がやってきたこの実績は、ノーマライゼイションの考え方を基本に置いた支援のあり方として、具体的運営として生かしてきた結果です。 今後とも社会に啓蒙して行くことが学園に与えられた使命で在るとも考えられます。重度、最重度の知的障害を持った本人と家族の人達が、人生に対して少しでも希望を持ち、前向きに生きようとする考えに気づかれることは何よりも大きな仕事であると思っています。

当園の取り組んで来た活動を今後とも社会に向けて啓蒙し、他の知的障害者福祉の現場でも生かされるようになれば、重度、最重度の知的障害者の受け入れを敬遠されて来たところも違った目で見てもらえるようになれば、重度知的障害を持った人達に対する支援の目が多く注がれるようになり、また多くの受け入れ場所ができることを期待したいと思います。

 

〔ホーム運営について〕

ホーム運営の説明としては、ホーム長統括が一人いて、その下に各ホーム毎に1名のホーム長が置かれている。各ホームはミニホーム単位に細分して運営される。ミニホームは2クラスか、3クラスでもって相互に協力しながら自分たちのミニホーム運営を進める。

また、平成15年度からは、各個人が自分の部屋といった感覚を持てるように、今までよりさらに精神的な安定が図られる環境設定をした方が良いとの考えの基に、各ホームの人間関係とホームの環境整備に力を入れホーム編成を行いました。平成20年度も19年度同様に、さらに落ち着いた生活環境を作る計画で施設内での対人関係を再度調査し、同室者はお互いに気の許しあえる相手を選んでやるように心がけたいと思います。

 

〈過去の説明〉

(施設であるため、生活の場と作業訓練の場の切り離し感覚がなかなか出来ませんでしたが、平成8年度までに、日中の作業・訓練時間帯には各ホームには戻らないという、一般の社会感覚が日中の生活形態として徹底され全体的に習慣づき、学園における生活帯にメリハリがついたといえます。この成果は、大きな成果と思います。平成20年度もこの方法で進めていく方針です。

 〔注〕平成6年度まで、午前の作業後に、作業服を居室で平服に着替え、食堂に来て昼食を取るという方法をとっていました。平成7年度からは一般社会で取っているような会社勤めの人と同様に、日中は仕事着(作業着)のまま、昼食を取るという様にしてみました。)

施設の敷地内にホームの建物(生活棟)と、作業棟及び訓練棟があるという設定は変え様がないのですが、作業時間に使う建物と生活面で使う建物を区分して利用するという方法は、大変よい結果を得たといえます。

 

〈重度の知的障害を持つ人達の地域福祉について〉

最近になり、日本の知的障害者福祉施策として、ようやくグループホームを具体的に増やしていこうという動きが現れています。

日本では、中軽度の人達を対象に進められていますが、福祉先進国と呼ばれる国々では、ノーマライゼイションという考え方に基づき、例え重度の知的障害者といえども中軽度者と同様に町中で生活している姿は当たり前になり、現在では一時期に騒がれたようなノーマライゼイションという言葉さえも使われなくなって、それが当たり前になっています。

しかし、現在の日本における知的障害者福祉のあり方で、重度の知的障害を持った人たちを、地域のグループホームで生活させるなどは自殺行為に等しいといえます。

考え方としては、世界の福祉の流れに対応したような話が出て来ますものの、その裏づけとなる社会福祉体制に関しては、ほとんど福祉現場の実体を把握できていないというのが実態です。 にも拘らず、形だけが先行しているといった無責任な在り方でしか進んでいません。

社会福祉の進歩の形としては、確かに少数対象型の運営傾向を辿ることになると思われますが、それには、障害者個々人に対する地域支援の具体的プランが立てられなければなりません。

個人ごとの支援(処遇)目標に沿った支援(処遇)内容が考えられるといったシステムが必要です。

形の上では、社会福祉先進諸国といわれる国が辿った道を追随しているように思われますが、その内容には日本の知的障害者福祉はほど遠いものを感じます。

当園の目指してきた方向も同じ様なものですが、現在の段階では支援費制度から障害者自立支援法で説明されて来た流れに、今から更に理想とする形へ変化していかなければなりません。

ただ、現在の障害者自立支援法のあり方では、極端な言い方かもしれませんが、鷹取学園の園生の安全性を考えるならば、現在の施設のあり方のほうが、入所者の生きる手立てとしてはより安心でいられるといえます。充分な社会福祉体制の確立をみなければ、重度の対象者にとっては施設有用論を支持することしか出来ません。

平成20年度に新体制に移行予定ですが、夜間体制としては施設入所の形を選択し運営する予定です。施設ではありますが、「ホーム」という家庭に近づける状態への生活環境を確立していくことに重点を置き、日中支援といわれる作業(仕事)の場である指導・訓練の場所=生活介護と夜間の生活の場とされる施設入所の領域をはっきりと理解できるように示し、入所者本人達の生きがいに繋がる様な学園生活の内容とし設備面を整え、各人の目標を設定し、その目標に沿った具体的方法で個人ごとの支援を進めていくように努めたいと思います。

 

 

1 作業・軽作業及び

             機能回復指導について

 

訓練形態に関する詳しい説明

作業・訓練の形態を〔T〕作業指導部〔U〕機能回復作業指導部というように2分化し、下記の様に進めることは上述の通りである。

更に〔T〕作業を3班(@農園芸班Aアロエ班B陶芸班)とし、〔U〕機能回復作業指導部を、1) 軽作業の3班(C染色班 D和紙班 E手工芸班)と、 機能回復指導の2班をFピンチホルダー班、G機能回復指導班に分けるという説明も上述したとおりです。

作業能力別、障害別、危険度等を配慮し班編成を行います。生活介護としての班活動は計8班で構成し、作業指導・生活訓練に当たります。

以下は指導部の概要を説明するものです。

 

〔T〕作業指導部4班(@農園芸班 Aアロエ班 B陶芸班)について

当園の中では、作業能力がそれなりにあると思われる園生を、能力に応じた作業訓練班に振り分け、各作業班の中で本人に適した作業場と持ち場に配属します。

入所者の作業能力は一人では多くの分野をこなしていくだけの能力に劣るため、理解力に欠け、応用力に欠ける事が多いわけです。そのため、作業工程を細かく区分し個人個人の持つ能力を絞り込み、作業工程の適所に配置します。この方法により班としての組織的構造化を可能ならしめ、自分達が製品を作っているという自信と実感を持つ事ができ、それが情緒の安定につながり、学園生活の充実につながるように導く計画です。

また、個人的な生きがいにつながるようになるために、個々人の持つ能力を充分に発揮させる事が出来る目標を設定します。

 

〔U〕機能回復作業指導部

1)    軽作業3班(C染色班 D和紙班 E手工芸班

2)    機能回復指導2班 Fピンチホルダー班 G機能回復指導班の詳細説明は以下のようになります。

 

1)軽作業3班(C染色班 D和紙班 E手工芸班

軽作業班の対象者は、作業班に所属するには、体力的に作業能力的には難しく、不適と解されるメンバーで構成されます。精神障害、身体障害、行動障害といった面等を配慮してグループ設定を行い作業指導にあたる。

重度知的障害を持つ園生の作業能力は、一人では多くの分野に関する理解度が著しく落ち、また、応用力に欠けるのが特徴ですので、できる限り作業工程を細かく区分し、個人個人の持つ能力を選別し、適材適所に配置し、作業工程を設定し、本人達の自信養成につながるような作業の流れを作ることを工夫します。

 

2)機能回復指導2班について

Fピンチホルダー班、G機能回復指導班については、当園の中では知的障害としては最も重い最重度者のグループで構成されています。

情緒面の安定を図ることが大きな柱となり、生活面の自立に対する介護・支援を行います。

基礎体力の維持及び向上に努めます。健康管理についても充分なケアを図る方針で進めます。

 

 

2、作業指導部3班の説明

以下、作業指導部に所属する各班の内容説明を行う。

 

@農園芸班(職員3名〈男2 女1〉、パートの女子職員2)(園生9名〈男9名〉)

平成1810月に農耕班と園芸班を合体し農園芸班とする。過去の経過としましては平成11年度より、ビニールハウス内での切り花栽培に特に力を入れるようになり、平成13年度からは、経営内容を拡大化し、収益の上がる花ものの栽培を行いました。一年目で収益は増えたものの、生産費が膨大し収入とのバランスにおいて、仕事はしたものの、結果としては収益にはつながりませんでした。平成14年度は切花栽培物を追加し、平成15年度にはようやく今までの努力が見え始めた年となりました。平成17年度も平成16年度同様に花苗作りを中心に、鉢花栽培を行いました。平成16年度の経過から見て切花に力を入れていたものを、平成17年度は苗ものを中心に栽培を進めていきました。花苗については、地域生産者として同業者から一応認められる存在に至りました。

鉢植えに関しては、園生が作業に慣れたせいと、パートの職員が平成15年度から入るようになったので、数量を増やして行けるようになりました。

切花栽培に関しては、平成12年度に大型の鉄骨ビニールハウスを建て栽培準備に当たり、平成13年度はトルコ桔梗を中心に栽培を行いました。平成14年度はシクラメンの栽培も加えました。平成15年度から一般花卉生産者に近い栽培方法を取り入れ、少しでも園生の能力を前年にも増して発揮できるように計画したことを平成17年度にも継続し19年度まで続けてきました。

 その他、学園の周囲にある花壇に花を提供するための苗栽培を行い環境整備に当たったり、他班にも花苗を提供し、環境整備の一端を担って貰えるように進めて行きたいと思います。

園内の花壇管理を班で行うことにより、作業意識を持たせ、共同作業を可能に導くといったことに結び付けていく計画です。

この班の所属園生は、癲癇発作のある人・行動の鈍い人・分裂症を持った人と多様であり、作業に余り関心を示さない人達であったのが、平成16年度にはそれなりの分担を担う様になりました。

作業内容は理解しやすい鉢やポットといった、小さくて狭い鉢物等に限定してやってきましたので、今後とも判断しやすい作業内容を提供するという方法で取り組んで行く予定です。

少しずつではありますが、作業に対する意識が芽生え、単純作業に関しては板について来ました。平成18年度は園芸班としての作業工程が形作られ、1人でも不在となれば作業効率に支障を生じるといったところまでなり、平成19年度も少しずつ進歩していますので平成20年度も更なる進歩を期待しています。

1819年度は花作りだけではなく、野菜苗や胡瓜等の野菜栽培も手がけ、それなりの成果があがって、消費者の皆様方からも次期品物に期待を掛けてもらえるようになって来ました。

花、野菜栽培に対して充分に興味をもたせ、平成20年度はイオンモールでの販売を今以上に延ばし、生産に携わる園生が花苗、野菜類作りを通して、より多く社会参加できて満足感が持てるようにつなげて行きたいと計画しています。

 

Aアロエ班 (職員2名〈男1、女1〉)  (園生6名〈男3名、女3名〉)

アロエ栽培(ハウス管理も含む)と、アロエ葉を収穫する事から、加工段階までがアロエ班の作業です。この班は、食品を加工する班であるため、衛生面に気をつけなければならない班であり、所属する園生の選抜もその様な対象者を選ばなければなりません。重度の知的障害をもっていても衛生的な面できちんと指示に従える対象者です。

完成した製品は雑菌検査等を行い、食品であるために衛生面には細心の注意をはらい、品質の向上に努めて行きます。

できあがった製品の販路確保にも努力していく予定です。

販売という方法を取らずに、あくまで頒布といった方法で進めています。理由は栽培量の問題がありました。生産量が上がらないため、今後は量の増産も視野に入れ進めて行きたいと考えています。

平成19年度までの製品は、@100%アロエ粉末、Aアロエ乾燥葉、Bアロエウーロン茶の3種でしたが、年度の後半に原油価格が高騰し、輸入のウーロン茶が高くなったためアロエウーロン茶の生産を中止せざるを得ませんでした。平成20年度には、なかなか難しい課題ではありますが、キダチアロエを原料とした新しい製品作りの挑戦といった課題にも挑戦しなければならなくなりました。

平成20年度の目標の詳細は、アロエ班の年間計画書の中で説明をしています。

アロエ班の部屋の前にあるビニールハウス内で、平成4年より集め始めた世界のアロエ種の珍しい品種の鑑賞栽培をしています。アロエ班の作業内容説明すれば、@栽培、A収穫、B加工、C販売という事になります。

 

B陶芸班 (職員2名〈男1、女1〉)  (園生7名〈男4名、女3名〉)

この班を立ち上げた目的は、班に所属する対象者が、先ず共同作業には向きでない人達を対象とすることでした。 自分の力で何かに挑戦していくといった対象の園生を中心に出発した班でした。 現在では、かわらけ作りや干支の置物作り等で流れ作業的な共同作業が入っています。

その中でも作業分担をきちんと決め、自分の仕事としてやるべき内容の分担をはっきり決めており、自分のしている作業が何であるのかが把握できるようにしています。

作業としては製品作りに必要な各種の機具(機械ろくろ、電動ろくろ等)、道具(タタラーの使用、流し込み作業、その他の道具)を使用して、多種にわたる陶芸の作品製作を実施しています。

平成16年度の半ばから、磁器作品を加えるという事で専用の窯を設置し、干支の置物を作っています。平成18年度より、干支の置物の原型は学園の職員の手作りで進められています。平成19年度から本式に稼動し始めた磁器作品ですが、今後も新たな作品作りに努めて行きたい。なお、平成19年度で直方市商工会議所より大型注文のあっていました土器(かわらけ)作りは、多賀神社でのお祓いに使用するお神酒が、飲酒運転の対象となり、生産中止となったために平成20年度は製作中止となりました。平成20年度は、班園生の自由作品作りに挑戦して、今までに出来なかった作品に挑戦したいと考えています。干支は、「丑」であるため、平成19年度末より原型作りに取り掛かっていますので、平成20年度は干支の製作数に力を入れ、多くの作品を世に出したいと計画しています。

平成20年度も個人毎に目標ノルマを与え、メンバーの成長度を追って行く計画です。

 

 

3、機能回復作業指導部

機能回復作業指導部軽作業機能回復指導の二つに区分します。以下、各班の内容説明を行います。

 

軽作業(染色班、和紙班、手工芸班)

C染色班 

(職員2名〈男0、女2〉)(園生9名 〈男0、女9名〉)

化学染料を中心に自然の草や木を染色原料とした草木染めで布を染め作品作りをします。

手芸的要素を必要とするため、女子指導員2名で作業訓練に当たります。

この班の生い立ちは、女性の中で手工芸に対し興味を持っている人達を中心に始められた班であります。

現在、所属している園生は、癲癇発作のある人、動作緩慢な人、自閉的な傾向を持つ人、ダウン症の方が班の構成メンバーとなっています。ゆっくりとした作業状態ではありますが、自分の作業を自分のペースでこつこつと進めている状態で、作品数も多くは出来ません。

作品数は少ないですが、でき上がった刺し子、絞り染めの布は、職員と保護者の協力で製品化され販売しています。平成19年度は、ろうけつ染めに挑戦する予定でしたが出来ませんでした。平成20年は無理なく今までの作品をアレンジして新たな作品作りに挑戦して行きたいと思っています。

 

D和紙班(職員2名〈男1、女1〉)(園生11名〈男9名、女2名〉)

この班は、入所当初にはパニックを起こし、他害や自傷の激しい自閉症とか自閉的傾向と言われる人達、叉は精神障害を持っている人達、行動障害を持つ人達で構成されて作られた班でしたが、色々な作業内容に挑戦しながら現在までつながっている班です。時にパニックにより道具を壊されたり、材料の和紙原料をひっくり返されたりして思うように作業が進まない事もありますが、情緒安定のために牛乳パックを利用しての再製和紙づくりと空き缶潰しの作業を行っています。

手作りの和紙製作では、和紙ハガキ・和紙カード・和紙のランチョンマット、和紙張りの籠類等の作品作りに取り組んでいます。月単位に製品の質と生産量を把握しながら、班活動の動向を確認しながら進めています。

また、空き缶のリサイクルも兼ねアルミ缶潰し、ペットボトル潰しを作業に取り入れています。平成4年度迄は全く作業に関心の無かったメンバーが、この缶潰しの作業に関心を持ち、2人1組の作業形態で仕事を進めるようになっていますので、この対象者についても今後の変化を追っています。平成19年末は、班活動に積極的に取り組むようになった人もでて、問題行動の減少につながっているというのが班の成果としては評価される部分です。平成19年度の作業はダンボール箱の解体作業を加えています。平成20年度も成長につながった作業内容を更に進歩させたいと考えています。本人達が携わっている作業内容のチェックをすることで、個々人の作業成果が変化していく過程で、どのような進歩があり、どのように生産数量が変化して行くか、また、変化が良いほうに比例した形で表れてくるか等を把握する事で、この班の存在意義が深まるものと思っています。

 

E手工芸班(職員2名〈男1、女1〉)(園生11名〈男4名、女7名〉)

平成7年度より新たに設けられた班です。3つの作業班に所属するにはかなり無理になる対象者であり、反対に最重度に近い人達に比べると作業能力は持っているものの身体に障害があり動きづらいといった対象の人達であり、当園の中での作業班活動としては実際に彼等に適した内容とはどんなものが良いのか、どんな作業内容を構成していけば良いかと考えされられる難しい班といえます。対象者もさまざまなハンディを持った人達が集まった班です。

班の対象者は、癲癇発作を持った人、常同行為のひどい人、拘りのひどい人、興奮のある人、身体障害を持っている人などが所属しています。

木工製品でインテリア作品、木製の鉢カバー等の小型の作品作りに挑戦しています。

平成13年度に、ピンチホルダー班との合同形態で出発した班ですがが、途中よりタイルを使った鍋敷きとか、伝言パネル板等の小品物を作ってみました。

平成20年度も19年度の形を継承しインテリアの小物つくりや、なべ敷き等の木工作業、ビーズ通しによる作品作りに、他に何かを付け加えられる班になるように挑戦して行きたいと思っています。

 

機能回復指導

ピンチホルダー班と機能回復指導班

 

Fピンチホルダー班(職員2名〈男0、女2〉)(園生11名〈男4名、女7名〉)

重度の知的障害を持っていると同時に、身体的障害を重複している人達を対象に構成された班です。

平成13年度は木製のインテリア製品製作に挑戦してみましたが、結果としては新しい作業への取り組みで物珍しく新たな雰囲気で作業に参加できたという点では良かったのですが、メンバーが自発的に作業の流れに乗って行くということはできませんでした。 そこで平成14年度からは、洗濯バサミの組み立て作業に力を入れつつも、班メンバーの加齢化に配慮し、健康管理を重点にした日課に変わりました。作品作りはゆっくりとしたペースで行いました。平成15年度も平成16年度も、平成14年度の訓練内容と同じ方法で進めました。 数量の増産に力を注ぐと言うよりも、一人一人の作業分担の変化を追うと言う点に力を注ぎました。 工程毎に個人に合った補助具を考案し作成して行きながら、流れ作業に組み入れたものとして、上手く流れができるように工夫してきました。この方法は平成20年度も同じように採用して行く予定です。

補助具の考案により、一人一人の園生が自信を持って、更に自分の仕事を自覚し、意欲を持って参加できるような方法で取り組みたいところです。

 

G機能回復指導班(職員4名・男2、女2名)(園生10名・男6名、女4名)

当園で知的障害の程度としては、最重度のグループで構成されています。平均IQが10前後の対象者で、その上に重複障害を持っている対象者です。平成15年度に行われた厚生労働省の障害区分調査の内容からすれば、障害の重い点数でチェックしていけば、50点満点の50点という人とか、その点数に近い最重度の人たちの班で構成されています。

そのような意味合いから察しますと、この班は全国でも珍しい班活動をしているといえると思います。

作業・訓練というより健康管理、健康維持が班の基本となり、ADL訓練(身辺自立訓練)等を行っています。 年齢的なことからすれば、訓練というよりもゆっくりとした時間の中で介護的な支援になって来た対象者もいます。

日課に園内外の歩行訓練を組み込み、体力の低下防止、維持向上に努めるといった方法の継続が最もベターであると判断されます。

学園の日課に無理なく沿えるように、生活訓練を柱立てとし、日課と週課のスケジュールを無理のない内容に設定し、毎日の活動が継続して行ける様に職員も園生9名に対して4名を配置しています。

全面介助の対象者ではありますが、毎日安全に安心して過ごせる環境設定ができる様に心がけ進めていく方針です。音楽を使ってリラックスする時間を作ったり、草花に水をやったり、切り絵をしたり、本の読み聞かせをしたりして情緒の安定をはかる等の試みをしながら進めていく予定です。

以上の班別訓練の体制は「平成20年度 班別訓練」の資料に具体的に表しています。

 

4)ホーム編成(施設入所)

平成7年度に、「男子棟・女子棟・重度棟」の呼称を「ホーム」と変更しました。特に1234……号室といった数字は、まさに施設的であり、柔らかさがないために、「花」とか「果物」とか、可愛いい動物の名前とか、ソフトな感じの名前に変更しました。

各ホーム毎に1名のホーム長を置き、ホーム長を中心に各ホームの職員が独自に、生活面に潤いを保たせるように運営をして行います。

平成17年度も安心して暮らせる生活の場つくり、個人ごとに楽しく明るく暮らせる時間(人生)を提供できるように学園の生活面を充実させたい。ホーム体制の詳細は「平成20年度ホーム編成」の書類を参照していただきたいと思います。

平成19年度同様に、平成209月までは、支援職員の宿直明けを考慮した職員配置でミニホームの形を構成としています。平成2010月からは新体制に移行すれば、宿直体制が夜勤勤務体制に変更になりますので、その時は、職員数との絡みで、ホームの勤務体制の変更をしなければならない事態も生ずることが想定されます。しかし、実際には今までどおりに、生活介護の形においても各ホームを2、3人単位の複数担当者で見ていくように進めなければならないと思われます。

日常生活面における個人別の年間目標をたて、木目細かな身辺・生活面でのお世話をホーム毎にしていくという方法で支援して行く予定です。(20名から30名弱程度の3つのユニット型ホームとして形作られる予定です。)

各ミニホーム担当者が各々の部屋の運営・管理に当たる。ホーム全体の環境整備を各ホーム長が責任を持ち、ホーム職員と協力してホームの入所者を守っていく計画です。

各ミニホームの担当者は自己に任せられたミニホームの維持・管理をするだけでなく、ミニホームで生活している入所者の集まりで、ホーム全体の園生の集合体となりますので、ホーム長を中心に各ホーム毎の特長を生かした運営がなされます。(例:ホームの形態⇒ @プロ野球ホーム→男子のホーム、Aディズニーホーム→女子のホーム、Bフラワーホーム→男女混合ホームとなっています。)

園生にとって、楽しく安心して生活できる場所作りに努めます。

 

以上のホーム編成の具体的資料は「平成20年度 ホーム編成」に明記しています。

 

5)社会交流

平成14年度からは社会参加訓練(買い物)の名称は使わず、「社会交流」という呼び方に変えました。平成20年度も19年同様に実施予定です。

(名称変更をした裏づけ)

平成13年度までの外出範囲は直方市内か直方近郊であったが、既に地域になれたということもあり、範囲を超えた地域での活動ができるようになっている。具体的方法としては、クラス単位で一斉に実施する社会交流のあり方の他に、ホームごとに能力別に行動できるグループを設定し、グループによる活動範囲を広げるというものである。逆な場合も考えられ、今までよりも近い場所の方が良い人や、交通手段を考えなおさなければならない人達も出ると思われる。遠方まで足を伸ばせる人の対象により、外出場所と方法を考えて実施していく事に目標をおいての名称変更であった。

平成14年度より参加者の安全を図るために、職員と園生を二日間に分けて実施してきた。

 

平成19年度は1回を2日に分けて入所者の社会交流を実施した。2日に分けたのは、引率時に充分に安全性があるかという点から、3人の残留者職員を日勤させ、他の職員が安全を図り、支援度の高いクラスにもう一人ずつ職員を配置して、イオンモール直方店に引率して行く予定。

 

6)年間行事

重度・最重度の知的障害をもった人が多いため、園生の意見反映が殆どといってよい位出来ないため、職員が色々な立場から充分に配慮して年間計画案を作成します。

行事計画を設定するに当たり、職員の立場からの発想にのみ終わらないように計画段階から、念入りかつ詳細にわたる点検が必要となり、前年度担当職員の声を反映して計画案の作成を行います。

「実際に園生が喜ぶ結果に繋がるのか」といった立場から行事計画が進められて行く事が重要になります。

先ずは危険性がないように充分な計画の元に実施していくように努めます。入所者からの発言が出ない分、行事実施後の反省点が大切な部分となるため、反省会をすぐにもち参加者の反応等を記録し、次回の計画に役立てるようにしていきます。詳細に関しては、年間行事計画に沿って実施します。

親子旅行として、当園を中心にした近辺にある市町村で経営されているような少し有名な場所等があり、日帰りハイキング的な行事を取り込むことができればと計画していきます。

園生が満足できる行事内容にして行きたいと考えています。

 

平成20年度の行事に関しては、「平成20年度 年間行事計画表」に明記している。

 

7)その他

 

〇入浴

午後より実施する。機能回復指導班・ピンチホルダー班をAグループ、他の機能回復作業指導部の班をBグループとし、時間差を設けてグループ順に入浴を行います。各班の担当者が介助・指導に当たります。作業班(陶芸・アロエ・農耕・染色)をCグループとして機能回復作業指導部ABの入浴後に入浴させます。入浴方法としては、平成16年度までは毎日の入浴でしたが、平成17年度からは、職員の手が充分に無く、入所者の入浴は下記のような方法に変わりました。平成20年度も計画通り実施します。

  10月〜3月までは、月、水、金の1日おきの入浴。

4月〜9月までは毎日の入浴。

※ 土曜日については、汚れのひどい対象者についてはシャワー浴等の方法で清潔を保つように対応する。

 

「平成20年度日課表」に明記している。

 

〇体育指導

各班の作業・訓練の時間帯に体育を盛り込んだ方法で進めるようにしています。

機能回復指導班とピンチホルダー班については、日課の訓練に体育が含まれていることと、農耕、園芸班はかなりの運動量がある為に、クラブ活動の内容でカバーしていくように考えています。

軽作業班の染色、和紙、手工芸班と作業班のアロエ、陶芸班については、週課の中に組み込んで実施する計画です。

(経過⇒平成6年度より始まった体育専門の嘱託職員による体育(内容としては、毎週火曜日の午前中に機能回復指導班を、木曜日の午前中に軽作業班を対象に、午後は作業指導部の体育を行ってきた。この形で平成14年度まで実施してきました。しかし、平成15年度からは、体育専門の嘱託職員が退職したために、以上の体育内容を中止。)

 

週課表については、「平成20年度 鷹取学園 週課表」に説明している。

 

 

〇調理実習(平成15年度より調理実習は中止)

平成14年度まで実施したが、施設整備を伴わない通所部の認可が下りるような話であり、通所部の利用者がこの部屋を利用するために、平成15年度より調理実習は中止した。

 

〇「おやつ」について

平成20年度も平成19年度同様に、学園生活をより楽しく潤いのあるものにするために、余暇の充実を検討する中で、お菓子や自動販売機の使用を実施する。おやつは下記の内容のように1日おきに実施してきたが今年度も継続して行う。具体的には、下の表を参考。

(〈※〉 おやつの購入については、過去園生を引率できる場合はピックアップ方式で選び引率して実施したこともあったが、同行できる対象者が決まってしまうために不平等が生じ、園生を同行しない方法で支援職員のみで、おやつのお菓子の嗜好を調査して購入し、配布準備など職員が行うようになった。将来的には、園内におやつの自動販売機を設置して自分で選択できるような体制も検討の余地があるとの意見も出ているが、入所者本人が能力的に金銭管理できない立場であり、カロリー的にも過多になり、健康管理の問題を考えると容易く進められないことになった。)

 

〈おやつに関する説明〉

@平成20年度に関しては、ジュースとおやつ支給曜日を下記のように設定する。

Aビールについては、好きな園生が飲みたいと要望がある場合に準備し出すようにする。

B月、水、金、日曜日におやつを出す。

C月、水、金におやつを出すときに、併せて給茶機のコーヒーを出すようにする。

D缶ジュースは、火、木曜日を学園からの支給日とし、土、日は本人小遣いで購入する。

 

おやつとジュースの支給曜日を纏めた表

 

 月 

 

 

 

 

 

 

 

牛乳

 

 

缶ジュース(自動販売機)

 

朝食時

 

 

  

朝食時

 

 ○

学園支給

 

朝食時

 

 

 

  

朝食時

パン食

 ○

学園支給

 

朝食時

 

 

 

朝食時

 

 

本人小遣い銭

 

 

朝食時

パン食

○本人小遣い銭

 

 

 

 

おやつ

 

 

給茶機のコーヒー

 

  

団らん

 

 

団らん

 

 

 

 

団らん

 

団らん

 

 

団らん

 

 

 

 

団らん

 

団らん

 

 

団らん

○本人小遣い

 

 

昼間

14:30

 

 

 

 

 

 

 

ビール

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食後本人小遣い銭(本人の要望がある場合は)

 

 

 

 

 

 

 

 

〇クラブ活動(過去に実施 ← 過去の事績として記録している。)

平成15年度は一時クラブ活動を中止したが、平成16年度は復活し、水曜日の午後に一週間隔で実施するようにする。17年度は実施する。

クラブの内容としては、本人達が心より喜んで参加できるクラブにして行く。

(過去の説明 〜平成12年度までは、月に2回の割合で水曜日の午前中に実施していたが、時間が短いためにゆっくりとしたクラブ内容をすることができないため、平成13年度より、午後より2時間かけて余裕を持って実施してきた。平成15年度は、一時クラブ活動を中止したが、16年度に再度復活した。)クラブの内容に関しては、平成17年度には実施したものの18年度からはクラブは設けなかった。

 

〇掃除

毎日行う朝の掃除も、職員と園生で実施する。各ホームの責任者が責任をもってホーム毎に行い清掃維持、管理していく。水曜日のルームキーピングの後に全体的な部分の掃除に時間を当てる。

また、日課の中で手の行き届かない場所をするようにする。例えば、窓ガラス拭きなどを重点に行う。また館内の掃除終了後に園庭の掃除を実施する。館内の持ち場ごとに、各持ち場の外まわりも分担する方法をとる。天気に左右される場合があるので、天気を見ながら進めていく。20年度も19年度同様に進める。

学園全体としての大掃除は、お盆前とお正月前に実施する。

(※過去の事績 ⇒ 週課の変更により実施の曜日に変更があった。⇒平成16年度は、月曜日のルームキーピングの後に掃除時間を設定し担当職員と園生で実施した。 

平成1718年度は水曜日のルームキーピングの後に掃除時間を設定する。各ホーム単位で区域毎の掃除を行うようにした。)

 

〇配膳当番

園生は訓練として、本人達のできる配膳内容を配膳当番として役割を負わせ、各週ごとに交代制で実施させていく。内容としては下記のような方法で進める。

1)ホーム単位の食事の場合は、配膳当番さんが配膳をする。当番はホーム毎に一週間交代で食事時の配膳を行う。責任を持って職員と一緒に配膳を行う。

2)班毎に実施する食事の場合は、各班の職員と班園生の単位で配膳・食事・片付けを行う。

 

 

 

通所部

平成14年度の末、平成15年の3月に、「設備を伴わない通園型」の定員10人の認可が下りた。平成151617,18年度は、定員10名に対し1名の対象者を受け入れたが、平成18年度前半に障害者自立支援法による通園よりも、入所施設を選びたいとの事で、他施設に入所した。19年度も申し込みの対象者はあっておらず、20年度も希望者は出ないと思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成20年度 

会議について(鷹取学園)

 

〔会議開催方法〕

1。会議予定計画書を提出(緊急の場合は別)

2。会議内容は、司会者、書記により必ず内容報告を行う事

3。会議の種類

 

    1,スタッフ会議

   時 期    随時行う

      場 所    園長室  

     メンバー      園長、副園長、統括、チーフ、看護師等

 

    2,生活支援・作業指導会議

 

  @ホーム長・チーフ(班)会議

   時 期    必要に応じて随時

      場 所    会議室等   

     メンバー      統括 各班チーフ、各ホーム長等

  《会議の内容》

   ○ホーム長会議

       議 題       前もって、ホームの問題点について検討事項を提出する

       場 所       会議室等

       メンバー   ホーム長統轄、プロ野球ホーム、ディズニーホーム、フラワーホームのホーム長、(場合によっては副園長、総括、看護師の3名が加わる)

   

   ○班チーフ会議

   議 題       前もって、班からの問題点について検討事項を提出する

      場 所       会議室等

      メンバー   各班のチーフ8

 

  Aホーム会議《生活支援会議 →プロ野球ホーム、ディズニーホーム、フラワーホームの3ホーム会議》

       (※ ケース会議を含む)

   時 期    原則として、各週<水曜日、午前11時より>

      場 所    各ホームの宿直室or DR  

     メンバー      各ホーム責任者及び支援員(副園長、総括、統括ホーム長、看護師の4名が加わる)

   

B班会議

       作業指導部(陶芸、アロエ加工、園芸)・

       軽作業班(和紙、染色、手工芸、)

       機能回復作業指導部(ピンチホルダー、機能訓練)

       8グループが合同で開催したり、単独で開催したりの形態を取る。》

   時 期    原則として、必要に応じて随時

      場 所    会議室等  

     メンバー      副園長、総括、各ホーム責任者(ホーム長)及び生活支援員(必要に応じてメンバー構成) 

 

 

  3,医務会議

   時 期    必要に応じて随時

      場 所    園長室及び医務室等  

    メンバー    園長、副園長、看護師、総括、統括ホーム長、支援員、栄養士(必要に応じてメンバー構成) 

 

  4,厨房会議

   時 期    原則として、必要に応じて随時

      場 所    調理師休憩場所、会議室、園長室等  

     メンバー      事務長 事務主任 栄養士、看護師、総括、ホーム長、生活支援員(必要に応じてメンバー構成) 

    

 

  5,事務会議

   時 期    随時

      場 所    園長室及び事務室等  

     メンバー      園長、副園長、総括、栄養士、看護師等

 

  6,保護者との会議

@ホーム別会議

   時 期    年1回 

      場 所    生活実習棟及び相談室等  

メンバー      保護者、園長、副園長、総括、看護師 支援員等        

 

A班別会議

   時 期    年1回 

      場 所    生活実習棟及び相談室等  

    メンバー     保護者、園長、副園長、総括、統括ホーム長、支援員、看護師等        

 

 

B保護者役員との懇談会

   時 期    原則として奇数月(議題がなれば開催しない。)

      場 所    生活実習棟及び会議室等  

   メンバー    保護者役員、園長、副園長、看護師、統括、ホーム長、チーフを加える事もある        

 

C保護者会での伝達

      時 期       各月原則 第3金曜日 「家族ふれあいの日」

      場 所       食堂

      メンバー      保護者

        学園の代表(園長、副園長、統括、その他内容によって担当職員が参加する。)

 

 

 

                                            2008 03 08 FK

 平成20年度  健康管理計画

                                      知的障害者更生施設 鷹取学園

                       看護師 永冨 千夏

〈全体的な健康管理〉

平成20年度も、学園生活を維持継続できるためにも、入所者の健康管理については予防的立場に重点をおき、運動量(活動量)・栄養面にも留意しつつ、日常生活を楽しく続けさせていきたい。障害者自立支援法の改正により、平成18101日より、医療費については個人負担に変った。入所者各人の家庭背景も含め、ケースバイケースで対応に注意していきたい。

怪我、病気での入院については、入院の翌日より施設には、収入が入らなくなり、一時施設との関係が切れる様な仕組みとなっている。今後は、入所者の障害程度によって難しい場面が多く発生すると思われる。園内での集団生活をスムーズに進める為には、支援現場の支援員と協力し合い、日常的健康チエックに重点を置き、個々人の健康維持につとめて行きたい。

 

 〈精神科疾患者の治療〉

学園生活において集団活動に参加できにくくなり、周囲の人達とうまくやって行けなくなるといった精神障害を重複している園生に対して、精神科嘱託医・鳥巣美穂先生の治療を受けながら、癲癇発作、精神分裂症を軽減し、学園生活に参加、適応できるよう努めて行く。

 

 〈歯科治療〉

法定健康診断の実施はもとより、重度者の歯科治療が全国的には、未だに大変難しいといわれている。当園の場合、平成19年度も全園生対象に順調な歯科治療が行われてきた。現状はブラッシングを中心の歯周疾患の治療を進めている。平成20年度も継続して行く予定である。

大体において、歯科治療に対するあり方は、治療中心から、予防といった状態に進んだが、中にはしだいに歯の状態が年齢とともに悪くなっている人もいるため、平成20年度も引き続き治療の必要な人に対し、治療を進める予定である。虫歯、歯周疾患の予防としては、指導員と協力しながら食後の歯磨きの徹底を図っていく。

歯科治療の面に関しては、一般の人よりも手が行き届いた内容になっていると考えられる。しかし、これも、平成18101日からは、医療費が自己負担となったために、個人ごとに家庭と打ち合わせを行い、治療を進めるかどうかについても本人か保護者に確認して進めなければならない。

虫歯、歯周疾患の予防としては、支援員と協力しながら今まで通りの食後の歯磨きの徹底をはかりたい。

歯科治療の方法としては、次の通りとし、4班が順番に回り治療を進めるように考えている。

 

 

 No

       治療グループ

 

    毎週『火曜日』に実施

 

 

 

 

      時間帯

 

1班

 機能回復指導班 + アロエ班  

 

 

  14:20 16:30

 

 

 

 

 

2班

 陶芸班 + 染色班 

 

  

 

 

 

 

    

 

 

3班

 和紙班 + 園芸班 

 

 

 

 

 

 

 

 

4班

 手工芸班+ ピンチホルダー班

 

 

 

 〈健康維持・管理体制〉

健康維持管理については、日常的対応は看護師を中心に行うも、直接指導に当たる支援員の協力と、健康管理維持の基礎ともいうべき食事を司る調理場とコンタクトを取り、病気に対する予防に留意して行く。また、病気にかかった園生には嘱託医及び協力医のもとに治療を受け、健康維持に努め入所者全体としての楽しく明るい学園生活を守って行きたい。

 

 

〔健康維持管理内容〕

 

1。日  実施項目

 

    投薬を必要とする園生

    統合失調症、癲癇発作のある人、その他必要に応じた場合の対処

 

2。週  実施項目

 

    全園生に対する検温。原則として毎週月曜日に実施する。

 

3。月  実施項目

 

    1)血圧測定      2)体重測定     3)検尿      4)皮膚病検査    

5)精神科医による月1回の検診

 

 

4。年  実施項目

 

1)    心電図検査  

2)    身長測定  

3)    エコー検査〔健康診断の結果、医師の指示ある人のみ〕

  4 生活習慣病検査 年2回全員〔血液検査〕    

  5 委託検診

    歯科治療……全園生対象    4月実施

    インフルエンザ予防接種……父兄の希望される園生

    精神薬内服者の副作用検査(血液検査…春、秋の2回)

  6 眼検診

  7 子宮癌検診……父兄の希望される園生

 

5。不定期実施項目

    1)感冒流行時に検診  ……  1、2、3月時に実施

    2)水泳時期(実施する場合)    適・不適の診断を受ける ……  7月

 

6。法定検査

    1)健康診断  ……  春・秋2

    2)胸部レントゲン検査  …… 入所者は、64歳までの人に関しては検査をしない。65歳に達する日の属する年度以降において毎年度1回。

 (職員に関しては、毎年、全員実施)

 老齢化対策

重度の知的障害を持った人達は普通の健康人よりも、色々な病気にかかりやすく、日常からの健康管理により真剣に関わらなくてはならない。加齢化も早く、学園の中には40歳前後になると、急に老け込んでしまう人が出てきた。平成1111月の親子旅行後に、男子入所者が急に36才の若さで原因不明の脳梗塞になったり、年齢が高くなりメニエール症候群のでる人もいる。

今後、更に老齢化による障害が増えると思われるため、高齢化に対する研修会等に出席し導入できるものを活用し、健康管理を試みてみたい。

また、平成16111日の親子旅行の時に女子入所者が、電車の中で脳内出血を起こし病院に入院となり、退院後に学園に戻して欲しいとの保護者の希望があるも、後遺症として身体障害を持った為に、当園での支援には限界があると判断し、身体障害者施設を紹介するといった結果に至った。今後は、老齢化したときに起きる脳血管障害の後遺症等や学園では見ることのできない病気になった場合に、何処まで当園がみて行けるのかといった問題が、今後他の園生にも出てくることは確実である。この問題は、今後の知的障害者の高齢化問題として、どの様な方法で彼らを支援していけば良いかという大きな課題を知的障害者福祉関係機関等に投げかける事になると思われる。

 

 

 「学園の健康管理体制」添付図を参照

契約書の内容どおり

1】協力医療機関

 

 内 科

 魚住内科胃腸科医院

   院長

所在地

   電話番号   

 

魚住 浩

直方市頓野1919−4

0949−26−6610

外 科

 西田外科医院

   院長

   所在地

   電話番号   

 

西田 博美

直方市頓野野添2104−19

0949−28−1573

精 神 科

 りぼん・りぼん 

   院長

  医師

  所在地

   電話番号   

 

三原 伊保子

鳥巣 美穂

北九州市小倉北区宇佐町1−9−30

093−513−2565

歯 科

 安河内歯科医院 

   院長

所在地

   電話番号   

 

安河内 半六

直方市日吉町3−12

0949−24−0577

眼 科

 阿部眼科 

   院長

   所在地

   電話番号   

 

阿部 健司

直方市溝堀2−3−13

0949−22−2953

 

 

 

 

 

2】準協力医療機関

 内 科

 直方中央病院 

   内科院長

   所在地

   電話番号   

 

野田 晏宏

直方市感田3573−1

0949−26−2311

外 科

 西尾外科医院 

   院長

   所在地

   電話番号   

 

西尾 禎一

直方市津田町9−39

0949−22−2684

 皮膚科

 

おおもり皮膚科クリニック

   院長

   所在地

   電話番号 

 

大森 正樹

直方市感田井牟田1930−1

0949−26−6520

産婦人科

 田中産婦人科クリニック

   院長 

   所在地

   電話番号

 

田中 康司

直方市頓野1000−27

0949−26−8868

外科・耳鼻咽喉科

 岡村医院 

   院長

   所在地

   電話番号 

 

岡村 浩一郎

直方市頓野3816−3

0949−22−2683

 

                                          

 

 

 

 

 

 

      平成20年度 給食に関する計画

                                          知的障害者更生施設  鷹取学園

                                              管理栄養士 秋吉 美奈

 

平成20年度も、生活の基盤となる健康な身体作りを支えると共に、食事が楽しみというように皆さんから期待される、そういう食事作りを、モットーに頑張って行きたいと思います。

集団給食の中に、いかに家庭的な雰囲気をかもし出せるか、工夫して行きたいと考えています。

数年前からO−157のような食中毒の問題が社会問題化されて来ました。 一昨年前から産地偽装や、牛肉のBSE問題、鶏インフルエンザ、ノロウイルスなど、食材にまつわる問題が次から次へと起こっています。平成19年度は中国からの輸入餃子から毒物が出るといった事件まで発生しました。当園は食材に関しては冷凍食品、缶詰類は外国製品が多いですので、直ぐに生産地に関する調査をし、中国産の輸入品は一切使用しないし、材料費が割高になったとしても国内産を使用し、できる限り国内産のみで対応をとることにしています。

給食に関する中毒や危険防止としましては、基本的にやっておかなければならない衛生面の処理、食材の管理などに対し、日々、心がけていけば、危険の多くは防止できると思われます。

当園におきましては、衛生的な食事管理だけは充分に気を配って行きたいと考えています。 また、新たな危険性に関しては充分な知識と職員の協力体制で進めて行きたいと考えています。

入所者が喜んで、安心して美味しく食べることができる食事内容を提供していきたいと計画しております。

行事食については、今まで行ってきた食事内容や取り組みについて再確認し、毎月の誕生日会、夏祭り、学園祭、クリスマス会、ひな祭り等の行事に提供する食事に、より一層のメリハリをつけ、学園生活が楽しく潤いのあるものにして行きたいと思っています。

老齢化、加齢化が進む中で、歯周疾患や喪失歯または嚥下困難の園生が段々増えるので、固い物が噛めない、飲み込めない等の理由で、刻み食等が増加の傾向を辿っていますので、この点にも注意を払って行きたい。

更に、軽い高血圧症、肥満対策の為のダイエット食も必要になってきたため、医療部、指導部とも密接な連絡を取りながら、少しでも、改善の方向に向かう様に、個人個人に合わせた、食事作りもおこなっていきたいと思います。

平成11年度よりパソコン処理に写真を加える様になっています。 インターネットで各入所者のご家庭からも三食の献立内容と、昼食と夕食に関しては、デジタルカメラでとった献立内容が見られるようになっています。より多くの保護者の方に、少しでも当園の食事の内容をみて頂ければ食事に携わる職員もやりがいにつながると思っています。 献立表で栄養価が分かり、給食日誌でその日の食数や、一食あたりの単価が把握できるようになっています。 平成18年度から始まったグランドデザイン計画の中に触れられています食事金額に対しての献立内容の検討も可能となりました。

食費とそれに対応できる食事内容が評価されるような時代が直ぐそこまで来ています。

平成20年度も、より一層、内容の充実に向けて努力していきたいと思っています。

 

平成20年度行事食予定は下記の通りです。
【行事食一覧表】

四月   28周年創立記念弁当 誕生会 お弁当の日(お花見) 

五月   誕生会     

六月   誕生会     

七月   誕生会     

八月   夏祭り  誕生会   

九月   誕生会   

     秋分の日おはぎ

十月   誕生会  学園祭  

十一月  誕生会   

十二月  誕生会 クリスマス会 餅つき  

一月   誕生会 鏡開き 七草粥  

二月   誕生会 

三月   ひなまつり 春分の日おはぎ  

 

最低週一度は、なにかの行事食をとりいれて、学園生活をエンジョイできるような食事づくりを目指したいと思っています。