平成20年度給食に関する報告書

 

知的障害者更生施設 鷹取学園

管理栄養士 山田 裕加

1.はじめに

 平成20年度は学園創設以来の変革の年となりました。厨房の増改築に始まり調理員全員正職員で新規に採用され、私も4月採用で、全員新職員で事務室管理のもと事務室・厨房が一つのチームとなり、すべての食器の入れ替えや新しい機器の導入に伴う調理方法や新しい献立メニュー・行事食の取り入れ、作業工程の見直し及び改善に取り組んでまいりました。

 

2.行事食・嗜好・栄養面について

毎月1回の誕生会は、園生皆大変楽しみにしております。その時期・その季節にあった旬の食材の使用、普段の給食で使用しない食材を採用し、特別なメニューとなるように心がけております。

又、今年から節分、バレンタインなど新しい行事食を追加致しました。園生皆さんには大変好評で喜んで頂きました。

 

3.食品の安全

去年は特に賞味期限の改ざん事件や食品偽装問題に振り回された上に、中国の殺虫剤メタミドホス、ジクロルボスがぎょうざに入った事件で振り回されましたので、当園では、すべての材料チェックを行い、値段は高くついても、すべて国産の品物に切り替えを致しました、そのようなことに追討ちをかけるがごとく、オイルショックに伴い食材の高騰が相次ぎ、加えて経済恐慌に見舞われ、現在の状況になっています。当園も食材の仕入れを厳しくチェックし、産地・製造年月日・賞味期限の伝票記載を各業者に義務付け、食材の納品時には細心の注意を払い、鮮度に気を配って、食材の受け入れをしております。

又、高騰した食材面の対応として、出来る限り冷凍食品や既製品は使用せず、手作りに努めております。以前は既製品を使用しておりましたデザートや調理パン(ホットドッグ・ハンバーガー・ピザ)などは手作りしております。蒸しパンに関しては特に好評で、去年の学園祭には一番早く売切れになるという人気ぶりでした。

 

4.衛生面について

 厨房の増改築に伴い、今までの衛生面を一から見直していきました。特に大きく変えていった点は各食品に対しての器具の使い分け・配置場所を見直した点です。また食品の取り扱い方法・保存方法についても再度見直しを致しました。問題点が発生したときは衛生管理責任者の永井主任を中心によりよい方法を模索しながら徐々に衛生面の強化を行ってきました。

また栄養士・調理員ともに保健所の衛生研修に参加させて頂きました。その他保健所より“集団調理についてのビデオ”を借用し、皆で勉強するなど、専門知識に基づく衛生面の強化を図りました。

 

 5.栄養面について

園生のみなさんの好む食事内容はやはり洋食メニューです。入所施設という事で、この学園の中で日常生活をされている園生には食事は一番の楽しみです。その為出来る限り皆の好きなメニューを献立に反映できるよう努力しておりますが、園生も平均年齢40代半ばを過ぎております。カロリー面からいっても低カロリーで満腹感が満たされるような食材の使用や塩分にも配慮し、減塩に努め、食材本来の味を引き立てるようにも努めております。更に加齢化に伴い、咀嚼困難や嚥下がうまく出来ないなどの問題点や体調面を考慮した個別対応が随時求められてきました。刻み食など、食事をする際にも入所者個人別の摂取状態に応じた材料処理をするように対応してきました。また極端な偏食の人に対しては出来る限り食事を摂取出来るようにその人が食べやすいような食材を特別に用意したり、盛り方を変えたりするなどの配慮を行ってきました。

 

6.厨房職員はあくまで正職員の待遇で

一般に施設では食事提供が“委託”に切り変っていく風潮の中、当園の場合は、理事長の方針で、あくまで自前の給食提供の利点をフルに発揮していくという独自の考えで、おいしく・楽しく・身体にやさしい食事作りに事務室・厨房チーム一丸となって向上に努めていきたいと思います。

 

【行事食一覧表】

四月   誕生会 29周年創立記念弁当  

五月   誕生会 運動会

六月   誕生会  

七月   誕生会 七夕 

八月   誕生会 夏祭り

九月   誕生会 秋分の日

十月   誕生会 学園祭

十一月  誕生会 

十二月  誕生会 餅つき クリスマス会 年越しそば 

一月   誕生会 おせち料理 七草粥 鏡開き 

二月   誕生会 節分 バレンタイン

三月   誕生会 ひなまつり 春分の日