集団給食のための安全対策
鷹取学園
栄養士 西村 真由美
細菌性食中毒を防ぐには
☆ 食中毒細菌はこうして増殖する
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水 分 |
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適度な温度 |
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栄養分 |
+ |
10〜46゜C |
+ |
時 間 |
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食品は 栄養満点 |
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常温で容易に 増 殖 |
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時間の経過 とともに 増 殖 |
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★食中毒はこうして起きる
食中毒細菌 が食品に付く |
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食中毒細菌 が増える |
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食べる
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食中毒発生 |
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菌を除く 菌を付けない |
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菌が増える時間 を与えない 菌を増やさない |
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菌を殺す |
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清 潔 |
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迅 速 |
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冷却または加熱 |
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食中毒予防の3原則
清 潔
清潔は衛生的であることの前提条件
1)原材料の清潔
ほとんどの原材料は微生物による一次的汚染のある事に注意
原材料の吟味
原材料の保管……食品庫はエアコン等で換気につとめる
2)施設の清潔
A)天井、壁、床の清潔
B)食品保管庫、調理場の整理整頓、掃除
冷蔵庫 毎週1回以上(逆性石鹸を100倍に希釈)で消毒し、のち温湯で拭く
残菜容器は蓋付きを設け、毎日作業終了後に必ず処理
C)防虫、防鼠設備及び定期的駆除
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1 餌を与えない(食べ物残飯の始末) 2 巣を作る場所を与えない 3 侵入路を防ぐ(防除設備) |
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侵入防止の3原則 |
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窓には網戸を設ける
D)手洗い設備(衛生水洗がよい)
専用トイレを設ける
3)器具、食器の清潔
使用器具、食器は使用のつど充分に洗浄、殺菌
a)機械器具類は使用後ブラシ等を用い充分な洗浄、消毒の後、清潔に保管
b)食器の熱風消毒、乾燥保管庫は最初の15分は湿熱(95゜C前後)で消毒。 その後、乾熱に切り替えて30分以上毎日定時に温度チェック。60分加熱
c)その他の器具煮沸消毒沸騰状態で30秒以上
熱湯消毒は、80゜C以上 5〜10分以上
器具は用途、原材料によって使い分ける《二次感染》
d)包丁、まな板
使用目的別に区分する。
材質は細菌に汚染されにくい物を選ぶ(木製まな板は避ける)
使用後は洗浄の上熱湯消毒
衛生的保管
殺菌灯をつける。殺菌灯は殺菌効果の有効期間内で使用(1年間くらい)
4)食品取扱い者の清潔
清潔で衛生的な習慣
a)手先の洗浄消毒、調理室、食堂の出入口手洗い設備を設ける。指輪、時計、マニキュア
は作業時には用いない。爪は短く切る。
b)身体、着衣は何時も清潔に。専門の履き物、マスク、三角巾の着用
c)健康管理
年1回の定期検診、毎月1回以上の検便。下痢、手指の切り傷の場合調理に 従事しない。
迅 速
1)食材や調理済みの食品を室温で長時間放置しない。室温放置は細菌増殖の温床。調理後喫食までの間を短縮し、細菌に増殖する時間を与えない。
2)仕入れた原材料は速やかに調理加工する。
3)摂食時間を考えて調理、加工を計画的に行う。前日、調理は行わない。
4)弁当、惣菜は調理後4時間以内に摂食する。
加却または加熱
1 適切な冷却
A)冷却は10゜C以下で行う。冷凍庫(ー20゜C以下)冷蔵庫(5゜C以下)冷蔵庫に温度計(隔測温度計)を備えること。常時温度管理に留意する。
B)ドアの開閉はすばやく行い、温度の上昇を防ぎ、定期的に霜取りを行う。
C)調理食品は放冷してから保存
D)食品を詰めすぎない。冷気の流れを妨げない。庫内容量の70%以下を目安にする
E)先入れ、先出しの原則の実施により、古い在庫の溜まりを防ぐ
2)充分な加熱
加熱は食品の中心温度が75゜C以上になること
※ 耐熱性のある細菌もいるため、再加熱、継ぎ足し禁止。
3)その他の温度管理
食品は適切な解凍方法で処理する。冷蔵庫内解凍。やむを得ず急ぐ場合は、流 水解凍
検食……1食に付き50g以上 120時間以上保存
1996 06 21 FK