--- 鷹取学園20周年資料 ---
ご 挨 拶
社会福祉法人 福智の里
鷹 取 学 園
理事長 兼 施設長 坂田 友三郎
社会福祉法人「福智の里」 知的障害者更生施設「鷹取学園」も、本年、創立二十周年を迎えることになりました。法人の設立が昭和55年(1980年)、施設の開設が翌56年であり、法人が満20年、施設が20年目を迎えます。はからずも、本年は2000年、ミレニアムの年と重なりましたが、二十年と言えば、大きな節目であります。 当福智の里並びに鷹取学園に対し、各行政機関並びに元国務大臣三原朝雄先生をはじめ、実に多くの方々から並々ならぬ御好意、御支援を賜りまして、今日まで、育んで頂き、激励を頂きましたことに、まずもって満腔の謝意を述べたいと思います。また、設立当初より御尽力頂いた方で、今はもう他界された方も何人もおられます。謹んで御遺徳に感謝の意を表します。
当地直方は特殊教育が盛んな土壌であり、二十年前、直方特殊教育後援会が誘致して県下で最初に設立された県立の知的障害者の学校であります直方養護学校に於いて、これも県下で最初に高等部の生徒が卒業を迎えるに至り、卒業後の先行きを憂慮された御父兄の強い熱望を受け、たまたま私が直方特殊教育後援会と直方養護学校後援会の双方の会長の任にあったことにより、法人を設立し、更生施設を開設したのが発端であります。
以来、今日まで、知的障害を持つ人の中でも、重度・最重度者と言われているとりわけ重い人たちに加えて、精神面での重複障害を併せ持った人たちを対象にした施設処遇を展開して参りました。
入所定員50名で出発し、60年に20名の重度棟を増築。その後も増員し、現在は定員76名であります。二十年ふた昔でありますが、誕生した人が成人に達する年であり、20歳で入所した人が40歳を数えます。試行錯誤を重ねながら、重度・最重度者の人たちにとって、最も幸せな生きがいのある自立した人生を目指して、きめ細かな作業・訓練を設定し、生活環境を整え、健康な生活に不可欠な医療面の充実を図り、とりわけ、困難な精神科医療面の対応として斯界の権威である糸井孝吉先生を精神科嘱託医に迎え、何よりも園生が明るく安心して生活を送れるような配慮に努めて参りました。
創立十五年目を契機として、各居室棟を○○ホームと呼びかえ、生活と作業訓練の両面に於いて、場所と時間を明確に区別し、日中は健常者の勤めに近い状態に、また、ホームでの生活は、あくまで家庭的な雰囲気がかもしだせるような状態にと、大きな構造変革を行いました。居室名も1号室、2号室等の代わりに、各ホームの名称にちなんだ呼び名に変え、家具調度品も新調し、明るく居心地の良い部屋に一新しました。
期せずして、いわゆるノーマライゼーションやQOL(生活の質の向上)の声かけに、足並みをそろえ、それらを具現化してきた訳です。また、平成4年より処遇現場にパソコンを導入して、総合的把握により現場処遇の向上を図るという、全国に先がけた画期的なプロジェクトに取り組み、写真画像の取り込みなどマルチメディア的処理の展開を目指すに至っております。また、今回、二十年の処遇事例をまとめたものをCDROMに取り込む作業を行い、二十周年を記念して、施設等関係者に配布しております。
まずは重度・最重度者を優先的に入所させ、彼らなりの自立更生や幸福な人生をつかむべく処遇を図るというのは、そもそも私の固い信念であり、決意でありました。重度・最重度者の「生活自立」を中心課題とし最大目標として共に生活し、共に指導訓練を積み重ねてきました。その根底としては、創立当初から「人間愛」を唱えております。「愛の心」をもち、「共に生きる」という姿勢があってこそ、はじめて彼らの処遇が可能になるのであります。お蔭様で、園生もおおむね生活自立できるところまでに成長しました。鷹取方式とも言える処遇方法が確立し、園生の成長にその実を結んだ今、重度・最重度者及び精神障害を重複する知的障害者の処遇については自負するところであります。もとより、そこには現職員のみならず退職していった数々の職員OBの方々の努力に負うところ大なるものがあり、心から感謝申し上げる次第です。
施設としての基礎が固まり、また、お蔭様にて、法人におきましても無借金状態までに至り、社会福祉法人と致しましても、ようやく万全の基礎ができあがりました。これもひとえに日頃からお世話になっております皆様方の多大なる御後援の賜であり、重ねて厚く感謝申し上げます。
さて、本年4月1日からの介護保険制度の開始に始まり、福祉社会は今、大きな転換期にさしかかっております。知的障害者福祉に於きましても、平成15年からは措置制度が契約制度に移行される見通しです。二十年を節目として、園生も高齢化の道を辿りつつあります。この重度知的障害者及び精神的重複障害者の高齢化問題にどのように対処していくかが、目前の最優先課題となっております。役員、職員、保護者が三味一体となり、懸命に努力していく覚悟でありますが、園生が彼らなりの人生を全うするために、今後とも今までにまして、皆様方の変わらぬ御支援、御指導、御鞭撻の程を、衷心よりお願い申し上げまして、二十周年のご挨拶と致します。
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